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簡単に出来るPC電源の強化法を紹介します。
回路の結線は図の通りです。
追加電源としてコーセルの12V・150WのP150を
使用して12V系のみ強化するものです。
私の経験では、多くのPC電源が12Vの負荷が大きくなると
信号系の5Vや3.3Vが不安定になるようなので、PC電源
から12Vを取らなければ良い、ということで考えたものです。
電源の容量や安定性が気になる、というのは殆どの場合、12V
の電流の取過ぎです。
また、CPUの2Vはオンボードのレギュレータを使用していま
すので、PC電源を強化してもまず改善されません。
事実、この強化策を採用して高速SCSIのHDDを9台使用
していますが、なにも問題は発生していません。
原理は簡単です。起動時はPC電源のみが動作します。12V
が立ち上がるとリレーが動作して追加電源が起動します。
二つの電源の出力はショットキダイオードで合成されていて、
PC電源より追加電源の方が若干出力電圧を高めに設定しておく
と十数ミリ秒の後れで追加電源だけからHDD等に供給されます。
私のPC電源は無負荷時12.2Vだったので追加電源の方は
12.8Vに設定しました。
スイッチング電源の廉価版は5000円程度で購入できますが
そのような電源は出力電圧が固定で使い難いので、ある程度
高級な出力電圧の微調が出来るものを選びます。
ダイオードは30A級のショットキダイオードで2素子のものなら
なんでも使えます。消費電力は最大で5W程度なので追加電源の
シャーシを間借りする程度の放熱で良いでしょう。
リレーは2個使います。一つは追加電源のON−OFF用で、突入
電流に耐えないといけないので、大きいものを選びます。
オムロンのG4Fが適当です。
もう一つは電源遮断の時、追加電源の出力コンデンサのチャージを
速やかに放電させるもので、5A以上の定格ならば何でも使えます。
この回路では、シャーシにネジ止めの出来る形状のものを選んでい
ます。このリレーはファストン端子が使えるので組み立ても容易です。
抵抗は値、ワッテージに違いが無ければ、セメント抵抗でも酸化
金属皮膜でも、構造は問いません。