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図書館員のコンピュータ基礎講座

インターネット・プロトコル

現在、インターネットでは様々なことができるようになっています。ということは、様々なプロトコルの集まりであると言えるでしょう。インターネットのプロトコルは、IETFの公式文書であるRFCでその仕様を定められています。ここでは、インターネットで使われている幾つかの代表的なプロトコルを紹介します。

TCP/IP

TCP/IP(ティーシーピー・アイピー;Transmission Control Protocol/Internet Protocol)はインターネットで使用されるネットワーク自体のプロトコルで、インターネットの基本となる通信プロトコルです。「TCP(Transmission Control Protocol)」と「IP(Internet Protocol)」を合わせたものです。

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HTTP

【2002-10-20更新】

HTTP(エイチティーティーピー;Hypertext Transfer Protocol = HyperText転送プロトコル)はインターネットでハイパーテキストを転送するためのプロトコルです。インターネットが今日のように世界中に広まったきっかけは、WWW(スリーダブリュー、ダブリューダブリューダブリュ)または、一般にウェブ(Web)と呼ばれる、World Wide Web(ワールドワイドウェッブ)の登場でしょう。WWWは、CERN(セルン;Conseil Europeen pour la Recherche Nucleaire = 欧州合同原子核研究機関)が1989年に開発したシステムで、HTTPによりハイパーテキストを転送することができるようになっています。

HTML

ハイパーテキストとは、クリックすれば関連のページや関連の個所へジャンプできるようにしてある文書のことで、この文書を書くための言語をHTML(エイチティーエムエル;Hypertext Markup Language)と呼びます。
HTMLは、SGML(エスジーエムエル;Standard Generalized Markup Language)という言語に基づいて作られました。SGMLは、文字板の写本から技術文書やカルテに至るまで、この世に存在するあらゆる文書を電子化するための標準形式を定めた国際標準規格(ISO 8879)で、見出しや本文、索引などの文書の論理構造や意味を定義することができるようになっています。しかし、SGMLは、扱う文書の多様さゆえにその仕様書は膨大なものになっていて、SGMLに対応しているプログラムは非常に高価なものになってしまったため、使う人がほとんどいないという状況になってしまいました。
これに対し、HTMLはWWWで文書を表示するための最低限の要素で構成された簡易な言語だったため、ホームページの記述言語として急速に普及しました。
HTMLは本来、SGMLと同様に文書の論理構造や意味を記述するための言語だったのですが、バージョンアップが進むにつれてフォントの種類やサイズ、色など文書の見栄え(スタイル)を指示するための仕組み(タグ)がたくさん採用されました。そこで、HTMLの標準化を進めているW3Cは、本来の目的に戻るため、論理構造を記述するための仕組みとスタイルを記述するための仕組みを分けることを勧告しました。
このスタイルを記述するための仕組みをスタイルシート(Style Sheet)と呼び、HTML用にはCSS(シーエスエス;Cascading Style Sheet)と呼ばれるものが一般的に使用されています。このCSSで文書のスタイルを記述したファイルを、HTMLとは別に作成しておき、HTMLからそのCSSファイルを参照させることでHTML文書のスタイルを表現することができるようになっています。
HTMLと同じようにSGMLから派生したものにXMLがあります。XMLはSGMLを簡素化すると同時に、HTMLに拡張性持たせた言語として作られたものです。

SGML
独自のタグを設定可
論理構造を定義
仕様が複雑
HTML
規定のタグのみ使用可
スタイル(見栄え)を定義
仕様が簡素
XML
独自のタグ設定可
論理構造を表現
仕様が比較的簡素

* HTMLの書き方については、「HTML講座」や「ウェブサイトでウェブの標準と品質を達成する方法は?」をご覧下さい。また、ユーザーが使用している端末の画面サイズなどの環境を調べ、その環境に応じた最適なスタイル・シートを適用するための「メディア・クエリ」という仕様や関連する「「表示モード」メディア特性」という仕様もご参照ください。

ブラウザ

HTML文書を見るためのソフトをインターネット・ブラウザ(Internet Browser)又は単にブラウザと呼びます。
初期のWWWでは、テキストによる情報交換が一般的でしたが、1993年に米イリノイ大学でMosaic外部へのリンク(モザイク)というブラウザが開発され、画像や音声も扱えるようになりました。
その後、1994年にMosaicの開発者達がNetscape Communications(ネットスケープコミュニケーションズ)社外部へのリンクという会社を設立してNetscape Navigator(ネットスケープナビゲータ。一般にネスケと呼ばれる。ブラウザとメールソフトなどのインターネット関連ソフト群を一つにまとめたものはNetscape Communicator(ネットスケープコミュニケータ)と呼ばれる)を開発したため、Mosaicのシェアは少なくなりました。さらに、1995年にはMicrosoft(マイクロソフト)社外部へのリンクInternet Explorerを発表しました。

