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 ┃「青春を返せ裁判」を支援する会   会  報   1 9 9 4 年 2 月 ・ 第 6 号    ┃
 ┃                               「青春を返せ裁判」を支援する会事務局発行 ┃
 ┃                                 〒700 岡山市駅元町9-26 国民救援会内    ┃
 ┃                         086-254-2799(Fax.切替) 郵便振替「岡山6-33457」 ┃
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    ┌─────────────────────┐
 ∧ │ たくさん傍聴しよう(幹事会の話)…P.1  │ 
 も │ 統一協会の答弁書………………………P.2  │今度は2月10日午前10時
 く │ 統一協会の準備書面……………………P.2  │
 じ │ B子さんの準備書面……………………P.7  │から、Bさん、続いてAさんの
 ∨ │『統一協会マインドコントロール-』…P.16  │裁判です。傍聴よろしくネ。
    └─────────────────────┘


    裁判(官)に危機感もって  たくさん傍聴しよう
  1月20日夜、支援する会の幹事会がひらかれました。
  河田弁護士からは、福岡の「献金を返せ」裁判では「統一協会」として発行した
領収証が存在するので有利な判決が期待できること、Aさんの裁判官は個々の統一
協会員を見て統一協会全体を見ようとしておらず危険な状況(組織的犯罪を理解し
ないですぐにも判決する可能性がある)であること、物品被害の交渉を統一協会が
渋っていることなどが報告されました。
  高山牧師からは、玉野で婦人が3人脱会したこと、元統一協会幹部が別組織MS
(モーニングスター)を作って統一協会に似た活動をしていることなどが報告され
ました。
  また、岡大関係者から岡大の様子が話されました。
  そして、Aさんの裁判(官)に危機感を持って、当面は傍聴者を最大限あつめる
努力をすることを決めました。


            統一協会の「答弁書」

平成5年(ワ)第642号損害賠償請求事件
                                    原告  B  子
                                    被告  宗教法人世界基督教統一神霊協会
平成5年10月14日
                                    右被告訴訟代理人弁護士  早川      良
                                    同                      和島  登志雄
岡山地方裁判所第2民事部  御中
                             答  弁  書
第1  請求の趣旨に対する答弁
        原告の請求をいずれも棄却する。
        訴訟費用は原告の負担とする。
      との判決を求める。
第2  請求の原因に対する答弁及び被告の主張
        おって準備書面により認否及び主張する。


         統    一    協    会    の   「   準    備    書    面  」

平成5年(ワ)第642号損害賠償事件
                                    原告  B  子
                                    被告  宗教法人世界基督教統一神霊協会
平成5年12月15日
                                    右被告訴訟代理人弁護士  早川      良
                                    同                      和島  登志雄
岡山地方裁判所第2民事部  御中
                          準  備  書  面
  平成5年7月14日付、訴状中「請求の原因」に対する認否及び主張、ならびに
求釈明。

  請求の原因に対する認否及び主張
「はじめに」の部分について
  本訴定期の意図が記載されているが、その意図を争う。
  本件は、被告宗教法人世界基督教統一神霊協会(以下「被告宗教法人統一教会」
という)に対する宗教迫害の意図で訴を提起されたものである。
第1  「当事者」について
  1  「被告」について
        被告は日本で設立され、登記された宗教法人世界基督教統一神霊協会であ
      る。
        原告らは訴状の中で、日本の宗教法人である「被告宗教法人統一教会」と
      それ以外の団体をさすと見られる「統一協会」ということばとを意図的ある
      いは無意識に混同しており、同訴状を読むものをして、両者の間に混乱を惹
      起せしめるおそれがある。
        ゆえに「統一協会」の名のもとに外国の統一協会や、日本の宗教法人統一
      教会以外の団体のことを含めて述べてはならない。
        被告宗教法人統一教会は韓国で設立された宗教団体ではない。
        被告の正式略称は「統一教会」であり「統一協会」ではない。
        被告宗教法人統一教会では文鮮明師は創始者と呼び、教祖とは呼ばない。
        被告宗教法人統一教会の教理が、韓国籍崔翔翼氏によって日本にもたらさ
      れたこと、東京都知事によって、宗教法人として認証され、設立登記され、
      久保木修巳、その後神山威、藤井 雄が会長に就任していることを認める。
        信者数について、被告の発表があること、文藝春秋に記事があること、浅
      見定雄の著書のあることは認めるが、正確な信者数については、信教の自由
      との関係で公表を保留する。
  2  「原告」について
        原告が当被告宗教法人統一教会の会員であったことは認める。
        原告の退会は、被告宗教法人統一教会反対活動家らによって強制されたも
      のである。
        なお、「被告施設であるビデオセンター」の部分を否認し、その余は不知
      である。
第2  「統一協会の教理と霊感商法への必然性」について
  1    被告宗教法人統一教会はソウルで創立されたものではない。
        日本で設立された、日本の宗教法人である。
        文鮮明師は教祖ではなく、創始者である。
        被告宗教法人統一教会にとって日本の政治団体である国際勝共連合は友好
      団体である。
        久保木修巳は、その国際勝共連合の会長でもあった。
  2    原理講論は統一教会の教理解説書である。
        「霊感商法等数々の反社会的経済活動への必然性も右教理の中に存する」
      との部分を否認する。
        その余の事実は認める。
        「(1)創造原理」について
          要約は正確とは言えないが、認める。
        「(2)堕落論」について
          要約は正確とは言えないが、認める。
        「(3)復帰原理」について
        1・2・3項
          要約は正確とは言えないが、認める。
        4項
          文鮮明師がメシヤであるかどうかについては、信教の自由との関係で認
        否しない。
        5項
          被告宗教法人統一教会は霊感商法等の経済活動は一切やっていない。
        6項
          被告宗教法人統一教会では合同結婚式という。
          結婚は両性の合意に基づいている。
          信者は、文鮮明師が決めてくれる相手が一番良いと考えて結婚するが、
        嫌なら拒むこともできる。
          尚、被告宗教法人統一教会の教理お呼び合同結婚式については準備書面
        で明らかにする。
第3  「統一協会と経済活動」について
  1  「霊感商法お呼び献金の実態」について
      「1・2・3」について
        被告宗教法人統一教会の信者が設立した商事会社があり、その会社が物品
      販売をしていることは認める。
        その余は不知である。
        以下霊感商法の手口、実態が述べられているが、被告宗教法人統一教会は
      全く関与していないので、不知である。
  2  「定着経済の実態」について
        被告宗教法人統一教会は全く関与していない。
        不知である。
  3  「その他の経済活動」について
      「1・2」について
        被告宗教法人統一教会は収益事業は行っておらず一切関与していないので、
      不知である。
        被告宗教法人統一教会が信者から献金を受け入れることはあるが、それは
      どこの宗教団体もやっていることである。
  4  「結語」について
        否認ないし不知。
第4  「マインドコントロールの実態」について
  1  「正体を隠した接近」について
        被告宗教法人統一教会の伝道は、信教の自由の範囲内で行われている。
        なんら違法な点はない。
        詳細は信教の自由との関連で認否しない。
  2  「ビデオセンター」について
        否認ないし不知。
        被告宗教法人統一教会は、原告主張のごとき「ビデオセンター」は保有し
      ていない。
  3、「修練会」について
        否認ないし不知。
        被告宗教法人統一教会は、その教義に基づき信者の教化育成を目的とし各
      種修練会を行っているが、原告主張のような組織内容の修練会は行っておら
      ず、原告主張のごとき「人を騙し、違法な経済活動をしてもかまわないと信
      ずる若者を作りだす」ようなことは全くない。
  4  「修練会における講義内容」について
        被告宗教法人統一教会が主催する修練会において、創造原理・堕落論・復
      帰原理などの講義がなされることは認めるが、原告主張のごとき「原理講論」
      の講義内容の評価は、被告に対する敵意に基づいて曲解されたものである。
第5  「統一協会の『マインドコントロール』の違法性」について
  1    被告宗教法人統一教会はマインドコントロールは行っていない。
        被告宗教法人統一教会は、伝道は行っているが、それは伝道されるものの
      自由意思に基づく正当な行為であり、信教の自由の範囲内のものであって、
      そこには違法性は全くない。
  2    否認する。
        伝道は信者を作り、信仰を伝えるためのもので、違法な経済活動に従事さ
      せる目的をもってされるわけではない。
  3    否認する。
  4    原告の退会は、統一教会反対者らによって、強制された結果である。
        統一教会会員を拉致・監禁し棄教を強要する行為が、全国組織的になされ
      ているのである。
        損害を争う。
        契機、セミナー等の事実関係は不知である。
        原告は、自己の意思で統一教会に手続きし、入会したのである。
        被告宗教法人統一教会は、物品を販売した事実はない。
        被告宗教法人統一教会は、原告に対し何等の不法行為も行っていない。
        請求はすみやかに棄却されるべきである。

  求釈明
    原告に対し、以下の事実について釈明を求める。
第1  本件は、原告に対する被告宗教法人統一教会の不法行為が争われているもの
    であり、まず原告が被告宗教法人統一教会の誰によって、どのような行為を受
    けたのか、その具体的内容についてさらに詳しく主張されたい。
第2  原告が受けたとする「マインドコントロール」を誰から、いつ、どこで、ど
    のような内容で受けたのか、それらの具体的態様についてさらに詳しく主張さ
    れたい。
第3  原告が献金をしたとのことであるが、いつ、どこで、いかなる動機から献金
    したのか具体的内容についてさらに主張されたい。


