和田新聞 レース概観

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有馬記念

●消せる有力どころ

今年もあとわずか10日となり、競馬は一足はやい大晦日、有馬記念を迎える。競馬の1年を締めくくる総決算レースとして42回目、数々の名勝負を残しながら歴史を刻んできたこのレースは今年も波乱含みだ。去年のサクラローレルのような強い軸馬の不在が大きく、強い牝馬を信頼するか、休みあけの宝塚記念馬か、1流半で穴ねらいといくか、絞りづらい。

それを証拠に消去法でゆけば、休み明けで不安なマーベラスサンデー、秋の連戦での疲労が懸念されるエアグルーブ、タイキブリザード、シルクジャスティス、4歳牝馬がどこまでやれるのかというメジロドーベル、どうも有力どころはどれも負けたときの理由が今の時点でちゃんと存在してしまう。となれば尺度としてはこれらの不安な人気どころと、格の落ちる他の馬が差を縮められる要素があるのかどうかというところであろう。

●ダンス、オオアラシ・・・・・

格が落ちるとは失礼な、という声が聞こえそうなのがダンスパートナーだが、確かに今年も確かに3線して2着、2着、2着と惜敗が続いている。休み明けの宝塚記念の3着は善戦といえるが本来であれば勝てたであろうレースを2つ落としている。レースのあやといえばそれまでだが、この馬本来の切れ味がなくなっているのが気になるので、理想のローテーションながら連下までの評価にしよう。

連勝でここに駒をすすめたティエムオオアラシはというと血統的な魅力があるものの、弱い相手に勝ってきたことは否めない。ローテーションには問題はないが、有馬記念に人気になる本当はたいしたことない馬というのにはぴったりの馬で、やはり連下だろう。

距離的には問題のないマウンテンストーンもいるが秋は1戦しかしていないく、よいところのない負け方で期待はできない。

●ローカバ◎

あらかた消してしまったが残ったのはまずローゼンカバリーだ。春の日経賞でも実証ずみにように中山は6戦5勝で距離もあっている。天皇賞は急仕上げで競馬にならなかったし、JCもまったく走っていない。もともといつ走るのかわからないタイプであり、理想のローテーションをたどりながらまったくそれをトレーニングの場としてこなしてきたようにも見える。重めの馬場もこの馬に味方しているだろう。乱ペースをうまく中団で我慢できれば直線一気の切れ味が生かせるだろう。

あと注目してみたいのはマイネルマックスだ。去年の今ごろはダービー候補の一番手でまさに順風満帆であったが、今年は1勝もしていない。体調が計りにくく距離もなんともいえないがもともとの能力はメンバーのなかでも屈指のものを持っているのは否定しがたい。どうせだめなら捨て身の直線一気を期待してみたい。ブライアンタイムス産駒でもありグランプリを勝つ資格は十分だが、馬の精神力にちょっと問題があるようだ。気力がのって能力を引き出せる状態であればよいのだが。単穴として推奨する。

●有力どころの再検討

最後に有力馬を再検討してみるち、この中でランクをつければ、やはり無理をしていないメジロドーベルが一番強いだろう。今の時点の能力ということならマーベラス、グルーブのほうが上であろうが、その差を縮めるのに十分なローテーションの利がドーベルにはあるだろう。重めの馬場もこの馬にはよいだろうが、レース中にどれだけ落ち着いていられるかが課題であろう。

さらにもう1頭はシルクジャスティス。上がり34秒はこの馬の最大の強みであるのと同時に勝ちきれない原因でもある。秋のローテーションはけして楽なものでないのにもかかわらずいずれも34秒台の上がりで、しかも馬体は増えている。追いきりタイムもだんだんとあがってきており、成長力が結実してもおかしくない。不気味である。常識にあてはまらない馬というのが有馬記念にはいるものだ。

 

●結論

以上のことから印を打つとすれば、本命ローゼンカバリー、対抗メジロドーベル、単穴シルクジャスティス、爆弾マイネルマックス、連下としてダンスパートナー、ティエムオオアラシとする。マーベラスサンデー、エアグルーブの危険率はかなり高い。あえてきってしまうことにする。