隊員報告書5号


0.はじめに

 任期を終えるに当たって、この2年間は自分にとって、また配属先の学校にとって良かったのだろうか。思いが複雑過ぎてどちらとも言い難い。
 「できたはずのことをやりきれなかった」という心残りは大きく、正直、帰りたくない気持ちが少なからずある。
 しかし、後悔はたくさんあるものの、協力隊に参加したこと自体に悔いはない。少なくとも今「来るんじゃなかった」とは思っていない。
 獣医師としては、この2年間に得た物は少ないかもしれないが、人間として得た物は大きい……などと歯の浮くような文を書いてみたところで5号(最終)報告書本編の始まりである