* HTML、ブラウザ等の歴史については、「HTML・ブラウザ等関連年表」を参照下さい。

URL

ホームページを見るために、「http://」から始まるアドレスを入力したことがあると思います。例えば、このホームページの「コンピュータの基礎」のページを見るためには、「http://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/intro.html」と入力するか、どこか他のホームページのリンクをクリックします。すると「http」というプロトコル(スキーム)で「www.asahi-net.or.jp」という名前(ドメイン名)のサーバ(ホスト)に接続して「~ax2s-kmtn」というディレクトリ(パス)にある、「intro.html」というHTMLで書かれた文書(ファイル)を受信して見ることができるようになっているわけです。
この「http://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/intro.html」のような、インターネット上での情報の場所を指定するための表記をURL(ユーアールエル;Uniform Resource Locatorまたは、Universal Resource Locator)と呼びます。いわば、インターネット上の住所みたいなものです。

URL

ポイント
ホームページを見ていて、"404 Not Found"というようなメッセージを見かけたことがあると思います。これは、存在しないページにアクセスしたということを示します。HTTPでは、コンピュータ同士が通信している間に、お互いの状態(ステータス)をやり取りしています。このコードのことをステータス・コード(Status Code)と呼び、"404 Not Found"のように、エラーが発生した場合にブラウザ上に表示されたり、エラーが発生しなかった場合にも見えないところでやり取りされています。

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HTTPS

【2015-08-19更新】

HTTPS(エイチティーティーピーエス;Hypertext Transfer Protocol Security)は、HTTPにセキュリティ機能を付加した通信方法で、ウェブで認証情報、決済情報、個人情報などを安全に送受信するためのデ・ファクト・スタンダードになっています。Netscape Communications社が開発したSSL(エスエスエル;Secure Socket Layer)や、その上位バージョンであるTLS(ティーエルエス;Transport Layer Security)というプロトコルを用いて暗号化されたデータを送受信します。TLSは、SSL 3.0をIETFが改良し、RFC 2246(その後、RFC 4346RFC 5246)として標準化したもので、両者を合わせてSSL/TLS(エスエスエルティーエルエス;Secure Socket Layer/Transport Layer Security)などと表記することがあります。SSL/TLSは、HTTPに限らず、FTPTelnetなどのプロトコルと組み合わせて使用できます。

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FTP

【2002-11-21更新】

FTP(エフティーピー;File Transfer Protocol)はインターネットでファイルを転送するためのプロトコルおよびサービスのことです。このホームページを作成する時にも、HTML文書や画像などをAsahi-netのホストに転送しています。Windows用のFTPフリーウェアやシェアウェアにはFFFTP外部へのリンクCuteFTP外部へのリンクWS_FTP外部へのリンクNext FTP外部へのリンクなどが、Machintosh用にはFetch外部へのリンクInterarchy外部へのリンク(以前はAnarchieという名称だった)などがあります。最近では、ブラウザでもFTPを利用することができるようになって来ています(「http://」のかわりに「ftp://」と入力します)。

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telnet

telnet(テルネット;Telecommunication Network)は離れた所にあるTCP/IP接続されたホストコンピュータにログインして操作するサービス及びプロトコルです。パソコン通信のようにパソコンをホストコンピュータの端末のように機能させ、そのホストコンピュータが許可するサービスを利用することができます。文字のみによる通信が基本で、図書館のOPAC検索などのデータベース検索に良く使われています。
Windows 95にはMicrosoft社のTelnetというソフトが標準装備しています。Macintosh用ではNCSA Telnetというフリーウェアが有名です。Netscape Navigator (Communicator)やInternet ExplolerなどのブラウザではTelnetサービスをしているサイトに接続すると(「telnet://」で始まるサイト)Telnetソフトを自動起動してくれる機能を備えています(Netscape Navigator 3.x以前のバージョンでは設定が必要です)。

ポイント
ホストコンピュータにログインするためには通常ユーザネームとパスワードが必要になりますので、事前に調べておく必要があります。農林水産研究情報センター作成の日本国内図書館OPACリスト外部へのリンクにはOPACに関する詳細な情報が掲載されています。例えば、

接続方法 login: opac

という記述があれば、ホストコンピュータが「login:」と尋ねてくれば、「opac」と入力するとログインできます。

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SMTPとPOP

SMTP(エスエムティーピー;Simple Mail Transfer Protocol)とPOP(ポップ;Post Office Protocol)は電子メールのプロトコルで、前者は送信、後者は受信に用います。
全て実際の郵便の例で考えると分かりやすいでしょう。電子メールのやり取りを行う言わば郵便局の役割をするシステムはメールサーバ(Mail Server)と呼ばれています。Aさん(ユーザA)は最寄りの郵便局(メールサーバA)のポスト(SMTPサーバ)にメールを投函します。するとそのメールはBさん(ユーザB)の最寄りの郵便局(メールサーバB)のポスト(SMTPサーバ)に送られます。メールは局内のBさん宛ての私書箱(POPサーバ)に置かれ、Bさんが受け取りに行くと、身分証明書(ID番号とパスワード)で認証をおこない、メールが手渡されます。インターネットでのメールの送受信は大抵の場合、この方法でおこなわれます。
通常、大学の場合にはメールサーバは情報センターなどのコンピュータ上に置かれ、個人が家庭で利用する場合にはプロバイダの所有するコンピュータ上に置かれます。また、Aさんが近くの郵便局にポストにメールを投函したり、Bさんがメールを近くの郵便局の私書箱に身分証明書を持って取りに行ったりという作業は、パソコン上の電子メールソフトが代行してくれます。
POPサーバは現在、POP3というバージョンが一般的に用いられています。

