国連人権委員会第54会期(1998年)会合
東ティモールに関する議長声明
人権委員会は
1.東ティモールの人権状況について討議した。
2.東ティモールにおける人権侵害に関する報告を深い懸念をもって引き続きフォローする。
3.東ティモールにおける人権の促進のためにインドネシア政府によって取られた措置、及び本件に関し過去の議長声明に含まれていた措置を想起する。また、拘禁若しくは有罪判決を受けた東ティモール人を早期に裁判に付し釈放するための具体的な措置を含む上記の措置の履行、及び拘留中の囚人の人道的な処遇の必要性を強調する。1991年のディリ事件に関する状況を更に調査する必要性を再度表明する。
4.技術協力に関するインドネシア政府と人権高等弁務官事務所とのMOU(了解覚書)締結に向けての進展、及び技術協力プログラム実施のためのプログラム・オフィサーの早期赴任についての合意を歓迎する。この関連で、技術協力の枠組みの下、プログラム・オフィサーの東ティモールへのアクセスに関するインドネシア政府・人権高等弁務官事務所間の了解に留意する。
5.インドネシア国内人権委員会による人権の促進・擁護及び人権侵害の事実調査実施のための努力を、在ディリ同委員会事務所を通じるものを含め、歓迎する。国際メディア、国際人道団体の東ティモールへの一層拡大されたアクセスを引き続き許可するとのインドネシア政府の約束に留意する。
6.人権委員会、及びそのメカニズムと引き続き協力するとのインドネシア政府の意図、特に第55回人権委の前に恣意的拘禁WG(作業部会)を東ティモールに招待するとの同政府の決定を歓迎する。
7.1998年に人権に関する国内行動計画に着手するとのインドネシア政府の決定、及びこの関連で拷問禁止条約を批准するとの同政府の意図を関心をもって留意する。
8.東ティモール問題の公正、包括的かつ国際的に受け入れ可能な解決を達成するため、国連事務総長の仲介の下行われている協議を歓迎する。この関連で、同問題解決に向けて更に進展するための望ましい環境促進のための建設的な行動をとる必要性を強調する。事務総長の報告書、同個人代表の仕事、就中、高級事務レベルにおける定期的な対話の確立、及び全東ティモール人包括対話の継続について歓迎する。
9.事務総長に対し、東ティモールの人権状況につき報告するよう要請し、第55回人権委において本件を審議する。