菊池鈴々の「RinRin日記」
96年2月分
主な内容:■本 ●漫画 ▼TV □雑誌 ○同人誌 etc.
■本と●漫画は独断評価つき(5点満点:★1点・☆1/2点)
文中敬称略
96/03/22改訂
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02/29(木)
- □小説花音倶楽部 4月号
- 嬉野かのこの絵を商業誌でみたのは初めてだ。青年はあっさりしてて美しいけど、ニューハーフはいただけなかった。派手タイプは苦手なのね。
02/28(水)
- ■あたしが帰る家/群ようこ ★★☆
- 連作短編集。空想力の強い小学生の少女の一人称。時代は昭和30年代かな。友達の家には冷蔵庫があるが自分の家にはないとか、回して絞る洗濯機の描写とかで時代がしのばれる。
自分のことばかり考えているわがままな父親が死んだらどんなにいいか、と空想し、一時は殺すというとこまで思考がいきつく。でもそれも思考パズルのようなもので、真剣に殺そうとするほどひどい父親というわけでもないのだ。
- ●藤崎工業の女たち(2・3)/新田小雪 ★★
- コワイ上級生のあねさんの意外な純情とか無気味なラブレターとか、タイトルのまんまの元気な女子高生のドタバタコメディ。
02/27(火)
- ●イマジン(2)/槙村さとる ★★★★
- すっごいマジメな主人公の恋と生活の物語。初恋相手のサラリーマンが、今のところだけかもしんないけど、くらっとくるくらいイイヤツ。母親がツワモノで目をみはるいいキャラ。母親の恋人と自分の恋人の性格の違いが際立つつくり。
おまけの短編は「転」部分のバランスが悪いのでヘン。
- ●RASH!!(1,2完)/北条司 ★★☆
- 「シティハンター」女医版をやろうとしてすべったらしい。犯罪事件を「殺さずに」全てを解決しようとする刑務医の主人公を「キャッツ・アイ」の刑事役みたいな青年刑事がフォローにまわる構成。悪の根を絶つためには殺人もやむなしとする、元恩師を説得しようとするが果たせない。
「相手をやっつけるカタルシス」とは別のところにポイントをもっていこうとしたのはわかるけど、失敗したみたい。
02/26(月)
- ■ロードライド −冴えた結晶−/火崎勇 ★★★
- 宝石業界JUNE。主人公は高校生時代にジュエリーデザイナー志望の男の子に淡い恋心を抱いたのがきっかけで、宝石店勤務を選んだ。その職場でデザイナー側のスタッフとして現れた相手と再会したのはいいが、デザイン盗作事件に巻き込まれてレイプされてしまう。
- ●KIZYUNAIII−絆III−/こだか和麻 ★★★
- 『MAGAZINE BExBOY』掲載のJUNE。できあがったカップルの波乱はたいしたことない、ノロケの範疇だ(笑)。あとは弟とヤクザさんの方のドラマなら、まだこれからだわ。
- ●きらきら馨る(二の巻)/高橋冴未 ★★★
- 平安ラブコメ。意地悪な姫とおつきの二枚目がいい味だしてる。
- ●新世紀エヴァンゲリオン(1)/GAINAX/貞本義行 ★★★★
- アニメとは多少手応えが違う。一見同じ話のようでいて貞本カラーということか。
- ●聖痕−スティグマ−II/真崎春望 ★★★
- 悪魔や天使の人間界でのファンタジー。中身はラブロマンス。
- ●地上の星/春日聖生 ★★★☆
- 魔神・精霊系のファンタジー。はかない美少女がけっこうワガママでいい。
02/25(日)
- □LaLa 3月号
- 「八雲立つ」の七地くんが幻影の刀を作り出せた。性格がいいだけじゃなくて、ちゃんとこんな凄いワザを秘めていたのね(笑)。
- □b-BOY vol.25
- 「禁断の血縁特集」っていう呼び文句はなんだかすごくエッチくさいけど、「禁断」をあまり気にしない登場人物が多かった。かるま龍狼ひとりだけ、どう見ても絵柄も路線も浮いている。b-BOYとはニュアンスが違うような気がするんだけどなぁ。