            B    子    さ    ん    の    準    備    書    面

平成5年(ワ)第642号  損害賠償事件
合議2係
                                            原告  B  子
                                            被告  世界基督教統一神霊協会
  平成5年12月15日
                                            原告ら代理人  河  田  英  正
                                                                      外
岡山地方裁判所 御中
                          準  備  書  面
一、原告主張の骨子
  1  原告は、訴状第5統一協会のマインドコントロールの違法性の項目で述べた
    とおり、人格の中核をなし人間の尊厳を支える根源的な内心の自由すなわち思
    想・信条信教の自由を被告らによって違法に侵害され、長期にわたり被告の支
    配する会社で働かされ、霊感商法などの違法行為に加担させられて人格が破壊
    して精神的打撃を被ったことを主張している。
  2  その手法は、訴状第4マインドコントロールの実態の項目に述べているとお
    りである。この手法は、単に原告に対してのみ偶然なされたことではなく、全
    国共通の被告らのマニュアルによって統一的組織的になされているものである。
    自らの正体を隠して青年達に接し、耳ざわりのいい言葉と青年の好奇心や向上
    心をくすぐるような言葉でその青年を組織の中にとらえ、次第に他の情報から
    遮断隔離し、やさしい人間関係で青年を包みこんで、睡眠不足の状態で一方的
    に教義を教えこみ、その教義そのものがより深く組織にとりこむための工夫に
    満ちているものであって、やがて霊感商法という違法行為さえも正しい行為で
    あると信じさせられていく。原告も、宗教団体であることさえ知らされないま
    ま、あたかも自らの意思によって選択したかのような「因縁トーク」などによ
    り恐怖感を与えられ、やがては「UCグループ企業」で働くなど霊感商法に従
    事してきた。
      このことが原告に対する主体的に宗教を選択するという信教の自由を侵害す
    る違法行為を形成するものであるとともに、霊感商法に従事させられて違法行
    為を違法行為と認識できない状況に陥れられ、多くの人々を霊感商法の被害者
    にしてしまい、自らも非人間的な生活を強いられた精神的損害賠償を被告に求
    めるものである。
二、被告らの原告に対する布教「マインドコントロール」の違法性
  1  特定の宗教を信ずることもいかなる宗教を信じないこともそれがその人が主
    体的に選択する自由は最大限に尊重されなければならない。それは人格権の根
    幹をなし、憲法上も内心的自由の象徴的なものとして保障されている。従って、
    信教の自由が侵害されることの重大性は、財産的価値の侵害と対比してみれば
    一目瞭然である。自己の主体的選抜が不可能な状態で1,000万円の多宝塔
    を買わされることよりも、自己の主体的選抜が不可能な状態である特定の宗教
    を信じさせられることの方が、はるかに法益侵害性は大である。もちろん、原
    告が被告らの正体を隠した接近から脱会までの間に被告に支払った「献金」、
    救われるためにと数々の商品を購入させられた被害も、生活資金を根こそぎ奪
    うものであり、その被害の重大性をいささかも低く評価することがあってはな
    らない。
  2  被告らの「マインドコントロール」が、主体的選択の自由を奪って行われて
    いるのは次の事実からも明白である。
       街頭におけるアンケート、あるいは友人・親族のつながりを利用した働き
      かけ(伝道)の目的は、ビデオセンターに誘い、ビデオを見せることである。
      ビデオを見せたあとは、1泊2日のツーデイズ、2泊3日のスリーデイズと
      いう修練会に誘う。この修練会のあとはライフトレーニングという名称で講
      義を聴かせる。
        その間、それらの行為の主体が統一協会であることは絶対に秘密とされる。
      ビデオセンターで見せるビデオは統一原理の講義であるが、その中にもその
      教えの主体である統一協会の「と」の字も出てこない。堕落論によって、人
      間の原罪と自分の罪を指摘された青年達が、修練会やトレーニングのなかで、
      原理のいう救い主(メシア)を受け入れざるをえない心理状態になるまで、
      その救い主の氏名も、これらの行為の主体が統一協会であることも秘匿され
      る。
        統一協会については、きわめて当然のことに世間上批判的意見や見解が多
      い。キリスト教団の多くが統一協会をキリスト教ではないと批判しているし、
      社会的にも「親泣かせの原理運動」や史上最悪と思われる悪徳商法の「霊感
      商法」の主体として名指しされている。統一協会が自分を明示してビデオを
      見せたり修練会に誘った場合、青年達は当然、統一協会というのは一体どの
      ような団体なのかに興味を持つことになる。相手方に質問することもあるで
      あろうし、友人や知人に聞くことも考えられる。質問された友人や知人もそ
      の団体の固有名詞が明らかであれば調査は簡単なのである。すなわち、名前
      を聞けば興味を持ち、興味を持てばその団体の活動について知ることになる。
      その段階で青年達が、前記の事実に関する情報に少しでも触れるならば、青
      年達はビデオセンターに近付かないであろう。評判のいい宗教団体は沢山あ
      る。なにも好きこのんで特別評判の悪い団体戸つきあうことはない。
        従って、統一協会が前記の活動を布教活動として明示しないのは、自分に
      ついての情報を入教対象者に知らせないためである。入教対象者に自己につ
      いての正確な情報を伝えることは、どのような団体であれ当然のことである。
      そのことが、入教対象者の主体的選択を保障することになる。統一協会はそ
      の道とは全く逆の道をすすんでいる。「正体を隠して」接近する宗教団体は
      おそらく被告らを除いて他にない。
        このようにして、当初の接触の段階でまず主体的選択を侵害しているので
      ある。
       統一協会が入教対象者に対して行う修練会やトレーニングは、その人の主
      体的判断や選択を不可能にする特徴を持っている。
      a  献身宣誓をした実践トレーニングにいたる前までの、伝道から新生トレ
        ーニングまで、入教対象者は温かい配慮とやさしい人間関係につつまれる。
        伝道やビデオセンターでの「賛美のシャワー」や日をおかずタイミングよ
        くおこなわれる優しい電話や手紙(マニュアルがあり、アベル・上級者の
        指示でするのだが)、トレーニングや修練会での心のこもった手作りの食
        事や贈り物等。この「親切」が入教対象者をして、講義で話されることを
        信じようとする心の動きを作り出す。講師や班長などを信ずるようになり、
        その言うことを信じようとする心の姿勢を作り出す。即ち、統一原理に対
        して受容的な心の姿勢を作り出すのである。
          また、入教対象者が途中でやめようとして説得され、やめることを思い
        留まることがほとんどなのは、この「親切」名人間関係があるからである。
        この「親切」に負けて受講を続けるうち、他の価値観から遮断された状態
        での繰り返しの講義により、それを心理と思い込むようになる。
      b  ツーデイズやスリーデイズ修練会から実践トレーニングまで他の価値観
        との交流が遮断され、統一原理のみを聞かされる。
          修練会が合宿であり、統一協会の全面的管理の下、新聞やテレビさえ与
        えられず、他の受講生との交流さえ統制されて一方的に講義が連続するこ
        とはすでに述べたとおりである。
          トレーニングは勤務の終わった後の時間の講義であるが、勤務が終わっ
        た後、講義の場所に集まり食事をして講義を聴く。終わるのは11時過ぎ
        になる。帰宅して寝て、次の日曜日は午後1時ころからトレーニングが開
        始される。日曜日の午前中は掃除や洗濯などがある。従って、いったん統
        一協会の入教システムに取り込まれると、外の価値観に触れる時間がなく
        なるのである。外の価値観が入教者に伝わらなくなることにより、統一原
        理に対する批判的・主体的態度が失われていくことになる。
      c  罪の意識を植えつける。例えば、イエス・キリストの処刑の場面を「リ
        アリスティック」に講義する。掌に釘を打ち込まれそれによって十字架に
        吊されたため掌が裂けてくるなどという講義をして、イエス・キリストが
        十字架にかけられたのは人間が悪いのだという。聴いていると自分に罪が
        あるようになってくるという。罪の自覚はその心に自責の念を呼び起こす。
        罪を償うため、何らかの行動が要求される。
          恐怖の観念を植えつける。例えば、文鮮明に対する拷問をこれまた「リ
        アリスティック」にやる。
          感動を作り上げる。修練会での夜、暗くされた会場に「お父さま」から
        の感動的呼びかけの詩が朗読される。献身者の体験談(証・あかし)が感
        動的に語られる(マニュアルがありそれに従ってやるのだが、受講者は知
        らない)。みんな涙を流して感動する。
          これらのいろいろな感情の高揚によって、従前の自己が否定されたり、
        新しい価値観が受け入れられていくのであるし、本人をより一層「変革」
        することになる「行動」(例えば、トレーニングを受けるとか、献身する
        とか)が決断されるのである。
      d  行動のための動機づけとして「悲しみの神さま」、「1人で苦労してい
        るお父さま」、「お父さまに選ばれたかけがえのない君達」という論理が
        使われる。「ようし、神さまを慰めてあげなければ」という気持ちになる
        のである。そして、〇〇家のメシアと煽てられ、先祖のため、父母のため、
        地球上のすべての人のため自己犠牲の道に進むのである。しかも、地上天
        国はすぐにもできるとされている。あと〇年だ。頑張ろうとなるのである。
      e  献身した後は、以上のことがより一層ひどくなる。それらの結果、自ら
        実践しその裏舞台(詐欺を構成する事実)さえ知りながら、霊感商法をさ
        え、それが正しいと信ずる、おどろくべき人間を作りだすのである。
    以上のとおり、統一協会による入教工作は入教対象者の主体的選択を奪う方法
  によって、計画的・組織的・系統的・全国的に行われているのである。
三、被害の重大性
  人格の中核である価値観が変容するのであるから、その人の人生そのものが変え
られる。
  1  ほとんどの者が学業・職場を放棄して「献身」し、ホームと称する「合宿所」
    で起居し、被告統一協会の「経済活動」と称する金儲けに専従させられる。そ
    の最悪の事例が「霊感商法」である。「詐欺募金」やウソをついての物売りも
    重要な活動として、推進させられる。原告も「UC企業」で苛酷な労働を提供
    し、ホームでの生活にも耐えてきた。
  2  被告統一協会や文鮮明のためになることのみが「善」であるとの価値観に支
    配されるから、「霊感商法」や「詐欺募金」さえ「善」と考える人間になる。
    統一協会のためならウソを付くことは平気になる。即ち、現代に生きる人間と
    して社会の中で共存してゆくために、当然、自己の内面に形成していなければ
    ならない最低限の道徳や規範意識を喪失させられる。原告は、様々な霊感商法
    に関わり、展示会などにも多くの人を誘い、購入をすすめてきた。
  3  「アベル」に対する絶対的服従の組織原則の下での生活で自主的主体的判断
    はできない人間となり、他人の配慮や心くばりに感謝することのできない人間、
    通常の人間関係を形成できない人間となる。
  4  文鮮明の組み合わせによる「祝福」でなければ、結婚できなくなる。恋愛は
    禁止である。
  5  苛酷な労働の中で、神経症や精神異常の発生する確率が通常の生活より高ま
    る。
      人が、その人生をどのように生きようと、その生き方が主体的、自主的に選
    択されたものである限り、反社会的なものでなければ、それは、自由である。
    統一協会の場合には、万物復帰の教え即ち「サタンの側−統一協会以外の者−
    に奪われた財産、資産を神の側−文鮮明の側−に取り戻すという考え」によっ
    て「経済活動」を行うので、第三者への財産権侵害が必然的に発生する。伝道
    といって組織の拡大も義務づけられているから、第三者について前記1から6
    の事態がさらに発生する。
四、裁判所で審理されるべき対象について
  1  原告の請求は、被告の違法な行為によって物品を購入させられてその財産権
    の侵害を受けたこと、被告の違法な行為によって憲法に保障された信教の自由
    が侵害されて精神的損害が発生していること、非人間的な生活を恐怖と不安の
    中で強いられ、貴重な人生の一コマを反社会的行動に従事させられたとこ等を
    理由として財産的損害と精神的損害の賠償を求めているものである。
  2  右違法な行為は、全国的に統一された手法により組織的になされているもの
    である。またそれ故に高度な違法性をもつものである。原告に対して具体的に
    なされた被告の違法行為も被告の組織的行為の一環としてなされたものである。
    従って、まずこの組織性と全体的行為とを明らかにしようとするものである。
  3  原告は、被告統一協会の教義内容の正否について判断を求めようとするもの
    ではない。原告が現に関わり、また被告が推進している霊感商法との関わりを
    被告は全く否定している。従って、霊感商法は被告が必然的に発生させている
    ものであることの関連において「万物復帰」の教理に触れ、関連性を実証する
    ものである。
  4  また、原告に正体を隠してたくみに接近し、他から隔離してたくみに組織に
    取り込んでいく過程で被告協会の教義が重要な役割を果たしている。主体的選
    択を不可能にしていく様々の工夫が教義自体のなかに潜んでいる。その原告に
    対する「マインドコントロール」の過程を明らかにする範囲で被告協会につい
    て主張してきた。
五、原告が被告によってマインドコントロールを受け「霊感商法」にまで従事して
  きた経過の概略は次のとおりである(さらに具体的に主張を準備する)。
  1  90年1月
      路傍でアンケート調査に誘われ、これをきっかけにビデオセンターに通うよ
    うになる。統一協会であることはもちろん宗教団体であることさえ明らかにさ
    れないままビデオセンターに通うようになる。そのなかで「堕落論」の講義は
    原告を深い罪意識を衝撃的に植えつけ、救いの必要を強く感じるようになり、
    メシアとしての文鮮明を明かされる。ビデオセンターに通い、セミナーに参加
    し、「国際ハイウェイ構想」等を示される。
  2  同年3月
      「万物復帰意義と価値について」のビデオを観せられた後、特別な講義があ
    ると言われ小会議室に通された。その場で神に全てのお金を先祖の恨みを解放
    するために捧げなければならないと迫られ、自らの将来への投資のためにと貯
    めていた421万円を献金した。原告の保有する資産は約450万円であった
    がそのほとんどを突然のしかもビデオをみたあと小部屋に通されて数人に取り
    囲まれながら決断したものであった。この時最後に原告に献金を迫ったのは被
    告中国ブロックの責任者である岩井良治であった(これを内部ではSKクロー
    ジングという)。
  3  同年3月16日〜18日
      広島市可部で行われたスリーデイズセミナーに参加。終日、集団行動・講義・
    スポーツ等のスケジュールのなかで「献身」の決意表明と新生トレーニング参
    加への決意をさせられた。
  4  同年4月
    3月30日に新生トレーニングのための面接を受け、4月から新生トレーニン
    グに参加。仕事を終えて月曜から土曜まで毎日、午後7時30分から約2時間
    講義を受け、その後もビデオを見たりの生活が続き、自らの生活と時間をもつ
    ことができなくなった。このころからアベルに対する「報連相」、心情ノート
    の提出、蕩減条件が義務づけられるようになった。心身共に常にアベルの管理
    下に置かれることとなった。
      江田島の見学があり、その後特攻隊精神で募金活動(「親善会」)に従事し
    た。
  5  同年5月
      ソウルスリーデイズセミナーに参加。このころから、統一協会に反対する人
    達からの働きかけなどに対する対策のための学習がビデオなどでなされ、これ
    らの情報に接しても心を開くことがないようにさせられてくる。
  6  同年6月
      実践トレーニングに参加。路傍伝道に従事するチームに配属させられ、「チ
    ームマザー」の指示を受けながらアンケート調査等を装いビデオセンターに誘
    うことを連日行った。この中で両親を勧誘する。さらに「ブルー展」でCB商
    品の購入を他に勧め自らも購入した。「ブルー展」は定期的に開催され、その
    都度客の動員や購入を勧める役割を担ってきた。こうして霊感商法に深く関わ
    るようになった。
  7  同年8月
      両親に献金として210万円を出させる。その後、献身のための準備をした
    り祝福(合同結婚)のことについて考えるようになった。
  8  同年12月
      6日から9日まで韓国でのスリーデイズセミナーに参加。
  9  91年2月
      青年実践部に所属し、津倉ホームで生活するようになる。マザー補佐の役割
    を担当した。
  10  同年4月
      広島可部修練書特別スリーデイズセミナーに参加。参加後、意欲的に物品販
    売、勧誘等にとりくみ多くの成果をあげる。
  11  同年6月
      統一協会系企業であるワコム岡山営業所に勤務することになる。9月24日
    には福岡で韓鶴子(文鮮明の妻)が参加した信徒大会に集団で参加。
  12  92年3月
      統一協会系企業である世一観光広島営業所にて勤務するようになる。広島教
    会の青年部所属となる。
  13  同年4月
      8月に実施される合同結婚に参加するための準備活動が行われる。セブンデ
    イズセミナーに参加。祝福への参加の関心高まる。参加の条件として霊の子を
    3名立てることの指示がなされ、勧誘(伝道)活動を強化する。
  14  同年6月
    父が交通事故のため死亡。その原因が原告にあると「巡回師」から言われ、父
    の死に対して責任を感じ、統一協会の仏壇を購入することになる。
      こうして、原告は宗教と認識しないまま統一協会に入会し、その中で先祖の
    因縁におびやかされながら霊感商法に従事し、他の人をリクルートしてきた。
    そして、92年7月家族によって保護され、正常な価値観を取り戻し本件訴訟
    を提起した。


