梅雨が上がったかと思うほどに良く晴れた一日、ギラギラとした夏の日差し、こんな
時期に似合う花はムクゲとヒマワリでしょうか。
ムクゲほどお行儀の良い花はないといわれていますね。一日花のムクゲは花をきちん
とたたんで夜のうちに落すのでしょうか、地面に落ちている花を見ますと蕾のうちに
落ちてしまったのではないかと思う程ですね。
「槿花一朝の夢」とか「槿花一朝の栄」などと言われていますように、花の短命さ、
散る花の姿のつつましさ、こんな所が文学的にもまた、茶の花としても取り上げられ
ている由縁なのでしょうか。
半日は筒に生けたる槿花かな 芳室
短命で一日花だといわれると調べたくなるのが人の常、花をしっかりと観察した人が
いて、2ー3日は同じ花が、朝には開き、夕には閉じ、そして落花するのだと報告し
ているようです。
これは別として、文学面では賞せられているムクゲも、室町時代前に日本に入ってか
ら、広く栽培されるようになり、生け垣等にも用いられて、夏の花として馴染みの深
い植物で、住宅街を散歩しますと必ず何本かのムクゲに出会うほどです。
歳時記を開いたりしますと必ずと言ってよいほどに出会うのが、
道のべの木槿(むくげ)は馬にくはれけり 芭蕉
です。それほどにムクゲが多かったことなのでしょうか。
ムクゲも最近では改良された品種も増えたのでしょう、典型的なシロムクゲのほかに
薄紫色の花を咲かせるものや、八重咲きのムクゲ等、いろいろと種類もあるようです
ね。皆様のお家の付近では如何でしょうか。
芭蕉の句やムクゲが何処にでもみられる夏の花ということからか
道ばたのむくげは馬にくはれけり
その木槿(むくげ)なり家ごとに咲く 谷 鼎
という、素晴らしい短歌を見つけました。
うめだ よしはる
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