- ○坂井久仁江の「花盛りの庭」「架空の園」の本
- 坂井久仁江本人(ここでは国枝彩香)がメインの同人誌。「ヒミツの花園」の方は全部本人。
パパと初Hの翌朝のエピソードは、雅樹がすんごく愛らしくていいけど、犯罪だよねーあれはー(笑)。自分の息子でないとはいえ、妻と父親との子供なら、異母兄弟になるんじゃないか、つくづく悲惨。
- ○別冊突然最終回 お年玉号/えみくり
- 表紙が私の好きな毒舌者の初日さんだったので期待してしまったではないか。中身はちょっとありきたり。
02/24(土)
- □小説JUNE 4月号
- フジミシリーズは、趣味以上に音楽業界でやっていくためのイバラの道がはじまるのね。
- ●ふくはうち(2)/文月今日子 ★★★☆
- 老舗旅館を舞台にした若女将メインのあったかいコメディ。
- ●こんぺいとうの夢/文月今日子 ★★★☆
- 古い作品を収録したもの。古さかげんにはバラツキがある。
02/22(木)
- ●学ラン天国/森みずほ ★★☆
- ●新・学ラン天国/森みずほ ★★☆
- 主人公の高校生の学ランを脱がせることをもくろむ複数の勢力と、それらから守る友人達のドタバタコメディ。話そのものには説得力は全くないが、ひたすら半裸にされる高校生のちょっとだけJUNEっぽい展開が人気のツボか。
02/21(水)
- ●闇のアレキサンドラ(3)/原ちえこ ★★★
- 私は「身代わり」ネタにも弱いのだ。誰か私に忠津陽子の『エルベの王冠』の第2巻を読ませてくれないかな(笑)、時折古本屋で探しても見つからないのよね。
- ●月光(5・完)/那州雪絵 ★★★★☆
- 構成美。漫画家の絵柄はどんどん変わるのが常だが、この人も今が何度目かの変わり目らしく、絵がちょっと不安定。そのかわりといってはなんだが、世界構造の設定と話のしぼりこみはきっちりしている。
- ●善意の達人(1)/小林薫 ★★
- コメディのリズムにのれない。
02/20(火)
- □ダ・ヴィンチ 3月号
- 投票者500人の、読者が選んだ好きな探偵ベスト30で、榎木津礼二郎が14位・京極堂が10位。1位ホームズ、2位ポワロ、3位金田一耕助、とスタンダード路線のなかで、健闘かも。
- ●好き好き大嫌い/岡崎京子 ★★★☆
- 掲載誌バラバラの短編をまとめたもの。SFもあり。
- □少女コミック 6号
- 篠原千絵の連載をそれなりに楽しく読む以外、どうにもならないぞ。
02/16〜02/19
- 3泊4日でスキー。読書なし。TVもニュースくらいしか見なかった。
02/14(水)
- □小説b-BOY 3月号
- 西条公威がHはHだけどライトなノリのを書いている。監禁スカトロとかクラス全員の輪姦とか、インパクト強い話で記憶に残る人だけに、作風広いのね、とつぶやく私であった。媒体で変えているんだろうか。
- ■でも女/群ようこ ★★★
- 短編小説集。したたかだったり愚かだったりする女性たちをクールに描いている。でもこういう短編ってすぐ忘れてしまうのよ。
- ●問題サラリーMAN(1)/中崎タツヤ ★★★☆
- しまった、面白い。ギャグがヘンでいい。ドライかというとそれも違う。ナンセンスとかシュールとかの路線も近いことは近いけど少し違う。おやじギャグもあるんだけどズレている。この「ズレ」がポイントなのか。『漫画ゴラク』っておやじ雑誌のように思えるけど、読者層がよくわかんないな。
02/13(火)
- ■春ものがたり/吉田珠姫 ★★★★
- 「切ない」型JUNE。病気で死を目前にした少年が、病院を抜け出して、ずっと片思いしていたの相手のところに告白にいく。告白される側の少年の一人称。
- ■決戦は日曜日/磯崎なお ★★★★