  郷路征記著『統一協会マインドコントロールのすべて』
  昨年末、『統一協会マインドコントロールのすべて』(郷路征記著、教育資料出
版会発行、1,854円)が発売されました。支援する会は1月中旬に20冊取り寄せ
て、すぐに売り切れ。10冊の追加注文を2回くりかえしています。
  著者は、北海道合同法律事務所に所属する弁護士で、1週間に1回のペースで統
一協会脱会者との懇談会を1年6カ月にわたって開き、その中で語られた体験をま
とめ、それに心理学的な分析を加えています。それは、札幌の「青春を返せ裁判」
に準備書面として提出されましたが、その書面がこの本の基となりました。
  本の内容は、(序)統一協会がマインドコントロールのために使っている技術、( 
)ビデオセンターの実態、( )ツーデイズ修練会の特徴、( )ライフトレーニングの
特徴、……と「献身」までつづき、( )文鮮明の奴隷からの救出、(終)統一協会の
危機、で終わっています。最初、統一協会の「と」の字も言わないでアンケートに
答えさせ、マインドコントロールの技術を使って以前の人格を破壊し、文鮮明に服
従する人格を作り上げていく過程が恐ろしいほどよく分析されて書かれています。
この本を読むと、マインドコントロールの技術を知らない人は、すべて統一協会の
犠牲になる可能性があること、したがって統一協会は、全人類にとって、正に反社
会的な団体であることが理解できます。また、脱会者は、後遺症を和らげ、心の整
理をつけて社会復帰するのに長い期間を必要としますが、この本は、心の整理をす
るのに絶好のものです。ぜひご購読ください(事務局にも置いています)。


「青春を返せ裁判」を支援する会会報7号=紛失



 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃「青春を返せ裁判」を支援する会    会  報   1 9 9 4 年 5 月 ・ 第 8 号   ┃
 ┃                               「青春を返せ裁判」を支援する会事務局発行 ┃
 ┃                                  〒700 岡山市駅元町9-26 国民救援会内   ┃
 ┃                                086-254-2799 郵便振替「01260-9-33457」 ┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


  統一協会マインドコントロールのすべて
                 ─B子さんの体験から─
  今号は、4月20日の裁判で準備書面として提出したもので、B子さんの体験を『
統一協会マインドコントロールのすべて』(郷路征記著)を参考に記述したもので
す。今後、「第2章  ツーデイズ修練会の特徴」、「第3章  ライフ・トレーニン
グの特徴」、…と続く予定です。

 ┌────────────────────────────────┐
 │ 平成5年(ワ)第642号  損害賠償請求事件                     │
 │                       原      告        B                  子 │
 │                       被      告        世界基督教統一神霊協会 │
 │                                                                │
 │                   準  備  書  面                               │
 │ 1994年4月20日                                           │
 │                       原告代理人        河    田      英    正 │
 │ 岡山地方裁判所  御中                                           │
 └────────────────────────────────┘


第1章    ビ  デ  オ  ・  セ  ン  タ  ー  の  実  態
    一、F・F伝道と路傍伝道
  統一協会の「教育過程」の入口である原告が関ったビデオセンターは、岡山市田
町1丁目2番27号ソーラービル2階に「カルチャースペースクリエイト」の名称
であった。ビデオ・センターに友人や親族を勧誘した場合のことをF・F(フレン
ド、ファミリィの略)伝道といい、見知らぬ人に街頭で生活意識アンケートへの協
力を依頼し、それに応じた人をビデオ・センターにつなぐ場合のことを路傍伝道と
いう。これとよく似た態様は、無差別に住宅を訪問して勧誘する訪問伝道が存する。
我々が繁華街でよく目にする、小さな画板を持って道行く人々に熱心に声をかけて
いる若者は、路傍伝道に従事している統一協会員である。原告は、1990年1月
23日、その日の仕事を終えて「錦町」停留所でバスを待っている時に統一協会員
であった西崎美和氏から声をかけられ、「生活意識アンケート」に答えたのが、統
一協会との接触のはじまりであった。

    二、生活意識アンケートの内容
  アンケートは12項目の質問からなっている。第1問は関心あるものに○をつけ
ることを求めるもので、○を付ける対象として記載されているのは「健康・仕事・
占い・旅行・政治・世界情勢・ボランティア・人間関係・宗教・芸術・死後の世界
・因縁・人の生き方・恋愛・結婚・聖書・その他」である。
  第4問は「社会の為に役立ちたいと思いますか?」と問いかけ「思う・思わない
」で答えさせる。第3問では「あなたにとって一番大切なものは?」と質問し[地
位・名誉・財産・友人・愛・家庭]という選択肢の中から優先順位をつけさせる。
アンケート用紙の一番下は住所、電話番号、氏名、勤務先の記載欄である。住所に
ついては自宅・アパート・寮の区分まで記載するようになっている。アンケートは
ビデオ・センターに誘うべき人なのか、そうでないのかを判別することができるよ
うに工夫されている。アンケートの第2の目的は住所、氏名、電話番号を把握する
ことである。この短いアンケートの中から勧誘者がビデオセンターに誘いやすい人
を瞬時に判断していく。ビデオセンターに通う時間がとれて、ボランティア精神が
あるなど「公的な人」であって向上心のある26才位までの金を持っている人が勧
誘する重点対象となる。

    三、路傍伝道の教育
  この路傍伝道で誘われて統一協会に入った人は多い。統計があるわけではないが、
F・F伝道よりもはるかに多いのではないかと思われる。統一協会は「教育過程」
の進行に従い、受講生のそれまでの人間関係を切断していき、受講生が依るべき場
所を統一協会のみにしていく。そのような無理をしないかぎり受講生を統一協会に
取りこむことができないからである。しかしその結果、受講生が統一協会員になっ
た後、知人、友人、親族の中には、伝道対象者が少なくなってしまう。そこで街頭
での伝道が重視されることになるのである。路傍伝道の勧誘の特徴はともかく広汎
な人達に声をかけることである。勧誘をする統一協会員はすべての人達にこの真理
を伝えなければならないという熱意と、声をかけそこなってその人の永遠の生命を
救済する機会を自分の責任で逃すわけにはいかないという恐怖に支配されているか
ら、道行く1人歩きの若者に次々と声をかける。立ち止まってアンケートに応じて
くれる人はそんなにいない。
  そのために街頭における伝道の技術が磨かれる。人間に対して説得力を持つのは
何といっても人間の熱意であるから、統一協会は伝道者が熱意の塊となるように操
作する。伝道を開始する際には事前に伝道についての意義づけの学習を十分にさせ
られており、それが相手にとって救いの道であるという確信を持たされている。実
際に伝道にでかける時には充分な祈祷をする。統一協会では伝道が成功する要素と
して祈祷の役割が40%を占めると教えている。祈祷は統一協会員の伝道へのテン
ションを高め、伝道への熱中をかち取らせるための手段である。
  いざ出発という時には出発式を行う。いわゆる決起集会である。伝道実践に向け
て意志の統一を図り、意気を高揚させるための集会である。決断式のあと街頭に出
るが、街頭に出たらすぐ声をかけることが義務づけられている。気持ちの勢いが落
ちてしまうことを避けるためである。あらかじめ何人に声をかけるか目標を設定し、
気分が沈んでいる時はスキップをしながらでていくよう指示されたりする。
  伝道中の姿勢は1人でも多くの人に声をかけること、絶えず動いていること、明
るく、はっきりと笑顔で伝道すること、賛美して心情をほぐすこと、一方的に話さ
ず聞くべきところは良く聞く(反論、論争はしない)こと、決意を持続させること
が必要とされている。決意の持続のためにペアで伝道を行う。明るく賛美すること
は伝道の基本であり、賛美の練習を何度もし、ロールプレイをするなどしてその技
術を磨く。
  見も知らずの対象者に声をかけて足を止めさせ、アンケートに答えさせるために
は第一印象が良くなければならない。したがって明るく、はっきりと笑顔で、とい
うことになる。服装、髪なども「神の代身としての装い」をせよと指示される。
  アンケートに応じてくれた人との対応の基本は賛美である。簡単な言葉でいえば
お世辞をいうのである。短い時間の間にその人の好意を獲得するためである。たと
えば、アンケートの第1問は関心のあるものに○をつけてくださいという質問でた
くさんの項目がならんでいる。ボランティアなどというところに○を付けると「若
いのに意識が高い」とか「立派だ」とかいってほめてくれる。どこに○をつけても
ほめてくれる。また、ボランティアを選択する人は「公的な人」としてビデオセン
ターにつながる可能性がかなり高い人であるので、その後の質問についても特に力
をいれて行うことになる。
  アンケートを取りながらさまざまなことについて話し合う。街頭で一時間以上立
ち話をすることも珍しくない。そのような対話の中で統一協会員はその人をビデオ
・センターに誘うべきか、誘うべきでないかの判断をする。誘うべき人は「公的心
情を持っている人。終末観、問題意識のある人、宗教性のある人、向上心があり真
理を求めている人、時間のとれる人」である統一協会は無差別に人を誘おうとはし
ない。これからの「教育過程」に乗ってきそうな人に絞るのである。身体的ハンデ
ィキャップのある人などについては最初から声をかけない。伝道しても統一協会に
とって負担になるだけと考えているからである。
  街頭アンケート終了後、実践センターのあるクリエイトの別室に帰り、直ちに祈
祷室に入り反省と次回の決意を天(神と文鮮明)に報告した上、アベル(上司)に
実績報告をする。何人に声をかけたか、何枚アンケートが取れたか、何人に約束を
取れたかを報告し、アンケートの取れた人についてアベルとビデオセンターにいか
にしてつなぐか計画を立てる。その計画にしたがって、熱心かつ執拗な手紙と電話
の攻勢が続く。統一協会員のノートには各対象者にいつ手紙を書き、いつ電話をし
たか、それに対する反応はどうであったかということが克明に記載されていく。手
紙はその日のうちに書くことが義務づけられ、10回まではその反応を観察し、ビ
デオセンターに誘うか否かを判断する。手紙はマニュアルがあり、いくつかの例文
が記載され、最初のうちはその例文をそのまま引用して書いている。
  この作業を終えて食事担当の作った食事を食べて帰宅する。

    四、ビデオ・センターについての説明
      1、明るく落ち着いた雰囲気の場所。しかし…
  各ビデオ・センターを宣伝するためのリーフレットがある。カラー刷りのきれい
なものである。このリーフレットは路傍伝道の際にアンケートに答えてくれ、街頭
での賛美に心を開いてくれ、ビデオ・センターに誘うことにした人に「こんな所が
あるんですよ。行ってみませんか」と誘う際に見せるものである。それ以前の段階
では見せない。
  リーフレットはビデオ・センターの、落ち着いた雰囲気の喫茶店のような様子を
伝えるように作られている。リーフレットでは知りえないが、ビデオ・センターで
は落着いた雰囲気のバックグランドミュージックが流されていたりする。初めての
人も安心させる雰囲気で、受講を決定して通い始めた人達に心地良さを与えるよう
に工夫されている。
  ビデオは1人しか入れないブースでヘッドホンで音を聞きながら見る。ビデオを
見る前や後で、担当のコンサルタントと話し合う(統一協会用語で和動という)場
所は、じゅうたんが敷かれ、花や絵が飾ってある開放感あふれる落ち着いたフロア
ーとして工夫して作られている。
  ビデオ・センターにはリーフレットには書かれていない重要な裏がある。外から
の入口も異なっているスタッフ、タワー長の控えている部屋である。そこは、真実
が、統一協会の顔が露出している所で、文鮮明と韓鶴子の写真が飾られている。霊
の親(路傍伝道などで対象者=以下統一協会の用語にしたがってゲストという=に
最初に声をかけた人のことをいう。ゲストのことを霊の子という。霊の親と霊の子
は霊的には親子とされ、天国でも一緒に生活をする特別な関係であるとされる)や、
共助者(勧誘はかならずペアでやるので、二人のうち霊の親ではない人のことであ
る)や新規トーカー(ビデオ・センターに初めてきた人に受講を決断させる役割を
持ったビデオ・センターのスタッフである)が、ゲストの攻略方法の指示をタワー
長から(当時は鈴木光)から受け、「本当に救いの心情でやっているのか」などと
ハッパをかけられ、文鮮明の写真の前でゲストを救う一念での、思わず涙が流れる
ような祈祷をして心のパワーを高め、ゲストに向かう態勢を整える場所である。こ
の隠された部屋は、統一協会が「信者」を獲得するための戦闘指令部である(甲第
25号証の灰色部分)。
      2、親切できれいなスタッフ。しかし…。
  ビデオ・センターには受付と新規トーカーとビデオ受講を開始したゲストに、毎
回和動(なごやかな雰囲気をつくり、ゲストの状況を把握し、一定の方向に決断す
るよう指導していく)を行う主任がいる。
  いずれのスタッフも、我々が統一協会員について抱いている、よれよれのロング
スカートをはいた薄汚れた、若者ではない。センスのいいセーターやブラウスを着
てきれいに化粧もしている、まことに感じの良い人達が集められている。ここでの
応接の仕方についても詳しいマニュアルがある。ゲスト・トーカーの位置関係・予
想問答に至るまで細部にわたって指示されている。
  ゲストが新規トーカーや主任と話し合っている場にコーヒー等の飲み物を運び、
その機会にゲストと新規トーカーや主任との相性などを探知する。統一協会のビデ
オ・センターにはゲスト以外の歓迎せざる客も訪れる。統一協会に子どもを奪われ
た両親とか、恋人を統一協会に取られたと抗議にくる男性もいる。受付担当者は、
これらの状況に対しても、タワールームと適切に連絡をとり指示を受けながら対応
していくことになっている。
  新規トーカーの任務はゲストにビデオ受講を決断させることである。新規トーカ
ーは統一協会の各部署からその役割に適合するような人達が選抜され、新規トーカ
ー研修を受けている。毎日のようにたくさんの人に会い、受講への勧誘体験を積み
重ねているその道のプロである。受付はゲストに間を空けさせたり、たいくつさせ
ないよう全体をみながら常に行動する。
  主任は受講を開始したゲスト1人1人について、相性のいい人やゲストの重要度
に応じて振り当てられる。主任の任務はビデオ受講前後にゲストと話し合い、愛を
かけ、受容してゲストをビデオ・センターにつなぎとめることと、和動を通じてゲ
ストに統一協会が意図する価値の転換、ビリーフの変化をおこさせることである。
  タワー長はビデオ・センターの全体を統括する責任者である。前述の隠された部
屋に陣取っていて、ゲストや受講生に対する工作の進展状況の全体を掌握し、新規
トーカーや主任を叱咤するのが任務である。通常、統一協会の青年部の部長など他
の部署の責任者が交替でなる。

