BIG HORNS BEE LIVE -Why can't we be friends?-
at Motion Blue Yokohama in Nov.19th, 2004

 久しぶりのBHBライブです。初めて来たモーションブルーというライブハウスはレストラン&ライブハウスで、お食事をした後ライブを楽しむという形式、食事もちゃんと種類がそろっているしデザートやお酒もあるし、ゆったりとしてしまいます。れんが壁も渋い色だし、最上階なので三角になった天井も高くていい感じです。

 ステージに目を転ずると、すでにセッティングを済ませた楽器が並んでいます。奥には右からキーボード、ギターアンプ、中央にドラムセット、左手にはベース。手前にはマイクが123…あれ?7本?もしかして?

 客席はステージを取り巻くように配置され、ステージの左右にもテーブルが並んでいます。こんな中をどうやって登場するんだろう?と思っていたら、食事を運んでくるバックヤードのスイングドアからふつうに歩いて登場です。うわー客席ぬって歩いてくるよ。

 まずはドラムの沼澤尚さん、ベースの沢田裕史さん、ギターの浅野”ブッチャー”祥之さん、そして右手側からはキーボードの森俊之さんがステージに上がります。続いて入ってきたのはもちろんBHBの5人です。金ちゃん(チェック地で細身の茶系スーツにインナーは白のカットソー)、オリタさん(ショッキングピンクに黄緑の模様が入ったシャツ!)、わかばさん(黒T、黒レザーベスト、黒レザーパンツ)、フッシー(ベージュの上着、白地に模様の入ったシャツ、黒レザーパンツ)、そして今回のアルバムからBHB参加の佐々木史郎さん(黒地に黄色い文字でJAZZと入ったTシャツに黒パンツ)、それぞれ譜面と楽器を持ってふつうやってきます。登場の際の自然さが頼もしい。

 BHB BAND(後ろ4人)が位置に着くとフロント5人を待たず、すぐにドラムの♪カ、カ、カッカッカ(ドラムのフレームを叩いてる音)、とベース♪ドゥンドゥンダダッダ、とワクワクなリズムが始まります。とはいえ前5人はまだ準備中(譜面を置いたり楽器を持ったり)だったりしてちょっとはらはら、でもそれはお約束だったようでバックの音をよそに余裕で準備をする5人です。途中からはギターの♪チュィ〜ンとかオルガンの♪ゥワ〜ッとか入ってきていよいよフロント5人の出番?

 金子さんの3、2、1、の指の合図で一斉に♪っチャラララ〜チャラララ〜ってこれは【UHA UHA】だ〜! 助走なしにいきなしこれですかぁ。うれしいなぁ。♪アハ〜ンウハ〜ンでは久々に5人のお手振り(といっても1st Stageでは踊ってるのはフッシーだけでしたけど)もあって一気に盛り上がります。1曲終わっての大拍手、みんなうれしそう。とくに金子さんは破顔一笑、♪いぇ〜いと拳を突き上げる。かっこいいっすぅ。

 その余韻も消えぬまま2曲目へ。【Vamp Intro (Reprise)】は新曲、ここでオリタさんはバリトンサックスに持ち替えます。ユニゾンのテーマの後の金ちゃん、ソロパートを吹きながらもしっかり目を上げて客席を見てます。ちょっと照れるわ(なんで?)

 シンバルの♪シーシャカシーシャカ(超速)で始まるのは定番【BLOWS JOB】、きゃ〜と言いたいのをぐっとこらえてガッツポーズ、だって立ち上がれないんだもん。ここでのスターはドラムのタカさん、短いけどすっごいキレのよいソロにメロメロ。

 3曲終わったところで金子さんのMC。「8年ぶりのメジャーアルバムが出ます!」と告知、8年ぶり?「FOR YOU」から8年も経つんですね。すてきな小屋(会場)を提供してくださったMotion Blueに感謝しつつ、ひとりひとりメンバーを紹介します。金ちゃん、相変わらずとつとつとした話しぶりでなんだかにんまり。ひとりひとり紹介されるたびに大きな拍手と歓声が湧いていました。

 一服したところで、キーボードがまったりと入ってきます。それに寄り添うようにわかばさんのトロンボーンがロングトーンを聴かせます。次はバラード?なんて思ったらドラムが入ってきて、ミドルテンポの【Rum & Peace】の始まりです。ゆったりした流れに身を任せているとすごく気持ちよくって、ふわぁっとほぐれてゆくのがよくわかります。会場内全体も心なしかあったかくなってる感じでリラックスした雰囲気になごんでいます。

 そうそう、2nd Stageではこの曲のイントロで、わかばさんがバリトンサックスのマウスピース(だけ)で吹いてました。ひとしきり吹いて「違うじゃん」とトロンボーンに持ち替える様子に場内爆笑。こんなところにネタを仕込んでくるなんて、おちゃめなんだからぁ。

 ここでマイクをとるのはフッシー(in 2nd Stage)、新メンバー佐々木史郎さん紹介します。そこでなんと「萩原流行」の顔マネをする史郎さん。眼鏡をはずして「んー」と表情を作る、激似です! 会場からの「見えなーい」の声に顔マネしたままぐるり、もう大ウケです。

 緊張感のあるベースの速弾きが始まり、それにドラム、キーボードが入り、満を持して5管の音が炸裂、ばりばりの緊迫感を感じつつ曲は進んでいます。5管の「これから始まるゾ」的な♪ワァウワァウワァウワウワァ、パパパパパパパパパ!に身構えていると一転♪Come together, right now〜って。え?これって【Come Together】だったのぉ?! こんな演出の"Come Together"はほんとに初めてでした。

