泌尿器科医・木村明の日記

木村顔

腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波専門医。


事務長@ザ・センター


貝の坂~慈恩寺~見花山。見花山~茅ヶ崎東は37分。クリニックで手紙をチェックし、Minamoのテニススクール ザ・センターへ。


事務長は月曜午前のレッスンを取っています。1階のグルメシティーで弁当を買って嶮山へ。テニスを4セットして2連休終了です。

10日の皮膚科学会は、午後は教育講演でパッチテストなどアレルギー検査・類天疱瘡の自己抗体の検査方法・肝斑治療でのトランサミンの役割などを聞きました。

トラブルを起こさないための患者への対応というテーマを与えられた開業医の先生も、「会長にこんなテーマでしゃべれと言われても、皆さんに役立つ事は話せません。このテーマで講演する人がいるなら私もそっちに座って聴きたい。」と断ってから始められた話は結構勉強になりました。

患者と医者との間に成立する契約は準委任契約であって、病気を必ず発見する、病気を必ず治すという結果を請け負う契約(これなら請負)ではないこと、

準委任契約により医者は診察を行うわけで、患者は診察行為そのものに対して報酬を支払うのであって、病気を発見してくれた・病気を治してくれたという結果に対して報酬を支払ってはいる訳ではないこと、

などを教えてもらいました。

こんな法律用語を持ち出さなければならないようなぎすぎすした関係にはならないように努力するのが先決ですが、「診察治療の求めがあった場合、医師は正当な理由がなければ拒んではならない」と医師法に決められているので、どうにもならないこともあるわけです。

「医者は患者の病気を治す義務がある」と患者の権利だけを主張し、例えばステロイドを使わないでアトピーを直して欲しい、と無理な要求をする人には、この難しい法律用語が有効なのだそうです。

皮膚科学会は5時に終了、5時30分からは日本臨床皮膚科医会南関東山静支部総会の「OTC薬による接触皮膚炎について」を聞きました。

講師はOTCならぬGTRという言葉を作っておられました。ドラッグストアで薬剤師さんからテーブル越しにもらうのがOver The Counter、陳列棚から客が勝手に買い物籠に入れてレジに直行するのがGo to The Registerなのだそうです。

OTCよりGTRの方が多く、これが市販薬の副作用の一因にもなっている、と指摘されておりました。スカイラインGTRのスライドも間に挟みながらの楽しい講義でした。
木村明の日記
2008年2月12日