    五、ビデオ・センターに勧誘した当日、何がおこなわれるか
        1、絶対に、その日のうちにビデオの受講を決断させる
  執拗に、長時間、多数の人間が関与して、ゲストがビデオ講義の受講を承諾する
まで勧誘を継続する。統一協会はなぜ、その日に受講を決断させようと執拗に行動
するのであろうか?それは決定や決断が人間の行動や意欲を変化させるために特別
の意味を持っていることを統一協会が知っているからである。
  決定することそのものには1〜2分しかかからないのだが、決定とはこの場合、
受講するか受講しないかの選択肢の一方に優位を与えるもので、その後の行動はそ
の決定を安定化し、凍結するようになる。決定にいたるまでは受講を支持する気持
ちと受講を拒否する気持ちが半々であっても、一旦受講が決定されれば、受講決定
を正しいと思う気持ちや受講を期待する気持ちが生まれてきてその決定を支えるの
である。決定にしたがった行動をするうち、その決定を支える根拠が次々と作り出
されてくるので、決定の際の最初の動機が否定されても決定そのものは維持されて
いくという、まことに不思議な力が決定という行為には秘められている。
  その日のうちに決定をさせれば、特別に早い決断を正当化する一つの道筋として、
自分の選んだ選択肢の魅力を高く評価する可能性もある。たとえば、すばらしい人
達だったから早く決断したんだというように。従って、ビデオ受講を根比べとなる
程しつこく迫っていくのである。
  逆に決断を延ばせば、決断を延ばしたことについて自ら説明をつけることになる。
どうせ、たいしたところではないはずだというように。決断を延ばせばビデオ・セ
ンター以外の場所、日常性の支配する自分の部屋などで、ゲストにビデオ・センタ
ーのことを客観的に考える機会を与えることになる。どんな会社がやっているのだ
ろうかとか、新規トーカーはあれが仕事なのだろうかなどという、持つのが当然の
疑問を持つ機会を与えては、受講しないようになるばかりである。したがって、そ
の日のうちに受講を決断させるのである。
  そのためのテクニックが展開される。
          イ、転換期トーク
  手相を見たり、姓名判断をしたあとでよく使われるのが転換期ですねというトー
クである。このトークは、統一協会に入会した人に必ずなされるトークであり、ま
たこれが意思決定の重要な役割を有している。
  「今、転換期ですね。竹で言う節目の時なんですね。竹は節をつけて、大きくな
って行くでしょう。そういう変わり目・交互点の時なんですよ」という言い方であ
る。ゲストの人生が良くもなり悪くもなる岐路にあることを暗示する。その目的は
ゲストをビデオ講座の受講決定に誘導するための、ちいさな不安を与えることであ
る。
  そしてまた、ビデオ・センターに誘われるたくさんの人の中には「転換期ですね
」という言葉が、自分の状況を適切に表現しているものとして、心にしみるように
感ずるような、精神的、肉体的状態にある人がいるのである。
  人は常に元気であることはできない。家族や親しい友人との間で葛藤を持ったり、
自分の人生の価値について疑問を持つなど、悩んだり、苦しんだりする時期が必ず
ある。無差別に数多くの人に声をかけることによって「犬も歩けば棒にあたる」で
はないが、統一協会員はそのような人にめぐり合う。
  どうして、あのような人が統一協会に入るのだろうかという疑問を我々は持つこ
とが多いのだが、その疑問を解く1つの鍵がこの点にある。誘われた時のタイミン
グなのである。
          ロ、意図的なウソ
  勧誘した当日にビデオ受講の決定をさせるためには、決定のための障害が高すぎ
ては駄目である。最初の決定についての環境はできるだけ決定しやすいものでなけ
ればならない。一旦小さな決定をしたら、その決定に関係するより大きな重大な決
定をすることができるようになる。一貫性のルールの力である。
  そこで統一協会はビデオ・センターが統一協会の「教育過程」の最初の組織であ
ることを必然的に隠すことになる。統一協会の施設であることを明らかにしてビデ
オ・センターに勧誘した場合、ビデオの受講を決定する人はほとんどまったくいな
いだろう。霊感商法や親なかせの原理運動や国際合同結婚式で統一協会の悪名は轟
いているからである。
  宗教であることも隠さなければならない。日本人の多くが宗教に対して積極的な
気持ちを持っていないということばかりではなく、宗教にかかわることは人生の根
本的で重大な問題であるという認識が、漠然とした形ではあれ、すべての人の心の
中にあるからである。ビデオ・センターがなんらかの宗教にかかわっているという
ことであれば、簡単に受講を決定するわけにはいかないというのが、ほとんどの人
達の感覚である。勧誘者が熱心であればかえって不気味となり、街頭で見知らぬ人
から声をかけられその後2〜3時間の説得で受講を決定するわけがない。したがっ
て、宗教であると明示することもハードルを高くしすぎることなのである。
  以上のとおり、統一協会がビデオ・センターのことを自己啓発セミナーであると
か、教養講座であるとかの嘘を言うのは統一協会にとって構造的なものである。こ
の嘘は意図的なもので、統一協会の本質に照らして改善不能である。
          ハ、再度のアンケート
  最初に来所してきた時に青年意識アンケートを行う。原告もテーブルに案内され
てこのアンケートを最初に渡された。勧誘のためのより効率的な情報を得るためで
ある。そして、さりげなく「亀甲アンケート」をとり、ゲストの「財」の状況を探
る。ビデオセンターに通うことのできる状況であるか否か、今後献金を迫る時の資
料とするのである。原告の場合もこの時に亀の甲アンケートにおいて貯蓄高等「財
」の状況について正直に応えている。
          ニ、スタッフの役割
  霊の親と新規トーカーが一人のゲストに対して役割を分担して受講を説得する。
  ゲストを座らせる場所さえ決まっている。ゲストの目が壁を見るような場所でゲ
ストの対前に新規トーカーが座る。決してゲストが入口の方向を見るようには座ら
せない。ゲストの左横(トーカーの右横)には霊の親が座る。ゲストの目が入口と
逆になる場所を選ぶのはトーカーの話にゲストを集中させるためである。
  新規トーカーはゲストとの出会いを次のようなものとして考えるように教育され
ている。「ゲストは兄弟達(統一協会では同僚である統一協会員のことを兄弟姉妹
という)が前線(伝道や物売りの現場のことを言う)から必死で連れてきた人であ
る。神が6000年間(原理による人間歴史は6000年である。原理によれば、
誕生して間もなく人間は堕落して神のもとを離れたので、神はその後6000年間
人間が神のもとに復帰してくることを願っているのである)待ち続けた人との初め
ての出会い」、トーカーは、そう考えることによってこの貴重な事態に対処するよ
うに心の準備をする。
  そのような心を持って、会った瞬間には120%の笑顔で迎える。ゲストと新規
トーカーがタイプや物の感じ方で合わない時はトーカーを次々と変える。人は似て
いる他人に好意を持つという類似性の原理を利用するためである。
  ころあいを見計らって心からの賛美をする。そのゲストを愛しきる、尽くしきる
つもりで賛美を重ねる。最初の30分でゲストの心をとらえて、その後40分でビ
デオ受講の意義についてトークする。
  「あなたは絶対に幸せになります。誰でも幸せになる権利があります。価値ある
人生を送るためにはこれからが大切です。そのためにこのビデオ講座を利用してく
ださい。100年生きるうちの1日をください。そのなかで何か1つでも得てくだ
さい。この内容を肥料として、より美しい花を咲かせるためにもぜひ生かしてくだ
さい。利用してくたされば私達も嬉しいです」等というトークをするのである。そ
して、「幸せになるために、価値ある人生を送るために、このビデオ講座をぜひ受
講しましょう」とプッシュする。
  受講を決定した人に対しては「1回見ただけで投げ出さないでください。始めお
もしろくない内容かも知れないけれど、最後にハッとおもしろい結末になったりし
ますよネ。途中であきらめないで、やるからには最後までやり通してくださいネ」
というトークをする。ゲストに動機・目的観を植えつけていくための操作である。
  対象者がビデオ・センターに来るという決心をした場合に、ビデオ・センターに
連れてきて新規トーカーに引き合わせ、そのトークの場に立ち会うのが、この段階
ではまだ紹介者と言われている霊の親の役割である。
  霊の親は「1人の生命を復帰する時は、神とサタンの時間の奪い会い」という心
構えで「復帰の執念で尽くし抜く」ことを教育されている。
  ビデオ・センターに連れてきた場合には、賛美しながら新規トーカーにゲストを
紹介する。そして、自分自身が感動してトーカーの話に耳を傾ける。その分だけ、
ゲストが感動してくれると教育されているのである。トーカーの話に感動しながら、
心の中では救いの一念でお祈りをする。
  霊の親はゲストの決断のために重要な役割を果たす。新規トーカーも霊の親も受
付もみんな統一協会員である。おなじ立場の人間である。一体となってゲストを統
一協会に勧誘しているのであるが、統一協会に勧誘していることを隠すばかりでは
なく、共謀の上、別の立場の人間であるかのように見せかける。
  新規トーカーはビデオ・センターのスタッフであるという立場をとる。霊の親は
ゲストより一足先にビデオ講座を受講した先輩という見せかけをとるのである。商
店で例えればトーカーは店員、霊の親は先に商品を買ったお客という形を作るので
ある。
  このような立場の霊の親の入会勧誘は、迷っているゲストに対して強力な説得効
果を持つ。「本当に人間らしい生き方が見つかるんです」というトーカーの説得に
対して、ゲストが霊の親に「あなたは見つかったんですか?」と質問などする。そ
のときは「見つけました。この手で!」と霊の親は断言する。ゲストの決断を促し、
決定づける重要な役割を霊の親は担っている。F・F伝道の場合で、霊の親である
統一協会員がゲストの信頼を得ている場合には特にその発言は強力な影響力がある。
2人のトーカーによる説得と対比してみればその効果は容易に想像がつくであろう。
人は判らなくなった時、自分と同じ立場の回りの人がどのように考え、どのように
行動するかによって、自分の判断を決める傾向が強いと言われている。「お隣りの
奥さんも買ったのですよ」というセールス・トークは最も強力なトークの1つであ
り、このトークの内容を商売の形態にまで高めたのが、タッパウエアーのホーム・
パーティである。統一協会はこの偽りを使うことにより、社会的証明の原理という
心理学的手法を用いて人を操作しているのである。
          ホ、奴隷の道への第一歩・ビデオ受講決定
  ここまでの準備をされた上で勧誘された場合に断わる理由を見い出すことは困難
である。数万円の投資をすれば真理が判るのかも知れないし、世界が開けるのかも
知れないし、自分が良く変わるのかも知れない。「人生は出会いですとトーカーも
言っているが、たしかにそれはそうだ。もしかしたら、この出会いは良い出会いな
のかもしれない。こんなに熱心に誘ってくれるのだし、悪い人ではなさそうだし、
おかしな事が判ったら辞めればいいんだ」と思って受講を決定する。原告も「時を
逃がしてはいけない」「私を信じて欲しい」と真剣に訴えてくる迫力に負け、とり
あえずビデオを1本見ることになった。それによって自分が文鮮明の奴隷にさせら
れる道を歩むことになったとも知らずにである。
  トーカーも霊の親も共助者も、当のゲストがびっくりするほど喜んでくれる。仕
方なしに暗い気持で受講決定した原告に対し、「B子さんと毎日サークルで会いた
い」「ここでの学びが全てを解決してくれるでしょう」などと祝福の言葉をつぎつ
ぎとかけられ、この決断をしてよかったと思うようになった。勧誘している統一協
会員はゲストのしたこの決断がどれほど重大な意味を持っているかを、よくよく知
っているからその喜びの言葉を浴びせるのである。
        2、コミットメントの強化
  受講を決断したゲストに対して申込用紙が提示され、まず第一にお金のことが説
明される。統一協会がビデオ講座の受講料という形でお金を取るのは、そのことに
よってゲストの受講の動機を自主的なものに変化させ、動機を強化するためである。
  執拗な勧誘と様々な心理操作にのせられてビデオの受講を決定したゲストは、申
込用紙に住所氏名を記載しお金を支払うことによって、ビデオ受講の決定を自主的
な決定と思うようになっていく。だから申込用紙を出したらすぐお金のことについ
て「アクセク苦労したお金。自分のために使わなければならない。遊ぶのもいいけ
れどもそれよりは価値ある幸せのために使うべきだ。飲むのは何時でもできるけれ
ども、学ぶのには時がある」とトークする。お金をとることがビデオ受講の妨害に
ならず、かえってビデオ受講を強制するものになるように巧みな操作をしているの
である。
  お金を持参していないゲストについては霊の親がお金を貸してくれる。ゲストは
恩義を感ずることになり、それに対する恩返しとしてビデオ・センターへ通うこと
を心理的に強制される。少なくとも当面お金を返すために必ずビデオ・センターに
来なければならない立場に置かれるのである。
  受講を決定したゲストに対して翌日第1回の受講をすることと、週3回以上の受
講をするように説得が行われる。ビデオ講座を4回まで受講した人が2デイズ修練
会に参加する確率は、そうでない人よりもはるかに高いことが長年の経験で確認さ
れているので、統一協会はビデオ講座を4回まで受講させることに当面全力をあげ
る。そのことのために翌日第1回、週3回以上ということが強調されるのである。
早い機会にビデオ・センターの魅力でゲストを捕らえることが課題なのである。
        3、口外禁止の要請
  最後にトーカーはビデオ・センターに通うことを誰にも言わないように言う。「
自分自身でよく内容を理解してから話した方が良いと思うよ。質問されても内容が
判らなければ説明のしようもないし、かえって心配させることになるんじゃない?
」という言い方をする。
  ゲストは、簡単で、誰にも迷惑をかけないようで、自分にも何の不利益ももたら
すことのないように思えるので、この要請を受け入れる。その結果発生することは
極めて重大なことである。
  約束に拘束されて、ゲストはビデオ・センターで教えられる内容を他人に話さな
い。通っていることを言わないことは学んでいる内容についても他人に言わないこ
とになる。その結果、ゲストはビデオ・センターで教えられる内容が正しいのか正
しくないのか、これからこの道がどこに向かうことになるのかについて、それまで
に自分が獲得していた知識でのみ対応しなければならない立場に置かれることにな
る。そして、判らなくなったり、疑問に思った時の相談相手としてはすべて統一協
会員が対応するように手配されている。どのような疑問もいいくるめられていつか
拡散し、判らないことについてはもっと勉強すれば判ると言われて、ビデオ受講が
継続されていく。
  人は判らなくなったり疑問に思ったとき、他人の意見を求めて、その中で最も自
分にとって納得のいく意見にしたがって自分の行動を選択していく。この口外禁止
の要請を承諾することによって、そのような通常の認識の発展や知識の修得過程と
は全く異なる環境の中で勉強が続けられる。
  口外禁止の要請を受け入れることによって、ゲストは自分が歩み始めている奴隷
への道から救出される唯一の手段を、自らの手で封じていることになる。ゲストが
誰かに話をすればその中には統一協会のことを知っている人がいるかも知れない。
この段階であれば「あぁ、それ統一協会よ。すぐ辞めなさい」と助言するだけで充
分である。ゲストは直ちにビデオ・センターを辞め、普通の人生を送れるのである。