- 初恋JUNE。姉の婚約者が気に入らない男の子が、彼らのデートについて行ってオジャマ虫につとめる。そこで出会った姉の婚約者の友人で二枚目の大学生となりゆきでダブルデート(っていうのもなんかヘンだけど)を重ねてゆく。冗談のように奪われたファースト・キスと涙の告白と初体験(笑)。書き下ろし中編は児童虐待を扱っている。息子が再婚相手の夫にレイプされているのを知りながら、能動的に息子を助ける行動をとることのできない母親の心の弱さがあんまりだ。
- ●だから笑介(10)/聖日出夫 ★★☆
- サラリーマンのやる気と行動の評価の話は、サラリーマンの読者を元気づけるんだろうか。そういうもんでもないんだろうか。
02/12(月)
- □CARESS VOL.5
- JUNE系漫画雑誌。H度レベルでは『CARESS』と『ブレス』は近い。
- ●GOLD/夢殿りさ ★★★
- 高校生JUNE。この作者はコマのすみっこに照れたようなコメントを手書きでつける。Hシーンに照れかくしのようなチャチャをいれられるのも、よしあしだ。
02/09(木)
- ■瞳そらさないで/小林蒼 ★★★
- ちょっぴりオカルト設定のJUNE。二組カップルができているが、設定もちゃんといかしきってないし、どうしても以下次号、に見えて中途半端。「行動力」とか「意欲」とかに全く縁のない高校生のキャラが、愛情だけを欲しがってておバカだけどけなげ。
02/08(木)
- ■鉄鼠の檻/京極夏彦 ★★★★☆
- とにもかくにも坊主だらけ。のっけの死体も容疑者も通りすがりのあやしい奴も。禅の講義(あるんだよこれが)のあいだ、もしかしてレポート用紙にメモをまとめながら読まないと、ついていけないのでは、と不安になった。や、そんなことしなかったけどね(笑)。榎木津探偵のかっとばしぶりに惚れ惚れしちゃった。今回、京極堂の歯切れが悪かったので。
02/07(水)
- □MAGAZINE BExBOY 3月号
- 吹山りこの絵柄は顔のアングルがワンパターンだけど、赤くなった表情がかわいいから相殺か。
02/05(月)
- ●ベル・エポック(5)/逢坂みえこ ★★★★☆
- 主人公が全く登場しないエピソードが、全体として不自然じゃない。どれも妙にリアルで苦笑いしてしまう。私の夫はやおい本を焚書又は廃棄しようとはしないし、見回しても友達の夫にもそういうタイプはいないが、わたる世間には苦労するやおい妻は多いのかもしれない。
- ●少年は贔屓される/名香智子 ★★★★☆
- このシャルトル公爵家のシリーズは、ふと考えると、ものすごく息が長い。時代はいつなんだとか考えないようにしなくては。
- ●彼方から(6)/ひかわきょうこ ★★★★☆
- 安易な現実逃避を肯定しないようにするためか、ここのところ少女漫画では、異世界にまぎれこんだ主人公の多くは最後に現実の世界へ戻ることが多い。これも主人公がはじめの頃つけていた日記を持って帰ることになるのかな。最近は日記をつつけるどころじゃない生活ぶりのようだけど。まだラストまではしばらくかかりそうだから、ゆっくり読んでいよう。
- ●イミテーション・ゴールド/高橋由紀 ★★☆
- 時は現代、所はN.Y.。元アーミーの探偵さんとカンザスから出て来た女の子のコメディ。
- ●きみが思うよりずっと/石井まゆみ ★★★☆
- エネルギッシュな社長令嬢の条件つき就職と恋の物語。
- ●悪女(31)/深見じゅん ★★★
- 次から次へと現れる障害物レースのバラエティが豊かなのはいいけど、そろそろパターンに飽きがくる。
- ■FUZZY/なかはら茉梨 ★★★
- 三角関係学園JUNE。H重視。年上の二人に愛されて、その二人のマンションに二週間おきに暮らすことになった高校一年生。恋とか愛とかちゃんと自覚のないうちにずるずると両方と肉体関係になつてしまう。いいのかそんなことで(笑)。
02/04(日)
- ○THATTA 119号
- SF系ファンジン。不肖私が副編集長。
- ○突然最終回 VOL.27/えみくり
