現代病の発生には、活性酸素が大きく関わっていると言われています。 活性酸素と言う言葉を、最近耳にする機会が増えてきています。 はじめて、聞く方は「活性酸素?いったいなんだろう?体を元気にする 酸素が活性酸素だろうか?」と思われるかもしれませんが、実はまったく 反対で、活性酸素により我々の体の細胞が傷付けられて、現代病と言わ れるほとんどの病気が、発生していることが分かって来ています。 活性酸素とは、酸素分子の電子が一個不足した、大変不安定な状態の 物を言います。活性酸素は細胞の中の分子から、電子を奪って安定した 状態になろうとします。そうすると、奪われた分子は次々と隣の分子から 電子を奪い、その現象が連鎖していきます。 いったん電子を奪われた分子が、電子を取り戻しても以前とは同じ状態 に戻ることが出来ず、細胞がどんどん傷ついてゆきます。 最悪の場合、細胞の核の中の遺伝子が破壊されると、細胞のガン化が 起こり、ガン細胞が増殖します。 また、血液中の活性酸素は、悪玉コレステロールを含むLDL(低比重 リボタンパク質)と反応し、過酸化脂質になります。この過酸化脂質は 動脈血管の内側にある、血管内皮細胞に取り込まれます。 それと同時に、血管内皮細胞の裏側の動脈壁に、マクロファージや 単球と呼ばれる食細胞が入り込み、過酸化脂質をどんどん食べていき、 食べ過ぎによって、泡沫細胞に変化します。 泡沫細胞は血管内皮と外側の平滑筋細胞との間に溜まり、次第に退化 して繊維状となり、弾力性を失ってしまいます。 こういった状態が動脈硬化です。 その結果、動脈硬化の進行や血管の狭小化によって、脳血栓や心筋 梗塞も起こりやすくなります。 活性酸素は、普通の生活をしていても呼吸をするだけで、体内で2%程 発生します。呼吸をして体内に酸素を取り入れ、その酸素とさまざまな 物質が体の中で反応が起きる過程で,活性酸素が発生します。 また、激しい運動をすることにより、大量の活性酸素が発生します。 その他に、紫外線を浴びたり、食品添加物や水道水の有害物質、電気 製品の電磁波、空気中の汚染物質、農薬、精神的なストレス、タバコ、 化粧品、シャンプーなども発生の原因となります。 活性酸素は適量で有れば、対外から進入してきた細菌やウイルスを殺す のに役立ちますが、大量に発生した場合、正常な細胞まで破壊して しまいます。それによりさまざまな現代病が発生します。 通常、体は活性酸素の発生に備え、それを消去するためにSOD (活性酸素除去酵素)をたえず合成しています。 しかしながら、体の中の栄養が不足してくると、SODが合成されなく なります。この合成に必要な栄養は、鉄、銅、亜鉛、マンガン、セレン、 モリブデン、といったミネラルと、タンパク質が絶対必要になります。 さらにビタミン類では、ビタミンA、B群、C、Eが絶対必要です。 活性酸素を取り除くためのもう一つの方法は、カテキンのように 体の中に入ってきた活性酸素といち早く結びつく作用を持ったものを 食べることによって、取り入れることです。 多くの自然界の食品の中には、活性酸素といち早く結びつき、その 毒性をなくす働きをするものがたくさんありますが、残念ながら現代は そういった食品の中にも、活性酸素を発生させる農薬をたくさん含んだ ものが多く、安心して食べることが出来ません。 |