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図書館員のコンピュータ基礎講座

LAN

図書館業務はいまやLAN(ラン;Local Area Network)などのネットワークなしには成り立たなくなってきています。ここでは、最も標準的なLANの形態であるイーサーネットを中心にご紹介します。

イーサーネットとLANケーブル

【2014-05-25更新】

イーサーネット(Ethernet)は、Xerox社とDEC社(現Compaq Computer社)が考案したLANの規格で、IEEE802.3委員会によって標準化されています。世界中のほとんどのLANはイーサーネットだと言っていいと思います。通信速度は10Mbpsが一般的でしたが、最近では100Mbpsのファースト・イーサーネット(Fast Ethernet)と呼ばれる規格や、1Gbpsのギガビット・イーサーネット(Gigabit Ethernet)と呼ばれる規格もあります。

イーサーネットでは、ネットワークの種類によって異なるケーブルを使用します。

イーサーネットの主なケーブル
名称 読み 標準規格名 通信速度 最大伝送距離 特徴
10Base-5 テンベースファイヴ IEEE 802.3 10Mbps 500m 太さ10mmの同軸ケーブルを使用します。昔は線が黄色であることが多かったため、イエロー・ケーブル(Yellow Cable)と呼ばれていました。昔はよく使用されていましたが、新しいLANに使用されることはほどんどありません。
10Base-2 テンベースツー IEEE 802.3e 10Mbps 185m 10Base-2太さ5mmの同軸ケーブルを使用します。現在ではあまり使用されていません。
10Base-T テンベースティー IEEE 802.3i 10Mbps 100m 電話線をひとまわり太くしたようなツイスト・ペア・ケーブル(Twist Pair Cable = より対線)と呼ばれるケーブルを使用します。手軽に使用できるため、現在は最も普及しています。
100Base-TX ヒャクベースティーエックス IEEE 802.3u 100Mbps 100m ツイスト・ペア・ケーブルを使用します。これから普及が見こまれているネットワークです。
100Base-FX ヒャクベースエフエックス IEEE 802.3u 100Mbps 412m~20km 光ファイバーを使用します。
1000Base-T センベースティー IEEE 802.3ab 1Gbps 100m ツイスト・ペア・ケーブルを使用します。
1000Base-TX センベースティーエックス TIA/EIA-854 1Gbps 100m 4対のツイスト・ペア・ケーブルを使用します。
10GBase-T ジュウギガベースティー IEEE 802.3an 10Gbps 100m 4対のツイスト・ペア・ケーブルを使用します。
  • 名称には命名規則があります。例えば、10Base-Tの場合、「10」は伝送速度、「Base」は伝送形式、「T」は伝送距離/媒体を表します。
    伝送速度 伝送方式 伝送距離/媒体
    10 = 10Mbps
    100 = 100Mbps
    1000 = 1Gbps
    10G = 10Gbps
    Base = ベースバンド方式 5 = 500m(同軸ケーブル)
    2 = 185m(同軸ケーブル)
    T = ツイスト・ペア・ケーブル
    F = 光ファイバー・ケーブル
    また、1000Base-TXのように「X」がついているものは、FDDI技術の採用を意味します。

ツイスト・ペア・ケーブル

ツイスト・ペア・ケーブル(Twist Pair Cable)は、8本の線材を2本ずつ対にしてより合わせた構造になっており、ノイズなどの混入を防ぐためにシールド加工されたものと、されていないものがあります。前者をSTP(エスティーピー; Shielded Twist Pair cable)、後者をUTP(ユーティーピー;Unshielded Twist Pair cable)と呼びます。一般家庭やオフィス環境では通常、UTPが使用されています。
次のようにいくつかのカテゴリー(Category = 等級)に分類されていますが、LANに使用されるものは、カテゴリー3以上のものです。

名称 読み 最大伝送速度 最大周波数 主な用途など
カテゴリー1(CAT1) カテゴリーワン 20Kbps - 電話
カテゴリー2(CAT2) カテゴリーツー 4Mbps 1MHz ISDN、低速デジタル端末
カテゴリー3(CAT3) カテゴリースリー 16Mbps 16MHz 10Base-T
カテゴリー4(CAT4) カテゴリーフォー 20Mbps 20MHz トークンリング、ATM
カテゴリー5(CAT5) カテゴリーファイヴ 100Mbps 100MHz 10Base-T、100Base-TX
カテゴリー5E(CAT5E)
エンハンスド・カテゴリ5
カテゴリーファイヴイー
エンハンスドカテゴリファイヴ
1Gbps 100MHz 1000Base-T
カテゴリー6(CAT6) カテゴリーシックス 1.2Gbps 250MHz 1000Base-TX、622Mbps/1.2Gbps
カテゴリー6A(CAT6A) カテゴリーシックスエイ 10Gbps 500MHz 1000Base-TX、10GBase-T
カテゴリー7(CAT7) カテゴリーセブン 10Gbps 600MHz 10GBase-T
  • カテゴリー7はUTPではなくSTPを採用しています。
10Base-Tカテゴリー5ケーブル
10Base-T カテゴリー5ケーブル