    六、受講第4回までになにがおこなわれるか
        1、個人路程などの掌握
  受講第1回から第4回までの間に統一協会はまず受講生の人生史(個人路程とい
う)、人生観、価値観、財産を把握する努力をする。
  信頼関係を急速に形成して、その力でビデオ・センターにゲストを心理的に拘束
するためであるとともに、統一協会にとってそのゲストが重要な人材なのかそうで
ないのかを判別し、その受講生のニード(悩みや要求)をつかみ効率的な工作の資
料とするためである。
        2、親切な霊の親だが・・・
  受講第1日目から第4日目までは原則として霊の親が一緒に来館する。そして、
毎回励ましの手紙を手渡してくれる。これらの目的は霊の親がおこなう勝手な親切
でゲストに恩義の感情を覚えさせ、それに対する返報としてビデオ受講を心理的に
強制することであるとともに、来館のための外部での待ち合わせの機会にゲストの
本音を聞き出して組織に報告することである。例えば、第1日目には口外禁止につ
いての本音を聞き出す。こんな聞き方をするのである。
  「コンサルタントの人にアドバイスして頂いたけど、どうするの?………。私も
そうした方がいいと思う。コンサルタントの人も本当に信頼できるいい人だし、う
まく説明してもかえって心配してしまうので、自分できちんと理解して話ができる
まで黙っていた方がいいヨ。不安なことがあったら、一番に私に言ってヨ」。
  第1日目にはコンサルタントの人がいかにザックバランで優しい人であるかとい
うことを充分にゲストに認識させておいて、第2日目にはコンサルタントの人につ
いての印象・本音を聞き出す。
  後述する統一原理講義用ビデオ第1巻総序を見せた後には「神とか聖書とか出て
くるけれども大丈夫?私も心配したことあったけれどもそんなことない?私も初め、
なかなか理解できなかったんだけれども、それでも見ていく中で素晴らしいものを
知ることができたので、信じて頑張ってください」などと言う。霊の親は優しく振
舞い、手紙やノートの贈り物で受講生を心理的に縛る一方、本人も自覚していない
のだがゲストの心を開かせて本音を聞き出す組織のスパイなのである。
  第4回目まで霊の親は内部で用意されているマニュアルに従って毎回手紙を書く
のであるが、最後に自分の体験を書いた手紙を出すように指導されている。その内
容は、
      イ、ビデオ・センターに導かれるまで自分は何を考えて生きてきたのか
      ロ、何故受講しようと考えたのか
      ハ、ビデオ・センターで何を得て、自分はどう変わることができたのか
ということを含んだものである。このような手紙を受け取ったゲストの、ビデオ・
センターに対する姿勢が変化する。人生を変える重要な事を知ることができる場所
という目でビデオ・センターを見直すようになるという。このような手紙でゲスト
のビデオ受講の動機を成長させ、より自発的にビデオ・センターに通うように操作
するのである。
        3、アンケート・コミットメントの強化
  第1日目にアンケートをとる。それによってゲストの好みや問題、関心、要求や
悩みをできるだけ掌握しようとする。アンケートには何のためにビデオ講座を受講
するのかを問う項目がある。ゲストにとってみれば「熱心に勧められたから」なの
であるが、お金も払ってしまっている段階ではそんな主体性のないことを書かない。
一旦決断すれば、人間はその過程によほどの強制力が働いていないかぎりその決断
は自主的にしたのだと考えるようになる。そうであるからアンケートには「自己啓
発のため」とか「人間関係を正しく処理したいから」とか「真理を知りたいから」
などと書く。ゲストが自主的にビデオ講座受講を決定したという内容になる。選択
が真実自主的になされたのか否かが問題なのではない。選択を自主的にしたのだと
本人が思っていることが重要なのである。
  このアンケートが主任に渡されることによってゲストの決意は公開されたことに
なる。このような場合にはゲストに、表明した決意と一貫した行動を取るようにと
の強い圧力が、自己の内外から加えられる。たばこを止めると宣言した場合と宣言
しなかった場合との、たばこを再度吸うことについての圧力変化は誰もが経験する
ところである。人は書いてしまったことに見合うように行動する。一貫性のルール
である。
        4、見せられるビデオ
  一番最初に見せるビデオは統一協会が編集した「戦争・飢餓・不倫・非行・エイ
ズ・環境破壊」など人類が当面している課題を集めたビデオ等である。普通の人が
日常生活を送るについては特別考慮しなくてもいい問題であるけれども、テレビ、
新聞を通じて一応聞いてはいたという問題について、問題関心を高めておくのであ
る。そのような人類が当面する課題について、あなたはどのように考え、どう対応
しようというのかということが、暗黙のうちに問われている。見る人によって個人
差はあるけれども、そういった問いかけはゲストの内面に波紋を広げていく。
  第4回目までの間に必ず見せるものは統一原理講義用ビデオ第1巻総序である。
それ以外については受講生の「情を開く(心を開くこと)ため」に、様々なビデオ
を選抜して見せるのである。
  総序の内容は人間が邪心と本心への指向性を持った存在、すなわち矛盾性を持っ
た存在であること、その原因は人間始祖の堕落にあること、人間の歴史は堕落して
落ちたところから元の所に戻る復帰歴史であることなど、統一原理の概要を通俗的
な事例を用いたり、聖書ではこう書いてあるという形で説明していく。総序のビデ
オの目的の1つは、神とか聖書が創造原理の一番最初から出てくるので、ゲストが
出会うショックを和らげるために事前に概略の説明をすること、学ぶことの必要性
を説明することである。
        5、コンサルタントの役割
  ビデオを見る前と後にコンサルタントは2〜4時間もかけて受講生と話合いをす
る。コンサルタントがおこなう和動の任務は受講生の価値観を転換させること、原
理を学ぶことの重要性を自覚させることである。受講生が講義の内容にショックを
受けることのないように事前に話し合って衝撃を和らげる役割も持つ。
  例えば総序のビデオを見せる前、神について次のような説明を行う。「人間の生
命を考えてみても、我々は結果的存在であることがわかる。親がその原因であるか
らだ。しかし、親は絶対的原因ではない。両親だって自分の意志で生まれたのでは
ないのであるから。それらを越える絶対的原因があるはずである。それを“第1原
因”と呼ぶのです。色々な呼び方で言われていますが、科学者の間では“宇宙意志
”と呼ばれたり、“創造主”とか“神”とか言われています。聞いたことあるでし
ょう?このビデオではそれをあえて『神』と呼んでいます。まぁ、何でもいいんで
すけど……。」と、一応「神」という定義を与えたにすぎないのだと巧妙にはぐら
かして説明する。
  神とか聖書などが出てくるので宗教ではないのかという疑問がでてくる。それに
対しては「人間はどこから来て、何のために生き、死後はどうなるのだろうか、ま
た善とか悪の判断基準はなんなのか、真実の愛とは、霊界や神の存在は……など、
だれでも一度は考えることですよね。ただ、いまの多くの宗教は、こういった本来
の方向からズレてしまっていることが多分にあるから、私たちは本来の価値を見出
せないと思うんです。このビデオの内容は宗教性は含んでいますが、人間が人間と
して、また自分が本来の価値、目的を知って生きていくための内容ですから、とて
も大事なのです。見れば納得いくと思いますから、頑張ってください」というよう
に答える。このようにゲストが持つ疑問に対応しつつ、見て行けば判ると次につな
ぎながら、コンサルタントはその他の色々な話を受講生に投げかける。例えば、「
旅行、車に月どれくらいかかる?ちゃんと貯金している?将来の設計などちゃんと
考えているの?」という質問をして受講生の財産を把握しようとする。家族構成を
聞きながら、親子の関係や兄弟の関係に問題がないかを聞き出す。この段階で家系
図を書かされる。この過程で親族の問題点を把握される。
  以上のような役割を果たすためにも、コンサルタントの人はゲストを「愛して、
包みこ」んでくれる。ビデオについては感想を言えば「そこが問題なのだよね。よ
く気がつきましたね」と賛美する。悩みをいえば「私もそうだったの」と受けとめ
てくれる。
  ゲストを愛し、包みこむことができるようにコンサルタントになる人は特別の教
育を受ける。その教育ではゲストがビデオの内容等について統一協会が期待する反
応を示さないのは、すべてコンサルタントの側に問題があるのだと教えられる。コ
ンサルタントがどれだけ真剣にその人の救いを願っているかが問題なのだ。コンサ
ルタントが変わればゲストは変わると言われる。
  たとえば、ゲストの傾向別対策を説いた次のようなマニュアルが作成されている。
(A)  原理、真理に対する反発は親子、家庭環境が崩れている場合が多い。
    ・  自分なりの人生観があれば、その人の話をずっと聞いてあげる(同性なら、
      その人の家に泊まってきて夜明けまで話をする)。
    ・  こちら側が変わらない姿勢でずっと接していくことがポイント(相手がど
      うであれ受け入れる姿勢)。どんどんアベル(この場合コンサルタントを中
      心としたビデオ・センターのスタッフ)の愛が注がれていくので、どこかで
      一点突破する。
    ・  その人の生い立ちをずっと聞く中で、なんでも言い合える関係を作る。
    ・  こちら側に情を委ねた分、み言葉が入る。(情を委ねたというのは心を開
      いたということ。み言葉が入るとは、文鮮明の言葉で表された統一協会の思
      想が受け入れられることを言う)
(B)  偏見─「ああいうふうにはなりたくない」というイメージの宗教しか見て
      いない。
    ・  今いるスタッフのイメージが影響する。スタッフが自分に尽くしてくれる
      姿を見て偏見はとれる。真心こめて接したらいい。
    ・  自分の目的、夢、人生観を持っている人→み言葉にたいして客観的な見方
      のゲスト
    ・  スタッフがそれでも、変わらない心情で接していく。
    ・  人は愛につながってくるし、人につながってくる。
    ・  理論理屈よりも、この人は良い人だと思う。
    ・  理論に相対(著者注・対応すること)しない。相手は受け止めてあげるだ
      けで納得する。
    ・  心情を伝えたらよい。自分はいかに変わったか等。
    ・  聞いてあげることが相手を認めてあげることである。こちらがそのような
      心情で接していけば、愛されたら変わる。
  以上のようなマニュアルで教育された経験豊かなコンサルタントが対応する。そ
して、コンサルタントは好んで自分の「悩み」を開示する。相手の自己開示に対し
てはこちらも同じ程度の深い内容の自己開示をしなければならないという返報性の
ルールが存在する。人から自己開示を引き出すもっとも強力な要因は自分の自己開
示である。従ってゲストは数日の内に自分のプライベートな情報をコンサルタント
に開示することになる。
  このような個人路程の把握の過程は一方で統一協会がゲストを効率的でかつ適切
に組織に誘うための情報を掌握する過程であるとともに、他方でゲストとコンサル
タントとの間に、親密な人間関係を急速につくりあげる過程でもある。