 さて次の曲、と全員が準備万端のなか一人だけのほほんとしているわかばさん(in 1st Stage)、全員の視線が自分に集まっていることに気づきます。オリタさんがバリサク(バリトンサックス)のマッピ(マウスピース)をはずしはじめたところで、「あ!」と気づくわかばさんに場内爆笑。次の曲でバリサクに持ち替えるのをすっかりわすれていたのでした。金ちゃんまで「おとうさんだいじょうぶ?」って(笑)。

 わかばさんがマッピを取り替え準備が整ったところで、金ちゃんの合図「One、ン、ン、ン(マッピをくわえたまま声を出してる)」から【Rain Coat Dance】が始まります。後半の繰り返し♪パーラ。ッパッパッパッパ(二拍無音)パーラッ、とブレイクするところで、5人揃って「ん」って腰を落としてタメてる姿がかわいかった。

 ここでゲストが紹介されます。IKURAさん(MoonDogs)とスモーキーテツニさん(クレージー・ケン・バンド)のお二人は地元横浜、そういえばわかばさんとごいっしょにライブ出てましたっけ。マイク7本はこのお二人のためだったのね。

 IKURAさん、紹介されるやいなや「今日はいい勉強をしました」って。なんでもこの日メンバーは1時、ゲストは2時の会場入りだったとか。ところがわかばさんが来たのはなんと4時前(受付待ちしてた私たちの脇を通っていきました-目撃者)。「(わかばさんが)『こんにちわー』って入ってくるんですよ。10分20分遅れたら『すいませんすいません』だけど、2時間遅れたら『こんにちわー』なんですよね。何事も徹底しないといけないな、と思いました」ですって(笑)。

 こんな楽しいお二人を交えての演奏は【What is Hip】、アップテンポのシャウト曲です。途中♪What's Hip、てみんなで歌うところではフッシーが客席に向かってお尻ぷりん、ってやってました(笑)。めちゃめちゃハイノートの史郎さんソロが印象的でした。もちろんゲストのお二人も最高!YEAH〜!

 そのままの勢いで【Party around the Clock】へ突入! ♪Keep on Mooooovin'、手つきもやらしいフッシー(笑)に客席でもお手々の動く人がちらほら。そうそう、ここでは史郎さんの新たな一面を発見しました。サックスメロのとき、フッシーの言われるまま腰を振ってニジニジと横移動するお姿!これほどノリのよい方とは知りませんでした。どんどんBHB色に染まって行きますね〜。楽しい限り。

 大盛り上がりで演奏が終了し、拍手と大歓声のなかメンバー名がコールされ「ビッグホーンズビーでした」で退場です。みじかっ! 2ステージってこれぐらいなのね〜。アンコールに期待!

 ほどなくみんなが戻ってきます。ゲストのIKURAさんとスモーキーテツニさんも登場、さてなにをやるのかなぁと思ったら……。IKURAさんがいきなり「歌詞見せて」と(笑)、どうやら覚えきれてない様子に場内大ウケです。ざっと歌詞を確認したIKURAさんの様子を確認し、タカさんが8分の6のリズムを刻み始めます。

 6/8のリズムにバリトンサックスの♪バーバッ、バーバッ、といえば、なつかしの【LABOON】、一時別バージョンもありましたが"BHB1"のオリジナルバージョンに戻っての演奏、歌詞に不安のある様子だったIKURAさんものびのびした歌い方で、なぁんだ覚えてんじゃない。そうそう♪I gotta' you~, my baby~のコーラスでフッシーが前のお客さんを指差して歌ってました。やるじゃん。

 1曲終えて大汗のIKURAさん「ここ照明近くて暑くてですね。イクラ腐っちゃうんじゃないかってぐらい。ナマモノなんで、要冷蔵なんで(客、笑い)。イクラふ化して鮭の稚魚になっちゃうんじゃないかって…」と強調してます。そういえばおでこテラッテラに光ってますね〜。この発言に大ウケのメンバーたち、すっかりリラックスしてます。

 タカさんの1,2,3,4コールから次の曲【Why can't we be friends?】へ。アルバムタイトルにもなっているこの曲、♪Why can't we be friends?〜の繰り返しが楽しくて一緒に口ずさんでしまいそう。と思っていたら1番?の終わりで「最後ですからみんなで歌ってください」ということで心おきなく歌わせていただきました。

 1stステージはここで終わりなのですが、2ndステージでは若干曲順が変わり、このあと【Blowin' in Rhythm】が追加されてました。1時間半を2ステージやった後とは思えないぐらいピッチの揃った冒頭のすばらしいユニゾン(トランペットのおふたり)で、さすがプロだなぁと感心しきり。本日初めての浅野さんのロングソロもありました。くぅ〜シブイぜ。沢田さんの速弾きにもどきどき。野武士ってかんじ。エンディングに向けてたたみかけていくところではドラムのタカさんの脚に注目!バスドラとシンバルの連打、いや連踏?から目が離せません。いや〜ん、すてきぃ。

 一斉にわき起こる拍手と歓声、金ちゃんのはずんだ声で「来年、(代官山)UNITで会いましょう」、絶対行っちゃうわ〜。2ステージ堪能して終わってみれば11時をとうに回っています。ありゃりゃ、楽しいときはほんとに早く過ぎてしまうものなのね。

(蛇足)
 翌日、フライングゲットした"Why can't we be friends?"を堪能しました。イイ、すごくイイ! いかにもビッグホーンズビーらしいアルバムです。ライブ感あふれる楽曲(Vamp Introなど)だけでなく、スタジオ編集で凝ったつくりのMission Impossibleまで、いろんな顔が楽しめます。まだお買い求めでない方、ぜひとも一度聴いてみてください、っつーか買ってください(わはは)。