カテゴリー5

長々と説明しましたが、最も普及しているものは「カテゴリー5」で、私達が利用しているLAN用のケーブルのほとんどはこれなので、これさえ覚えておけば、あまり問題はありません。「カテゴリー5」は「カテゴ」などと略して呼ばれており、「CAT5」などと表示されていることがあります。
ケーブルの両端はRJ45モジュラ・ジャック(アールジェーヨンゴーモジュラジャック;RJ-45 Modular Jack)と呼ばれる、電話線の先に付ける端子に似た接続端子で加工します。自分で加工することもできますが、一般には加工済みのものが売られています。
また、このケーブルには、ストレート・ケーブル(Straight Cable)とクロス・ケーブル(Cross Cable)があります。
ストレート・ケーブルは、主にコンピュータとハブを接続する時に使用し、クロス・ケーブルは主にコンピュータ同士、またはハブ同士を接続する時に使用します。見た目は同じですが、間違うと接続できませんので気をつけましょう。ただし、接続先のポートがストレートかクロスかを自動判別し、信号を切り替えるAuto-MDIX(オートエムディーアイエムディーアイエックス;Automatic Medium Dependent Interface Crossover)と呼ばれる機能が搭載されているハブもあり、これを使用するとどちらのケーブルを使っても接続可能です。

ストレート・ケーブル結線図 ストレート・ケーブル
片方の端子の1番から8番までの線が、もう一方の同じ番号の線に結線
クロス・ケーブル結線図 クロス・ケーブル
片方の端子の1番はもう一方の3番、同じく2番は6番にクロスして結線
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NIC

コンピュータをLANに接続するためには、NIC(ニック;Network Interface Card)が必要です。
NICには、LANボード(ランボード;LAN Board)と呼ばれる板状のものと、LANカード(LAN Card)と呼ばれるカード型のものがあります。一般に、デスクトップ型パソコンにはLANボードを、ノート型パソコンにはLANカードを装着します。
そして、NICの端子に10Base-Tカテゴリー5ケーブルなどのLANケーブルを接続してLANに接続します。

デスクトップ型PC LANボード LANボードは拡張スロットに装着します。
デスクトップ型PC LANボード
ノート型PC LANカード LANカードはPCカード・スロットに装着します。
ノート型PC LANカード

ポイント
最近は、NICが標準搭載されたパソコンが増えてきています。

ポイント
全てのNICには、MACアドレス(マックアドレス;Media Access Control Address)と呼ばれる、ID番号(アドレス)が割り当てられています。このID番号は、メーカー番号と、メーカーが独自に割り当てる番号の組み合わせによって構成されており、ISBNのように、製造時に世界で唯一の番号が与えられています。
データ受送信時にこのアドレスがやりとりされるため、あらかじめ登録されたアドレスを持っているNICを搭載したパソコン以外はネットワークに接続できないようにするなど、ネットワークのセキュリティ管理に使われたりすることがあります。

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ハブ

ハブ(Hub)は、複数のLANケーブルを1つにまとめるための集線装置で、主に10Base-Tや100Base-TXケーブルを接続するために用いられます。
ハブのポートが一杯になった時にはハブ同士を階層的に接続することができます。これをカスケード接続(Cascading Connection)または多段接続と言います。多くのハブには、カスケード・ポート(Cascade Port)、またはUpLinkポート(アップリンクポート;UpLink Port)やMDIポート(エムディーアイポート;Medium Dependent Interface Port)と呼ばれる専用ポートが用意されています。カスケードのポートのあるハブ同士を接続するときは、通常のポートとカスケード・ポートをストレート・ケーブルで接続します。カスケードのポートないハブ同士を接続するときは、クロス・ケーブルで接続する必要があります。また、カスケード接続できるハブの台数には制限があり、10Base-Tで4段、100Base-TXで2段までです。

ハブ1台の場合の接続図 カスケード接続図
ハブ1台の接続 カスケード接続
参照・参考文献
  • 図解LANがわかるとネットワークに強くなる / 加藤佐一著 (ネットワークのしくみを基本から理解したい人のための基礎講座 ; 2) メディア・テック出版, 2001.2 [b]
  • LANちょー入門 / 阿部信行著 改訂新版 広文社, 2000.8 [b]
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