『ノワール』 #21 の感想


粗筋
ミレイユの両親を殺したのは霧香だった。証拠はとつめよるミレイユに、クロエは自分もその場に居たと語る。 自分を殺せとつめよる霧香にミレイユの手は震えた。
概観
気に入らん。特に霧香の思考の動きだが、ミレイユも。 説明書きに汲々として人の動かし方がちょっと。

べつに、ミレイユの両親を殺したのが(今の霧香と精神的に連続している)霧香であろうとなかろうと、 ンなこと(まだ)どーでもよろし。「これが衝撃的な事実だっ!」と描いてみたって別に何かしらあるわけでもなし。

ミレイユ vs クロエ
ええい、さっさと撃たんかい、と思った部分。

霧香が撃たれたんだから、暗黙のうちの不可侵条約が破れた、もともと敵なんだし、ちょうど銃口むけてるしで 霧香を助けるのを邪魔されないためにもクロエをさっさと撃ち殺すべきだと思うんだけど。 もはや情報がどーこーという話じゃないっしょ。

また、無防備で飛び出せば自分も撃たれる可能性がある。 せめてクロエを視界の中に置きながら霧香のことを診てやってくれ ... いきなり背を向けてんですが。なんでこれで殺されると思わない?

この部分、ミレイユがすごく「一般人」(not 殺し屋さん) として描写されてんだけど、 クロエが邪魔されずになにか語るためにミレイユが静かでいることが脚本上必要だ ── という風にしか見えないのが苦しかった。

オデット
ミレイユのおかーさま初登場。確かに良く似ているな。 ミレイユより良い育ちをしているよーではある ... ちゃぶ台ひっくりかえすとかもすこし抵抗してください、 せっかくの御登場なのに表情(感情)変化の描写がものたりないぞ。

驚いた吐息とかあるんだが、それだけでは ED にクレジットがでないらしい。 旦那のほうは「ミレイユ ...」の一言だけでクレジット出てんのに。 そのかわり描写されるヒマもなく殺されてしまったよーだが。

パリの騎士団のリベンジ
もうどーでもよくなってきた ... もすこし政略とか戦略とか戦術とか、 やりようはヤマほどあるだろうに十年一日の如くおんなじことを繰り返して。
霧香
償えないから撃って → 約束だから殺して → お願いだから

今回、もっとも気色悪かった部分。ぴったりとした説明は難しいんだけども ... 一つは「償えないから」というのが出てきたこと、 もう一つは殺されるためにお願いする以上のことをしなかったこと、というか、お願いしたこと。

「償う」なんつー概念/感情が登場するくらいだったら、 クーデターコーディネータな会社の社長さんの娘さんあたりと すれちがった時にでも殺されてなければヘンです。そういう感情があることはかまわないけど、 それを口に出すようではそもそも殺し屋さんにはなれません。とくにこの場合、 「約束」がすでにあるわけで、本人わりと無口なんだし 途中すっとばしていきなり「約束の時がきたから殺して」で十分。

第二に、霧香が過去ミレイユになにかをお願いしたことって記憶にないんですが。 #1 にて「私を助けて」てのが唯一じゃないかな? で、このお願いの引き換えが「無抵抗に殺されてあげる」 になるわけで、霧香は他人に「お願いすること」を非常に高価なものと考えてる。

今回、霧香は「自分を殺してください」と頼んだことに対してどんな代価をミレイユに払える? 代価が払えないんだから、どちらかというと自分に銃向けて「殺してくれないなら死んでやる」 くらいの脅迫(というか、なんだろ)するのが霧香的に正しいんじゃないかと思う。

ミレイユ vs 霧香
「殺してくれ」に対して、「次回あったらね」となった。

... これ、真のノワールとしての霧香を殺す(だから殺したあとはミレイユと一緒に居た時代の霧香に戻ってね)、 としてしか聞こえないんですが。そんなベタでいいのか ...?

脚本が 1〜2 話あたりの霧香のことなんか綺麗さっぱり忘れてるような気がするのが少し懸念材料。

微妙にヘタれ気味だったような ... 回想とかで。うーむ。
今回、この一言
「約束は守る! ... 次に、次に会う時には。必ず」

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