    七、その後の特徴
        1、  神の存在について
  ビデオの第2巻は創造原理その1で、中心となるのは神の創造目的(神が人間や
万物を創造した目的)に関する講義であるが、ビデオを見てすぐこの講義を信用す
るようになる人はいないであろう。
  この講義では冒頭に講師が「神は存在している」と明言する。そしてこの講義全
体を通じてそのことを証明していくという。しかし、この説明では神の存在につい
てはまったく不十分なので別の手当をする。
  最近はNHKサイエンススペシャルで放映された「人体」の第1回と第6回を見
せたりする。第1回は人間の誕生について、第6回は生命を守る免疫について、現
代の科学の到達水準を映像化したビデオである。このビデオを見せて、統一協会で
はこれほどに精妙かつ驚異的な人間の体の創造主は誰なのかという問題の提起をす
る。こんなものを人間が造れるわけはないし、人間以外の動物が造れるわけでもな
い。神以外にないと説明するのである。
  「OH  GOD」という映画をビデオで見せる。コミカルな感じで神を扱ってい
るので、神に対して親近感を持つことが出来たという人が多い。また、この頃に「
クリスマス・キャロル」も見せたりする。また、この映画を見せる目的は財に対す
る価値転換を図るためである。「財産をいかにたくさん持っていても幸せではない。
その使い方いかんだ」と考え方を変えるのが目的である。
        2、霊界の存在は恐怖を・・・
  創造原理その2は霊界についての講義が中心である。
  ビデオを見せる前に霊界について和動で説明をする。霊界は3層になっており、
それぞれがまた3層に分かれている。天上界の一番上が天国でありそこは誰もまだ
入っていない。イエス・キリストもその手前のパラダイスにいる。天上界の一番下
にシュバィツァーのような人がいる。天上界にいる霊人体(死後に残るもの。人間
の体と同じ形をしているが透き通っているという)は発光していると説明する。中
間界の一番上には宗教人が、次には良心層が、一番下には良心層に準じる人達がい
る。中間界の霊人体は反射するだけである。その下が地獄界でその一番上は盗みを
した人、2番目が殺人を犯した人、一番下が色情問題で問題を犯した人であるとい
う。色情問題が殺人より重い理由は、すべての犯罪の根になっている愛の問題が霊
界で一番ひっかかるからであると説明する。地獄界の霊人体は真っ黒で傷だらけだ
と言う。
  ビデオを見せたあとでの和動で次のように言う。「霊界には、人間が堕落するこ
とにより、地獄ができてしまいました。霊界は3段階に分かれています。生きてい
る内に、いかにして霊人体を完成させるか、ということが大きな問題です(講義の
なかで、霊人体が成長して発光するようになるか、まっ黒になるかは、生きている
時の生活次第であると説明している)。どうしたら霊人体を完成させることができ
ると思いますか?はやく言えば、この間勉強したところ(創造原理その1神の創造
目的の所で、個性完成、子女繁殖、万物主管が三大祝福であると説明されている)
ですが、三大祝福をまっとうするんです。三大祝福を全うしてはじめて霊人体が完
成されるんですよ。
  霊界の前に精霊界というところがあるといいます。よく49日といいますが、こ
の間〇〇さんが死ぬまでどんな生き方をしたか、走馬灯のようにみせられるといい
ます。すべて霊人体が記憶しているというのです。自分でも見たくないことまで、
全部見せられるというのです。
  どんな生き方をしたかによって、霊界の位置が決まってしまうので、それなりの
所に自分が決めて自分で行ってしまうのです。自己中心的に人を傷つけ、人にうら
まれ憎まれながら生きた人の霊人体は人間の形をしていないというのです。ケダモ
ノのような形をしており、まっ黒でしかも悪臭を漂わせているといいます。天国に
行きたいと思っても、天国は神様がもっとも近く、明るい所で、為に生きる所なの
で、苦しくて苦しくて、とてもいることができないというのです。仕方なく自分の
霊人体に似合った地獄のような暗く淋しい所に行かざるをえないといいます。地獄
は自分の罪を自分が責めて苦しんでいる所です。
  〇〇さん、今死んだらどこへ行くと思いますか?
  〇〇さん、これからどんな生き方をしてもかまいません。死後の世界がないと思
えば、食べて寝て肉欲を満たしながら生きるもよし、神様を知らなくても生きてゆ
けるし、真理を知らなくても生きてゆける。自分の価値基準の中で生きていっても
いい。でも、霊界はあるかないかのどちらかでしょう。神様の実在もどちらかです。
これは信ずるとか信じないとかの問題ではなく、実在するかしないのかという重要
な問題です。
  実在するならば、その真理を知って真理の如く生きるほうがいいと思いませんか
?その方が価値ある生き方だし、本心が納得し満足する生き方だと思いませんか?
」
  霊界についての講義がゲストに恐怖を与えることを目的にしていることは明らか
である。個人差はあるが霊界とか霊魂について感受性の強いゲストの場合、この段
階から恐怖に捕われる。「今のままでは、どこに行くと思いますか?」と問われれ
ば、よくて中間界の最下層か地獄だと思わざるをえない。それは恐怖である。
  恐怖は人間にとってもっとも原始的な感情であり、人は恐怖に捕われた場合その
恐怖から逃れるように行動する。霊感商法で先祖の因縁話に脅されて恐怖を抱いた
人が1000万円も出して無価値な壺を買うのは、壺を買うことがその恐怖(先祖
の祟り)を回避する道であると示されるからである。恐怖は人の行動を一定の方向
に変化させ、それ以外の行動を取らせないために最も強力な力を発揮する。
  このビデオを見せる前にスウェデンボルグ(18世紀スウェーデンの科学者だが、
月にまで霊人がいると信じていた)の「私は霊界を見てきた」(マンガ版)を読ま
せる。ビデオ講義の霊界についての説明の権威づけに利用しているのである。統一
協会に勧誘される人達は霊や超能力等について興味や関心のある人が多い。そのよ
うな若者にとっては、このビデオ講義と和動で霊界の存在を信ずることになる。
        3、堕落の原因は淫行
  堕落論の講義の前に統一協会が編集したビデオ「堕落論プロローグ」を見せる。
現代の性の乱れのひどさについて訴えるインタビュー形式のビデオであるという。
  堕落論のビデオの中心は聖書の創世紀失楽園の物語の原理的解釈である。その講
義そのものは聞いていて面白くも、深刻でもない。こじつけとしか言えないような
解釈が展開されている。
  ビデオを見た後の和動で「罪が淫行である故、男性はエバを誘惑した天使長と同
じである。だから男性が『愛している。好きだよ』とささやくその言葉の背景に“
セックスがしたい”との思いが含まれている。
  じゃあ、女性はどうかというと、アダムを誘惑した当時のエバである。我知らず、
色気を漂わせたり、その後ろ姿で男性を誘いかける。女性の中には、そういうもの
が潜んでいます。
  これは、すべて(天使長とエバ・その後のエバとアダムの)淫行から出発してい
るのです」と迫る。
  男女の愛や、その愛の中で結ばれる2人の関係について正しい認識を持っていな
い場合、セックスに関する自分の内部の欲求はなんとも扱いかねるものの1つであ
る。和動で指摘するような心の動きはそれなりの比率で体験した若者がいるであろ
う。その部分を突かれるのでドキッとする話となる。「私にあったあの思い。思い
出すのもイヤだ」という感情が理性の働きを低下させて自分を責める感じになる。
和動ではこんな風に追い討ちをかける。「よく、良心的生活をしている人は“イヤ、
私は正しい。堕落していない”というけれども、堕落というのは自犯罪が少なくと
も、心の奥深くにある私の醜い心のことを示しています。誰もが原罪を持っている
限り堕落人間であるし、4つの堕落性本性があります。」と言って1枚の紙を見せ
る。
  その紙には、
     、神と同じ立場に立てない。
      ねたみ、嫉妬、自己中心、猜疑心、殺意、怨、一人よがり、独善的、不信、
      孤独、客観的
     、自分の位置をはなれる。
      不品行、浮気、血気、怒気、情欲、三日坊主、不安、ヒステリー、イライラ、
      移り気、ブリッ子
     、主管性転倒
      反逆、犯行、傲慢、強情、すねる、ひがむ、劣等感、見栄、批判、虚栄、素
      直になれない
     、犯罪行為の繁殖
      自己正当化、責任転嫁、妥協、弁解、うそ、メンツ、付和雷同、反省できな
      い、共犯、悔い改めきれない、自分としては一生懸命、悪党─と書いてある。
「これがなんで堕落性本性なのか?」と疑問を感ずるものも結構あるが、それでも
これだけいろいろあげられれば身に覚えのあることはたくさんある。
  あったとしても、日常生活を送り人間関係を形成していくのに何の障害にも通常
はならないことである。人生経験を重ねて行くうちに、このような心の動きも自然
に克服しているのが普通の人間なのである。良い心になったり、悪い心になったり
変転を重ねながら日常生活を送っているその心の一部の動きだけを切り離して、そ
れに注意を集中させ、それを堕落性本性として指摘する。「本来神さまから罪の影
さえもないようなものに成長するべく造られた人間が、このような悪い心を持って
いるのは人間がサタンの影響の下にあるからだ。人間がサタンの下にあるのは人間
の始祖たるアダムとエバがその成長期に堕落したからだ」と説明する。ゲストにと
って、無形の存在であるサタンが自分の邪な心という身に覚えのあるものを根拠に
するようになっていく。考えたことすらなかった人間始祖の堕落ということが自分
の邪な心の存在を根拠にナマナマしい事実のように思えてくる。
  罪の意識も人間の行動や感情をコントロールするためのきわめて重要な道具であ
る。罪の意識を与えることに成功すればその人の人生を支配することは容易になる。
贖罪の道を示せば、罪の意識を与えられた人はいかなる犠牲を払ってもその道を進
むからである。
  堕落論が入らなかった人については先祖の因縁の話を別途のビデオ(「因縁と罪
」)を見せて、注入する。先祖の因縁の話は罪の根たる原罪を認識させるものでは
ないが、遺伝罪を認識させ、先祖に殺人者(武家)や色情狂を想定させることによ
って、罪の血統を自覚させることができる。
  堕落論のビデオを見せた後家系図を書かせる。家系図を書かせることによって、
ゲストの意識を家庭、氏族というレベルにまで上げることを目的にしている。3代
程度の家系図を書かせてみれば問題のない家族はない。離婚、早死、癌、不仲、子
どもがいない等々。みんな堕落人間なのだ。天国に行けない先祖の因縁がこんなに
現れているんだという説明をされる。「この家族を救うことができるのは今真理を
学んでいる貴方しかいないのです」と言われれば使命感をゆさぶられる。「がんば
って勉強しようね」という説得に「ウン」と答えるのである。
        4、終末論は行動へかりたてることが目的
  統一協会のいう終末は末世という意味なのではない。たしかに終末には困難な側
面はあるが、それはサタンがその主権を奪われまいとしている悪あがきのあらわれ
なのである。終末とはサタン主権から神主権に転換する時、メシアが現れてこの地
上に天国ができるその時なのであると解説する。
  ビデオを見たあとの和動で次のように受講生に迫る。「終末とは、一言で言えば、
メシアを迎える時ということです。世界が1つになる準備がされているわけです。
ところで〇〇さん、メシアってどんな存在だとおもいますか?……。メシアは政治
や思想、宗教などあらゆる面を根底から改革する“真理”をもって現れる世界的な
指導者だといいます。〇〇さん、もしこの世から戦争も貧困も犯罪もなくせる方法
があるとしたら知りたいと思う?そういう方法を知ったとしたらどうする?
  日本でも、幕末の時代に坂本竜馬とか、この世を何とかしたいという一心で生き
てきた人達がいたよね。今はそれが世界的なんだよ。人種も、思想も、宗教も超え
てすべてが1つになれたら、どんなにすばらしいだろう。戦争も貧困もなくなって、
世界中の人達が愛し合い手をとりあい、助けあって生きてゆけたらどんなにすばら
しいだろう。
  そんな世界をあなたは夢やおとぎ話のように思いますか?子どもの頃には、そん
な夢を誰もがみていたんじゃないだろうか?そんな世界を、もしすべての人が願っ
ているなら必ず出来るはずだ!そんな世界の為に私は生きてゆきたいと思っていま
す。」
  統一協会の教えのなかで終末論は堕落した人間が救われる機会が「今なのだ!」
と力説して、人を行動に駆り立てるための仕掛けなのである。「この道を行くこと
は世界を救う道なのだ。自分だけの救いの道ではなく、世界を救うことなのだ」と
いう強烈な使命観に統一協会員は燃えているのであるが、そのもとになっているの
が今が「終末」だというこの教えなのである。
        5、感想文は思想変革の道具
  ビデオを見た後毎回感想文を書かされる。感想文は客観的なものは排斥される。
自分の決意や感情が現れた主観的なものでなければならないといわれる。このよう
な感想文を要求する意味は第3者でいることを許さないということである。
  コンサルタントは良い人であるからコンサルタントの喜ぶような内容の感想文を
書く傾向が現れてくる。もっと進むと、主任の喜ぶような感動をビデオの中に見い
出そうという気持ちでビデオを見るようになってくる。そして、良いことを書くこ
とは自分にとっても心地良いのである。
  シュバイツァーやマザーテレサ(いずれも終末論の次のメシア論の前に見せる)
のビデオを見せて「できれば自分もこのような生き方がしたい」と感想文に書かせ
ることができたら大成功である。「結婚して普通の幸せを」と考えていた人ならば
その人の思想の一部が変わったのである(勿論、思想の全体に影響を及ぼす変化で
はまだなく、それが定着しているわけでもないが)。そして思想が変わったことが
公表されたのである。自分の思想が変わったのなら、その人は自分の行動を、自分
の人生を変えなければ一貫しない。思想の変化が感想文によって公表されることに
より、その人生を変えるように自己の内外から一貫性圧力が加えられる。
  感想文を毎回書かせることが、人格を変革していくために持っている意味は我々
の予想を超えて大きい。

