“ディアスポラ”
グレッグ・イーガン
(ハヤカワSF)
十世紀ほどの未来、人類のほとんどは肉体を捨てソフトウェア化していた。
そんな中、特定の親を持たない「孤児」として作られたヤチマ。
ヤチマやその仲間は真理を追求し、肉体人を襲う巨大な災害を目撃し、
さらに全人類を危機に陥れるであろうとてつもなく巨大な災害を知り、
対策を求めて宇宙の彼方へ向かうのであった…。
脂も乗ってきて、ずいぶんと読み易くなった^^;、イーガンの長編です。
ソフトウェア化した人類の描写や、架空物理理論も冴えています。
ヤチマ誕生から成長して一人前の市民として認められるまでを描く第一章は、
ホーガンの
“造物主(ライフメーカー)の掟”
の第一部のような面白さです (^^)。
惑星オルフェウスで見つかった不思議な生物 (?!)「ワンの絨毯」も最高です
(ちなみにもともとこの下りに当たる部分が短篇として発表されていました)。
読み易くなったと感じられる一つの要因は、
それぞれのキャラクタの役割がはっきりしているという点ではないかと思います。
特に「架橋者」が最後まで重要な役割を果たす辺り、いい感じです。
(6/25)