2024.08.16
県民文化センターで『ハン・ヨジン フルートリサイタル』を聴いた。中国フルート友の会の主催で、客はほとんどが友の会関係のフルート演奏者という感じだったが、客席は半分位埋まっていた。彼女は子供のころから天才で、今22歳。すでにヨーロッパのオケで主席である。
プログラム前半は、タファネルの『「ニヴェルのジャン」によるグランド・ファンタジー』、メシアンの『黒つぐみ』、チャイコフスキーの『レンスキーのアリア』、タクタキシヴィリ(グルジア=ジョージアの人)の『ソナタ』。いずれも聴いたことのない曲であったが、それぞれ技巧的にも音楽的にも特徴があって、彼女の実力を示すのにうまく選曲されていると思った。演奏は素晴らしかったのであるが、何かしら本能的な癖のようなものを感じた。演奏の様子や音の作り方をずっと聴いていくと、ふと思い出したのが、パンソリという韓国の伝統音楽である。低音部の音が実に迫力があるのだが、そのときの身体の使い方とか、微妙な抑揚とかクレッシェンドの掛け方とかがパンソリを思わせる。姿勢にも特徴があって、ほんの少しだけ腰を折って足を踏ん張っている。これだけの音を出すためにはやはり下半身が大事なんだろうと思った。
後半は有名なフランクの『ソナタイ短調』で、これまた圧巻であった。ピアノの蒲生祥子さんも細いスラックス姿で、乗りまくりという感じ。
アンコールはキム・ヒョグン作曲『チョッサラン(初恋)』という曲。美しい曲で多分歌詞もついているのだろう。やはり22歳なんだなあ、と妙に安心した。
紹介動画がある。。。