金が無い！

　クラヴォニアは連鎖が組みにくく、達成するのに時間がかかります。
　１周４８歩あるので、普通にダイスを振ると１周するのに１０Ｒ必要。基本ボーナス250Ｇ、砦ボーナス120Ｇ×２なので、１周して得られる魔力を650Ｇとすると１歩の価値は13.5Ｇ。
　他のマップでは１歩の価値が20前後であることを考えると、魔力が極端に得にくいマップです。

　こうした条件でまともに達成しようとすれば、クリーチャーのコストを落として、収入スペルを入れて達成まで持っていくことになりますが、なかなか難しいです。
　まず、土地数が少ないので土地に対する需要が高いことが挙げられます。このため安易にクリーチャーのコストを落とすと土地が維持できず、連鎖が組めません。
　また、１歩の価値が低いためＨＷ８のような足スペルの恩恵が得られません。【トレスパス】や【パーミッション】など、使用タイミングが限られるけど効果の高いカードを使う方法が良さそうです。

　つまり、周回による魔力が得にくいのに、クリーチャーは高コストのものが要求され、収入手段の機能率も安定しにくい環境と言えます。そのため、メタの筆頭に上がってくるのは【トレスパス】。護符マップなので周回ボーナスは膨れ上がる傾向があり、細かい金策に悩むよりも【トレスパス】を成功させてしまった方が楽です。

他に収入手段として使えそうなものを挙げます。

• 【パーミッション】

  　２４歩だけ短縮できるので、124Ｇの収支。（13.5*24-80-120=124G）他人の【トレスパス】を補助してしまうのがネック。護符を買った後の中～終盤に引ければ強いです。

• 【リフュージ】

  　１回の収支は80Ｇとあまり強力ではありませんが、「少量だけブックに投入して何度も使える」というのがミソ。こういう性質を持つカードは少ないです。相当にブック圧縮できる収入手段。

• 【マナ】

  　普通に強い。【パーミッション】と好相性。

• 【フェーム】

  　護符を買ってからレベルを上げるのではなく、レベルを上げてトランスをする戦術と相性が良いです。これは【プレッシャー】と相性が良いのですが、細かい話は後述します。

• 【ドレインマジック】

  　軒並み低魔力な状態が続くので使える場面は多くないのですが、欲しい場面もあるにはあります。無くてもＯＫかも。

• 【ギフト】

  　手札の枚数を減らさずに50Ｇを得られます。特に序盤に引きたい１枚。カード1枚の価値をどの程度まで評価するかにもよりますが、【リンカネ－ション】との相性の良さを考えると、収支以上の評価ができます。

• 【グレイス】

  　中～終盤に引きたい１枚。ただ、これが強くなるような局面なら、とっとと護符を売ってレベルを上げて達成してしまっても良いでしょう。まともに使えるのは１、２回くらいでしょうか。

• 【ハンターソング】

  　まだ良く分かっていない収入スペルです。持続ターン数と使用魔力が魅力的で、場に【トゥームストーン】が多い環境だと機能しやすいです。【カウンターアムル】で土地を守ってもアイテムの使用魔力を補填してくれるので、侵略の抑制にも使えますし。土地制圧型の侵略ブックと相性が良いのですが、「魔力がもらえるから」と必要以上に侵略をしてもダメなんですよね。これを軸にしたブックも組んだので、後述します。

　ここまでを踏まえた上で、さらに２枚のカードに注意しなければなりません。

• 【サプレッション】

  　【トレスパス】が消された場合、非常に長いラウンドを戦うものだと覚悟してください。ブックによってメインとする収入手段が大きく異なるので、これを消されるとこちらのコンセプトが成り立たなくなってしまいます。

• 【セフト】

  　「他人が持っている【トレスパス】も【パーミッション】も【リフュージ】も、みんな奪ってしまえば良いじゃん。」という発想のカードです。【サプレッション】で消された場合の保険にもなります。

　３つの達成モデル

　クラヴォニアでのブックは達成モデルによって大きく３つに分けられます。

1. 護符買い

   　周回を重ねながら護符を買いつつ、３～４連鎖組んだところでレベルを上げる戦術。自分の護符以外に、他人の護符に相乗りしても良いです。ただ、護符価値が安い状態で他人に相乗り（護符ロック）されると、レベルを上げにくくなってしまいます。
   　序盤に上手く【トレスパス】を決めて護符を買えればラッキー。逆に、他の人に上手く【トレスパス】を決められて、相乗りされると手が出しにくいです。【パーミッション】、【グレイス】と相性が良いです。
   　相乗りを前提とするのであれば、【フォーフェット】も使いやすいでしょう。

2. トランスサンド

   　最初は護符を買わないで、さっさとレベルを上げてしまう戦術。連鎖を組んでいなくても構いません。護符の相乗りを避けるのが目的です。３～４連鎖レベル４くらいまでいけたら【トケビ】などを使って領地をトランスして、護符価値を落とした状態で護符を買い漁ります。トランス前に【プレッシャー】を使っておけば、護符を買っていた人への牽制にもなるし、自分が買う護符の価値も落ちて一石二鳥です。
   　最初にレベルを上げてしまうので、【クイックサンド】や【フェーム】と相性が良いです。

3. 土地制圧

   　クリーチャーを広く展開し、連鎖を築かせないようにする戦術。相当慣れが必要。護符を買われるとクリーチャーだけでは手が出せないので、【コラプション】も必須です。土地数が少ないので理論上強いとは思いますが、きちんとした上がり方が自分の中で見えてきていないので、要研究です。
   　収入スペルは【ギフト】、【ドレインマジック】、【ハンターソング】が相性良いようです。

　ブック解説

　トランスサンド型のブックです。上がり方は前述した通りなのですが、水で連鎖を組めていない時でもレベルを上げられるように【ブラッドプリン】を採用しています。序盤にばら撒いても資金不足にならないので、使いやすいですね。【グラビティ】は【トレスパス】消しがメインとなりますが、普通に土地を取るのに使ってもＯＫです。

　土地制圧型のブックです。【ハンターソング】で小金を稼ぎつつ、他人の護符に相乗りしていきます。【トレスパス】や【リフュージ】は【サプレッション】で消しましょう。最後に３連鎖と護符５０～１００枚を揃えて一気にレベルアップします。実戦では【コラプション】を中盤に撃たれて（-1000Ｇくらい）復帰できませんでした。それまでは上手いことコントロールできていたので、方向性は大体合っていると思うのですが、もう少し研究が必要みたいです。