    八、まとめ
  統一協会のビデオ・センターは人の価値観を変革しようと意図しているところあ
る。この段階で統一原理のすべてを信じさせようというのではない。統一協会の思
想は一般社会の常識からは離れすぎているので、そのままではすぐに普通の人に受
け入れられない。例えばメシアの存在とその役割について統一協会の思想を受け入
れさせるために導入の段階であるビデオ・センターでは、誰も否定できない人の生
き方などのビデオを見せて、そのような生き方についての認識を高める。そしてそ
の生き方を「為に生きる」人生と抽象化して、統一協会の指し示す「為に生きる」
という内容を与えるのである。メシア論のビデオの前にシュバイツアーやマザー・
テレサのビデオを見せるというのが具体的なやり方である。
  コンサルタントとの話合いである和動が重要である。ビデオ受講の前の和動で、
直接ビデオを見せてはショックを与える可能性がある場合には暗示的な話や概念を
曖昧にする話をすることによって、ショックを和らげる。ビデオを見せた後の和動
では、多様な言い方で、迫力を持ちつつ、ゲストの価値観の変革を図る。統一協会
のビデオ・センターが若者の価値観の変革に成功しているのは、コンサルタントと
の和動の存在に負うところが大きいであろう。
  愛の力でゲストのビデオ・センターに対する構えに変化を起こさせ、愛の力でゲ
ストをビデオ・センターにつなぎ止めることが統一協会のビデオ・センターの重要
な特徴である。ゲストの頭にはまだ統一原理が浸透しているわけではない。そのゲ
ストをビデオ・センターに通わせ、話を受け入れさせるにはビデオ・センターが魅
力的なものでなければならない。ゲストに愛を与えるのは霊の親とコンサルタント
である。霊の親は愛を与えつつゲストの本音を探るのが任務であり、コンサルタン
トは愛を与えつつ出席の悪いゲストに対して「自分で決めたことについて責任を持
ちなさい」とか「いままで支えてくれたお父さんのためにがんばろうね」などと詰
める役割も持っている。必要最小限の詰めを与えることがビデオ受講を促進するの
である。「あぁ、ここは本当に真面目なところなのだ」とゲストに思わせる効果が
ある。もちろんゲストをビデオセンターに通わせるのは愛の力だけではない。見せ
られるビデオやコンサルタントとの話し合いが知的好奇心を満足させるように、意
識と無理なく一致するように統一原理の内容を薄めて、美辞麗句で飾りたてている
からである。ビデオ・センターが統一協会の組織であることが示されず、話される
内容が統一原理であることが判らないことも、ゲストをビデオ・センターにつなぎ
とめる役割を果たす。先のことがまったく判らないので、今日はこんな話だった、
明日はどんな内容なのだろうと好奇心を刺激するのである。
  ビデオセンターも全ての人を対象にしていない。その人が労力を投下するに値す
るかどうかの判別をして、そうでないと判断すれば相手にしなくなる。辞めるよう
に誘導していく。コンサルタントの愛も霊の親の愛も統一協会に支配されており、
本人はこれこそまことの愛であると信じているにもかかわらず、偽りの愛なのであ
る。
  路傍でよく見かけるアンケート活動、訪問でなされる「おじゃまアンケート」は、
統一協会への第1歩なるビデオセンターにつなげる隠された目的を持った接近であ
り、ビデオセンターは宗教には何らの興味を示さないむしろ嫌悪感を抱く原告らを
巧妙に統一協会に帰属させ、原告らの財産を奪い、精神的にも社会に対応できない
状況をつくりあげ、やがては文鮮明のために違法な霊感商法に従事する人格をつく
りあげていく重要な過程の1つである。
  1990年1月23日、生活意識アンケートに応えることによって始まった被告
統一協会との接触は、原告に対してその正体も目的も隠されたるまま、極めて巧妙
に組織的に企図されたビデオセンターに通うようになった。ビデオセンターの実態
は前記のとおりであったが、原告が右ビデオセンターで見たビデオの内容等は次の
とおりであった。

1990年
1月28日(日)  岡山カルチャーセンター入会
                  青年意識アンケート、亀の甲アンケートに答える。
                  ビデオ「総序」を観る。
    29日(月)  ビデオ「塩狩峠」を観る。
    31日(水)  ビデオ「遺伝と胎教」を観る。
2月  7日(水)  ビデオ「幸福講座:霊界について」を観る。
      8日(木)  姓名判断・家系図トークを受ける。
      9日(金)  ビデオ「あなたに働く神と悪魔」「人間を越えるもの」を観る。
    13日(火)  講義「創造原理」(岩井講師)を受ける。
    14日(水)  講義「堕落論」(岩井講師)を受ける。
                  ビデオ「心の動機が幸不幸を決定する」を観る。
    15日(木)  スタッフと話動
                  会社の付き合いでVCに行けなかったことを注意される。
    16日(金)  ビデオ「先祖の救いと死後の世界」を観る。
    17日(土)  ビデオ「救いの法則」「アダムの家庭」「ノアの家庭」を観る。
    18日(日)  ビデオ「アブラハムの家庭」「ノアの方舟の謎」を観る。
    19日(月)  スタッフと話動
    20日(火)  ビデオ「メシア論」を観る。
    21日(水)  ビデオ「摂理的同時性」を観る。
    22日(木)  ビデオ「イエス・キリストの写真の謎」を観た後、講義「再臨主
                  について」(岩井講師)を受ける。
                  ビデオ「文鮮明師その思想と行動」を観る。
    23日(金)  ビデオ「すべて神の御手に」を観る。
    24日(土)  ビデオ「自由か共産か」「赤い河を越えて」「摂理と日本と19
                  88年」「サイラス・マーラー」を観る。
    25日(日)  1DAYセミナーに出席(岩井講師)
                  ビデオ「メシアと私」を観る。
    27日(火)  ビデオ「万物と人間の関係」を観る。
                  SKクロージング(岩井講師)  献金の決意を迫られる。
    28日(水)  ビデオ「神の摂理と人間の努力」を観る。
3月  2日(金)  ビデオ「統一運動ニュース/1989.11」「ソ連ジャーナリ
                  ストTV」を観る。
                  統一協会岡山教会にて「献金式」(岩垂教会長、Fさん、Nさん)
      3日(土)  ビデオ「フラザーサン・シスタームーン」「真実」を観る。
      4日(日)  ビデオ「大霊界」「モーセ」を観る。
      7日(水)  ビデオ「イエス」を観る。
      8日(木)  ビデオ「聖衣」を観る。
      9日(金)  ビデオ「摂理的同時性」を観る。
    10日(土)  ビデオ「ベンハー」を観る。
    12日(月)  ビデオ「神について」を観る。
    13日(火)  ビデオ「罪について」を観る。
    14日(水)  ビデオ「教会生活」「信仰生活」を観る。
    15日(木)  ビデオ「祈祷について」を観る。
    16日(金)〜18日(日)  3DAY'Sセミナーへ参加:広島・可部の修練
                  所(加藤講師、Y班長)
    19日(月)  ビデオ「信仰と真実」を観る。
    20日(火)  ビデオ「我が恵み汝に足れり」を観る。
    21日(水)  ビデオ「メシアについて」を観る。
    22日(木)  ビデオ「幻魔大戦」を観る。
    23日(金)  ビデオ「復活予定論」を観る。
    24日(土)  ビデオ「序論」「創造原理」を観る。
    25日(日)  ビデオ「天地創造」を観る。
    26日(月)  ビデオ「堕落論」を観る。
    27日(火)  ビデオ「終末論」を観る。
    28日(水)  ビデオ「ワシントン大会」を観る。
                  教会セミナー :岡山教会(久野講師)
    29日(木)  ビデオ「メシア論」を観る。
                  教会セミナー :岡山教会(久野講師)
    30日(金)  ビデオ「メシア論」を観る。
                  新生トレーニングのための面接を受ける(竹内チームマザー)




 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃ 「青春を返せ裁判」を支援する会    会   報  1 9 9 4 年 6 月 ・ 第 9 号  ┃
 ┃                               「青春を返せ裁判」を支援する会事務局発行 ┃
 ┃                                  〒700 岡山市駅元町9-26 国民救援会内   ┃
 ┃                                086-254-2799 郵便振替「01260-9-33457」 ┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

    ┌─────────────────────┐
 ∧ │ 6月22日15:00~の傍聴が大切……………P.1│
 も │ N子の証言(反対尋問2)…………………P.2│
 く │ 岡大「原理運動に気をつけよう」の会…P.4│
 じ │ 福岡・献金裁判で統一協会に勝訴 ……P.4 │
 ∨ │ <資料>『ご注意』 ……………………P.7-8│
    └─────────────────────┘


            6月22日15:00~の傍聴が大切 
  4月20日午前、青春を返せ裁判(Aさんは17回目、Bさんは4回目)が行われま
した。併合について書面で要請していますが、保留となったままです。
  Bさんの裁判では、河田英正弁護人からビデオセンターの実態についての準備書
面(会報第8号で紹介、2月10日のAさんの裁判でも同様の書面を提出している)
が提出されました。
  次にAさんの裁判になり、弁護人からツーデイズ修練会の特徴についての準備書
面が提出されました。続いて、N子証人に対する反対尋問(別項に掲載)が行われ
ました。
  そして、次回の裁判は6月22日午後3時からになり、TBS「3時にあいましょ
う」で放映された統一協会幹部の話を収めたビデオの証拠調べ(鑑賞)を行うこと
になりました。
  閉廷後に支援者の懇談会がありました。河田弁護士は、状況は厳しい、たくさん
の傍聴支援をと述べました。嘉松弁護士は、素直に答えないN子証言について、裁
判官がまともなら証言を疑うだろうと述べました。近藤弁護士からは、岡大でのビ
ラ配りの状況が報告されました。高山牧師からは、ミスター・ミスユニバースが統
一協会の組織であること、原研会員の説得がむずかしい状況が報告されました。