Mail Server
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Z39.50、SRUとSRW

【2012-11-09更新】

Z39.50(ゼットサンジュウキュウテンゴゼロ、ゼットサンキュウテンゴマル)は、図書館の書誌情報を検索・交換するために開発された情報検索のためのプロトコルです。1988年にANSI/NISO規格として開発され、1992年に第2版、1995年に第3版が発表されました。1998年にはISO国際標準(ISO 23950)に、1999年にはJIS国内標準(JIS X 0806)になりました。

このプロトコルには主に3つの特徴があります。

  • 1つめは、一つのユーザ・インターフェースで異なるデータベースが検索できることです。
    OPACは図書館によって検索の項目や方法が異なるため、複数のOPACを利用するときにはOPACごとに異なる方法で検索をおこなわないといけませんでしたが、Z39.50に対応しているOPACであれば、複数のシステムを一括して検索できます。
  • 2つめは、クライアント・サーバ環境で利用できることです。
    過去の検索システムは、パソコンではほとんど処理を行わず、ホスト・コンピュータ(サーバ)の端末としてのみ機能することが一般的でした(ホスト・端末型)。その後、パソコンの性能が向上したため、Z39.50は、パソコン(クライアント)とホスト(サーバ)で分散処理をおこなうように設計されています(クライアント・サーバ型)。
  • 3つめの特徴は、検索状態の保持ができることです。
    クライアントとホストの間の通信状態を保持することをStateful(ステイトフル)、保持しないことをStateless(ステイトレス)と言います。Stetefulなシステムでは、複数の検索の後で、最初の検索結果を再表示させたり、複数の検索結果を掛け合わせたりすることができます。

Z39.50はウェブ普及以前に開発されたプロトコルであるため、Z39.50の管理維持プログラムであるZING(ジング;Z39.50 International Next Generation)は、後継プロトコルとして、HTTPに基づいたSRU(エスアールユー;Search/Retrieve via URL)とSRW(Search/Retrieve Web Service)を提案しています。

  • SRUは、URL内に検索のキーワード、条件等を埋め込んでアクセスし、検索結果をXMLで取得するプロトコルで、REST(レスト;Representational State Transfer)というウェブのアーキテクチュア・スタイルに基づいています。
  • SRWは、検索のキーワード、条件等をXML形式で記述して送信し、検索結果をXMLで取得するプロトコルで、SOAP(ソープ;Simple Object Access Protocol)というXMLやHTTPなどをベースとした、他のコンピュータのデータやサービスを呼び出すためのプロトコルを用いています。

ポイント
Z39.50による横断検索は、GlobalFinder.NET外部へのリンクで体験できます。

ポイント
その他のデータ検索・交換のための技術には次のようなものがあります。

OpenSearch(オープンサーチ)は、検索結果を他のサイトで自由に利用するための仕組みです。Amazon.comの子会社であるA9が2005年に公開しました。複数の検索サイトに対して検索リクエストを送り、その結果を組み合わせて表示することが可能になります。

OpenURL(オープンユーアールエル)は、情報資源にリンクするためのURLの記述方法で、ANSI/NISOでZ39.88-2004として標準化されています。主に特定論文へのリンクなどに利用されています。例えば、論文の巻号やページなどの情報を検索式の形でURLに埋め込み、そのURLをOpenURLに対応したシステムに送ると、そのシステムが検索式を解釈して検索をおこない、結果として該当する論文のURLを返します。

OAI-PMH(オーエイアイピーエムエイチ;Open Archives Initiative Protocol for Metadata Harvesting)は、OAI(オーエイアイ;Open Archives Initiative)が開発した、メタデータ交換のためのプロトコルです。サービス・プロバイダ(メタデータを取得する側)が、データ・プロバイダ(メタデータを提供する側)に対して検索リクエストを送ると、結果としてXML形式のメタデータが返されます。データを自動収集(ハーベスト)することができるため、他機関が作成したメタデータを自身のシステムに取り込む場合などに利用されます。

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その他のプロトコル

Gopher

Gopher(ゴーファー)は、テキスト、画像、音声などのインターネット上の情報をツリー状(階層構造)のメニューの中から選択して表示したり、ダウンロードしたりするためのシステムです。現在ではあまり使用されていません。

WAIS

WAIS(ウェイズ;Wide Area Information Servers)は、テキスト、音声、画像などに対するインデックス(主に全文検索用インデックス)をサーバ準備しておき、それを利用してインターネット上の情報を検索できるというシステムで、Z39.50に基づいて通信を行っています。WWWでも同様の検索が可能なため、あまり利用されていません。

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CyberLibrarian : tips on computer for librarians, 1998-