- くりこ姫の小説は、24号登場の荻野目初日さん(とその相手)の続編。初日さんはあざやかな毒舌が印象的で、気に入ったキャラだったので基本的には続編は嬉しい。今回はシリアス編なので、あんまりあざといセリフを喋るとシャレになんないせいか、少しおとなしくなってしまった。
- ○杉本亜未の『ANIMAL X』本
- 嬉野かの子の同人誌。
日常をちょっと切り取ったエピソードを、繊細なタッチで描いている。
パロディ劇場の『未来少年コナン』バージョンはキャラの振り分けが妙にはまっていて微笑ましいが、『愛と誠』バージョンは絵柄をそっくりにして、白河さんが岩清水。情けないとこまでぴったしなんだこれが(笑)。杉本亜未本人のカットもはいって、全体としてはほのぼの。
- ○小野不由美の『十二国記』本
- キリンよ今夜も有難う/常在戦場
- キリンだらけの人生。/常在戦場
- 『キリンよ今夜も』の巻頭漫画冒頭1コマ目のネームが、何かのパロディなのはすぐわかったが、それが何なのかわかるまで時間がかかった。7P目でやっと『トーマの心臓』ってわかるなんて、私もニブイ。ゲストのさかいくにこ(坂井久仁江)は高里ひいきがわかりやすくてキュート。
- ○冨樫義博の幽遊白書の本
- 夢みる機械/野火ノビタ(月光盗賊)
- 冨樫義博(「冨樫義博」批評)/野火ノビタ(月光盗賊)
- 冨樫義博に花束を(「冨樫義博」批評2)/野火ノビタ(月光盗賊)
- 『夢みる機械』は2136年に生き続ける飛影と、蔵馬の作った自らのコピーであるアンドロイドとの「魂」と「心」をめぐる、ロボットとの恋物語テーマのSF。
『批評』の方は徹底して「憤り」を語っている。力のはいった文章。
02/03(土)
- ●MIND ASSASSIN(4)/かずはじめ ★★★★
- 淡々と連なるエピソードがとてもいい。でもこの主人公、このペースだと墓参りとお見舞いだけですごく忙しいってはめになるのでは。
- □小説i's(アイス) 3月号(創刊号)
- 小説7つの作者が全部知ってる名前だった。買うのはいいけど、こんなに世の中雑誌だらけじゃ読みきれない。これは一応5作読んだ。まあまあよい。
02/02(金)
小野不由美の十二国記の新刊を本屋でざっと眺めたら「あんた、おばか?」っていうセリフがあった。小野不由美『エヴァ』はいってるなぁ(笑)。「お」をつけてるあたりが小技ね。それともそんなこと思う私の脳ががヘンなのか(笑)。
- ▼新番組「勇者指令ダグオン」
- 特撮テイストが濃いアニメ。もろなパロディは円谷プロへの愛なのか。ゾフィの役どころの、地球人に特殊能力を授けて去って行く宇宙人が、忙しくて地球にかかわっているひまはないので、地球人がなんとかしろっていうのは、けっこう無責任で笑えた。
02/01(木)
- ▼TVチャンピオン 第2回少女マンガ王選手権
- どうしてこう「おたくごころ」を逆撫でする出題形式にするのかなぁ。徹底的に知識重視でやってもらえればほめるのに。作品中の食べ物を当てるのだって、記述でも早押しでもいいのにわざわざ全部食べさせる、そういう感覚がキライ。仮に全問ノーミスで食べつづけたとしても、私では吐いてしまいそうな量だ。まあ、どのみち私では勝ち抜けないけどね。他は全部わかったけど『X/CLAMP』のところで「ポッキーだったよなぁ」という程度では「つぶつぶいちごポッキーのみ正解」っていわれたらダメだもん(笑)。コスプレさせてセリフを喋らせたりとかの過剰な演出もイヤ。ああしないと一般視聴者にうけいれられないと思っているのかなんなのか、少女マンガ通の人間を「みんなこんなに変な人達なんですよ」と言わんばかり。あそこでコスプレを拒否したら、失格になるのか?
- ■水月宮/嶋田純子 ★★★★
- 端正なJUNE。タイトル作は耽美なファンタジー。書き下ろしの『沈香の俤(おもかげ)』が義理の兄弟の恋をはかなく描いていて美しい。
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