  N子の証言(反対尋問2)「協会と信者団体は別」
 4月20日午前、Aさんの17回目の青春を返せ裁判があり、前回に引き続いて、A
さんの勧誘者(霊の親)であるN子が証人として出廷し、河田英正・清水善朗・近
藤幸夫各弁護人、統一協会代理人(早川)の尋問に答えました。N子の証言は、前
回と打って変わり、「知りません」が多く、素直に答えようとしない態度が目立ち
ました。次に、N子が証言した部分をまとめて紹介します。
 住所が変わり、自宅の方に帰りました。
  「世界のしあわせ・広島」「パシフィック産業」という名前は聞いたことがあり
ません。美光に人参茶やメッコールを置いてあるのは知っていますが、卸元は知り
ません。美光、丸扇、アート創和、シャルムは、統一協会員がやっている会社かど
うか分かりません。信仰の先輩に紹介されて吉祥堂の印鑑を買いました。宝翔は、
水道局の近くにあって、店頭に飾ってあるのを見まして、吉祥堂と似たようなこと
だと思いました。
  絵の展示会は、私の霊の親の知り合いがアート創和関係で、最初はそこから聞き
ました。アート創和の絵の展示会には何回か行きました。そして、行きたいという
人がいれば一緒に行きました。
  昭和62年12月、絵の展示会にAさんを誘いました。そこには、絵を説明する担当
の方でマネキンと呼ばれる婦人がいました。事前に、Aさんの個人的な資料を報告
していました。会場とは仕切られた、お店の担当の方の部屋がありました。そこの
タワー長に相談しました。Aさんには100万円ぐらいあると思っていたので、50万円
ぐらいの絵を勧めました。この展示会は、天満屋の向かいのジョリービルの4階で
行われていました。また、着物とか宝石展もあったと聞きました。そんなときも、
同じような形態で動員がありました。着物は丸扇という会社がやっていて、丸扇に
もシャルムにも統一協会の信者がいることは聞いています。展示会を総称してブル
ー展と言っていました。ブルー展が霊感商法として批判されていることは、テレビ
や新聞で知っていますが、私は、ちょっと違うんじゃないかと思います。
  「総合サークル・YOU」は、統一協会青年部の信者が作って、信者が中心に運
営しているサークルです。鈴木光さん、コンサルタントの石井里美さん、窪田さん
も統一協会員です。家系の話のマニュアルがあるかないかについては知りません。
Aさんは、吉田さん、石井さんが統一協会員であるということは知らないまま話を
聞いている状態ですが、特に知らせる必要もないと思います。
  献金は、ビデオセンターで、夜11時半すぎに決意されました。10畳ぐらいの部屋
で、2人が話をしました。
  セミナーは、ツーデイズとフォーデイズが基本ですが、フォーデイズは後でスリ
ーデイズに短縮され、ツーデイズを省略する場合もあり、いろいろです。フォーデ
イズは、広島の可部で行われる場合が多く、その班長をしたことがあります。修練
生を5名前後のグループに分けて班行動や班別に食事をするときのまとめ役で相談
役が班長です。班長以外には、講師、進行と食当(食事係)の役割があり、みんな
統一協会の信者です。新聞は、時間が限られてはいましたが、よく読みました。置
いてあったのは、朝日新聞でも世界日報でもない新聞でした。テレビはありません
でしたが、ビデオは見ることができました。電話は、かける相手と用件を言って班
長の許可をとってかけていました。親には統一協会の内容を勉強するセミナーに行
くとは言わない方がいいと、助言していました。
  山陽文化会館は、統一協会の壮年信者が借りている施設だと聞いています。そこ
を使ったら、1泊いくらとか、コーヒー1杯いくらとか、わりと細々と貸賃が決ま
っています。ビデオセンターは、宗教法人統一協会の施設ではなく、壮年の信者が
家主から借りているものです。その賃料は、ビデオセンター運営費、入会金とか会
費とかでまかなわれていたと聞いています。そこに教会の役員が来られたことはあ
りません。先輩の方々からビデオセンターを伝道に活用したらいいと言われてはい
ましたが、宗教法人から言われたことは全くありません。教会長さんからは、知り
合いを教会の礼拝に連れて来てほしいと何度か言われました。「統一協会の青年部
」とは、統一協会の信者の中の青年部という意味で、宗教法人統一協会とは全く別
の組織です。タワー長とかスタッフとかも信者団体の中での役割です。信者団体と
は、統一協会信者の集まりという意味です。
  霊感商法とマスコミで報道されていますが、多宝塔を家に置いている婦人の方は、
開運することを信じて納得してお金を出されましたし、それでも自分はこれによっ
て運が開けて感謝していると自信をもって言っておられました。

      岡大「原理運動に気をつけよう」の会
  4月21日夜、岡山大学内で、学生や教員ら有志の学習会があり、その中で、岡山
大学「原理運動に気をつけよう」の会が結成されました。同会は、統一協会(原理
研究会)の情報を学生・教官に知らせ、問題意識を深めることを主な目標とします。
そして、青春を返せ裁判の河田英正弁護士やAさんの報告などで、統一協会の実態
や裁判の状況について学習しました。また、準備段階で、同会のビラ(7〜8頁に
掲載)約4,000枚を新入生らに配ったことも報告されました。
  同会は5月にも、高山正治牧師の報告を聞く学習会を開きました。

  福岡・献金裁判で統一協会に勝訴、その後
 5月27日、福岡地裁は、統一協会に献金を強要された福岡市内の女性2人の主張を
認め、統一協会に献金の返還と慰謝料の支払い(総額3,760万円)を命じる判決(判
決要旨は6頁)を下しました。霊感商法で統一協会を直接の当事者と認定した判決
は初めてで、青春を返せ裁判への好影響が予想されます。
 同日、被害者の弁護団は、統一協会福岡教会を訪れ、霊感商法の中止とすべての被
害者への返金を要求しました。
 5月30日、全国霊感商法対策弁護士連絡会は、東京弁護士会館で150人の集会を開
き、その後、渋谷区の統一協会本部を訪れ、全国の被害者949人(被害総額68億7,516
万円)の統一交渉を申し入れました。統一協会側は、「回答を含め検討する」と答え
ました。これには、河田弁護士も参加しました。
 6月3日、福岡の被害者代理人らは、判決の執行のため統一協会本部に行き、備品
の差押え直前に統一協会が現金3,760万円を出したので、それを差押えました。
 6月3日、福岡判決に対し、統一協会が控訴しました。
 6月3日、「第2SKのカウンセリング」(信者に献金させるテクニック)ビデオ
がテレビ放映されました。これは、新潟の青春を返せ裁判で4月21日、裁判所がカ
ルチャーセンター新潟の内部を証拠保全として写真撮影したとき、持ち帰ったもの
でした。
 6月7日、統一協会から統一交渉拒否をFAX.で回答してきました。
 6月9日、全国弁連が東京で研究会を開き、河田、高山、葛原も参加しました。そ
こでは、福岡判決や、統一協会員に貸していたノンバンクに数億単位で焦げ付きが
出ていること、8月までに全国のビデオセンターを廃止する計画があること、台湾
でビデオセンターが活発になっていること、今後の対策などが話し合われました。

  その他の動き
4月24-25日、第5回裁判勝利をめざす全国交流集会(静岡)に参加しました。
5月11日、霊感商法の九州、沖縄の被害者38人が、統一協会とハッピーワールドを
相手に3,400万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こしました。
5月18日、Bさんの紹介で支援する会に2人入会し、会員は203人になりました。
5月30日、朝日新聞に同志社大学の謹告が掲載されました。ここで指摘された「同
志社大学新聞」は、統一協会(原理研)が正体を隠して発行するものです。その他
の大学にも、「北大学生新聞」「東北大学生新聞」「新大キャンパス」「筑波ジャ
ーナル」「埼大学生新聞」「千葉大学生新聞」「中央キャンパス」「立教学生新聞」
「早稲田学生新聞」「東大新報」「明治学生新聞」「日大学生新聞」「慶応キャン
パス」「明治学院学生新聞」「静岡大学新聞」「岐阜学生新聞」「名大ジャーナル」
「金沢学生新聞」「京大学生新聞」「大阪大学新聞」「神戸学生新聞」「鳥大学生
新聞」「岡大ジャーナル」「広島大学新聞」「山口大キャンパス」「九大学生新聞」
などの統一協会(原理研)が発行する新聞があります。
6月3日、事務局に集まった署名(知事宛69人分、議長宛69人分)を被害者父母の
会に発送しました。発送累計は、知事宛4,137人分、議長宛4,062人分です。
 ※10月、マインドコントロールの研究で高名なジンバルドー氏(スタンフォード大
学教授)の講演会が関西で計画されています。
 ※統一協会は、藤井会長から小山田秀生会長に交替しています。神山威が岡山に
来たという噂も。




 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃ 「青春を返せ裁判」を支援する会    会  報  1 9 9 4 年 9 月 ・ 第 1 0 号 ┃
 ┃                               「青春を返せ裁判」を支援する会事務局発行 ┃
 ┃                                  〒700 岡山市駅元町9-26 国民救援会内   ┃
 ┃                                086-254-2799 郵便振替「01260-9-33457」 ┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

    ┌─────────────────────┐
    │ 9月14日13:15~裁判傍聴を……………P.1  │
 ∧ │ 裁判でビデオ検証(6/22裁判)…………P.2  │
 も │ <資料1>新しいビデオセンター……P.3  │
 く │ 株式会社JA岡山との電話について…P.4  │
 じ │ <資料2>講演会と懇談の集い………P.5  │
 ∨ │ <資料3>会報52号(父母の会)…P.6  │
    │ <資料4>特別講演会のご案内………P.7  │
    │ <資料5>ニューヨークにおける統一協会の活動………P.12~8  │
    └─────────────────────┘


             9月14日13:15~裁判傍聴を
  7月18日夜、「青春を返せ裁判」を支援する会幹事会議がひらかれ、嘉松、高山
両代表ら7人が参加しました。
  高山牧師からは、岡大卒業生が脱会して岡大原理研の様子が聞き出せそうなこと、
島根の反原理ネットワークが活動して入ること、主婦の脱会も続いているが、統一
協会側の『監禁250日の証言』が出て、協会員の抵抗がものすごくなったこと、吉備
教会の隣の主婦が協会に通っていることが分かったことなど報告されました。
  嘉松、河田弁護士からは、交渉での統一協会の対応が少し変わってきたこと、裁
判所は背景を理解しようとせず「裁判にならない」などと言っていることなどが報
告されました。
  葛原事務局長からは、「青春を返せ裁判」の公正な審理と証拠採用を求める請願
署名の運動が提案され、今後検討することになりました。
  そして、次回の9月14日(水)午後1時15分からの「青春を返せ裁判」を多くの傍
聴者が見守ることが重要なので、周りの人を誘い合って傍聴することを申し合わせ
ました。

            裁判でビデオ検証(6/22裁判)
  6月22日午後3時から、岡山地裁で青春を返せ裁判がひらかれました。Aさんの
裁判(第18回)では、初めてのビデオテープの検証が行われました。このビデオは
1992年8月2日にTBSの「3時にあいましょう」で放映されたもので、統一協会
幹部の紅谷祐一(月刊誌ファミリー編集者)が出演しています。そのなかで紅谷は、
「万物復帰」は「神様に万物を返すための経済活動なんです」、霊感商法と統一協
会は「全く関係ないということはないと思う」と述べ、関係していることを認め、
「すべての責任をとっていこうと考えていますので…」とも述べています。そして、
原告側は3デイズセミナーの実態(その2)についての準備書面と、5月の福岡判
決を提出しました。
  つづいてB子さんの裁判(第5回)があり、B子さんが新生トレーニングの実態
について述べた陳述書を提出。弁護団は3デイズセミナーの実態(その1)につい
ての準備書面と福岡判決を提出しました。
  閉廷後、弁護士会館で懇談会がひらかれました。
  河田弁護士は、被害者は多く、ごく一部ではあるが150人以上が裁判を闘っている。
B子さんが提出した陳述書にはハンカチ売りの体験が書かれている。裁判所には、
彼女らの行動に統一協会が関わっているという認識がないようだが、今後強く迫っ
ていきたい。福岡判決後、統一協会に全国の事件の統一交渉を要求している等と述
べました。
  原告のAさんは、提訴して5年近くになるが、福岡地裁では被害者が勝訴し、運
動が前進している等と述べました。
  原告のB子さんは、順々に陳述書を書いているが、自分の加害者の面を告白する
のは辛い。しかし、だまされている兄弟たちを放ってはおけない、救われてほしい
と思いながら書いている等と述べました。
  そして、マインドコントロールの仕組み、戦前の天皇=神様の教育、若者の思考
力の低下、統一協会崩壊後の受け入れ態勢などについて話し合われました。
  最後に近藤弁護士が、統一協会後の受け入れ態勢を考えよう、皆さんの支えでこ
の裁判と統一協会被害をなくす活動を続けたいと述べて閉会しました。

                株式会社JA岡山との電話について
  統一協会岡山教会が「JA岡山(7F大ホール)」で小山田会長を講師に「講演
会と懇談の集い」を8月7日(10:30~3:00)に催すことについて2日、電話で次のよ
うな会話(概要)をしました。

<葛原>「伺ってお話ししたいことがあります。統一協会が使用するホールの管理者
  とその代表者の名前を教えてください」と伝えた。
<男性>「管理者は株式会社JA岡山です。そちらは統一協会とはどういう関係です
  か」
<葛原>「統一協会の反社会的実態を市民に知らせる会です」
<男性>「私どもは、使用料をいただいて、元の状態でホールを空けていただければ
  いいので、とやかく言われることはないと思います」
<葛原>「全国の会長が来て激励すれば、霊感商法や詐欺的勧誘が強まり、市民に被
  害が広まる可能性があります」
<男性>「最初はキリスト教だと言われていたので、統一協会かどうか分からなかっ
  たのです。今回は使用料ももらっていますので、断れません。その後、次回から
  の申し込みもありましたが、それは断っていますし、今後も断ります。」
<葛原>「伺ってこちらの見解をお話ししたいので、代表者と貴方のお名前を教えて
  ください」
<男性>「名前は言えません。統一協会のことは分かっていますので、お会いする必
  要はありません」
<葛原>「それでは、市民に被害を及ぼすことにつながる催しに会場を貸すことをキ
  ャンセルするようお願いしたいのでご検討ください」
<男性>「分かりました」

  その後、 JA岡山から電話があり、会話しました。
<男性>「検討しましたが、宣伝などの準備もしているでしょうし、断ると賠償問題
  にもなるので、今回だけはやらせてください。次回からは断ります」
<葛原>「最初はどうして分からなかったのですか」
<男性>「7月15日に申し込みがあったんですが、小さい声で言われるし、何回聞
  いても『キリスト教』だけしか聞き取れなかったんです。次の日には他の職員か
  ら『あれじゃあないか』と言われたんですが」
<葛原>「会場はどれくらいでしょうか」
<男性>「500人は入れますが、100人くらいの参加と聞いています」


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