鍵が

無くなるのです。よく。
実際に無くなることはほとんどないのですが、家を出ようとすると、、、ない......。ない........。
ない....!
.......といってCDや鳴り物をつめこんだリュックサックをしょったまま家の中をばたばたしたりするので
フナトさんはついに家の中に鍵置き場をつくり、
「家に帰ったらまずここに鍵を置きなさい」と冷たく言い放ちました。
それからは訓練された犬のようにきまった場所に鍵を置いています。
家を出るときの問題はこれで解決されましたが、家に入るときにも時々鍵がなくなります。
やっと帰ってきた扉の前で鍵が、ない........。
ない........。
わたしはカバンの中をよおく探したり、ジーパンやジャケットのポケットをぱんぱん、と叩いてみます。
でも、ない........。
ああ、となんとなく絶望しかけた時に「いや、ジーパンのポケットに入れたはずだ」と思い出す。
そしてもう一度ジーパンのポケットに手をやると鍵が.........あるのです。
さっきは無かったのに。
なにをやってるんでしょう。わたしは。

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