パリ - メトロ1号線 / Metro ligne 1

パリのメトロは、1号線から14号線である。他に、郊外へ延びる高速地下鉄 A号線から E号線がある。

メトロ1号線は、1900年の3回目のパリ万博にあわせて、パリでは最初に開通した地下鉄であり、パリの中心部を東西に横断する。ルーブルからコンコルド、シャンゼリゼ、エトワール凱旋門と観光ルートでもあるので利用した人も多いだろう。この線を使って、エトワール凱旋門からルーブル博物館へ行く場合、西から東へ向かうことになるので、東の行先の終点駅で表示される Chateau de Vincennes 方面のホームから乗車する。また、ルーブルからエトワールへ向かう時は、西へ向かうことになるので西の終点駅 La Defense 方面となる。こうしてメトロを利用する場合、終点駅名は始終目にするおなじみの駅名となるが、その駅については意外と知らないままなのだ。

花形観光ルートを横断するメトロ1号線の両終点はどんなところなのだろうと乗ってみた。Chateau de Vincennes - La Defense 間、25駅 16.6Kmである。この路線には、ゴムタイヤ車輪もついた新しいタイプの車両が割り当てられている。パリのメトロと言えば、停車間際にラッチを自分で外してまだ走っている電車から飛び降りる、というよき時代が懐かしい人には、この最新型車両の電車は物足りないだろう。路線によっては、まだ、ドアにラッチの名残の形をしたスイッチや、押しボタンスイッチがついた車両が走っているが、この1号線の車両は、このようなドア開閉のスイッチは無く、日本の電車の様に全てのドアが自動で開閉するし、昼間の運行では駅名の車内アナウンスさえある。

まず、東の終点 Chateau de Vincennes。ヴァンセンヌ城。現在、敷地を含めて改修中であった。14世紀の砦を発祥とし、17世紀には壮麗な城館が建てられたという、パリ市の発達と同じくらいの歴史をもつ城らしいが、改修工事中ということもあってか廃城のイメージ。数年後には改修も終わり、パリから最も近い城郭建築ということで観光客を集めることになるのか…すぐ南側はヴァンセンヌの森である。

Metro ligne 1

一方、西の終点 (Grande Arche de) La Defense。新凱旋門グランド・アルシュをはじめ、趣向を凝らした高層ビル群が立ち並ぶ新都心、ビジネス街である。地震がない土地柄、日本のように強度設計上の制約も少ないのか、デザイン指向の高層建築、オブジェ群に目を見張る。

メトロ1号線、廃城の雰囲気を漂わせるヴィンセンヌ城と高層ビルが建ち並ぶビジネス街を、パリの中心を貫いて結んでいた。

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