皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)とライエルlyell(又はライ)症候群について

解熱鎮痛剤やカゼ薬に配合されている解熱鎮痛薬の副作用として、きわめてまれではありますが重大な副作用がありますので注意を喚起することになりました。

 カゼ薬などをのんで急な高熱を伴う発疹、発赤が現れたら、薬をのむのをやめて、すぐそのくすりの説明書をもって皮膚科専門医の診療を受けて下さい。


副作用名
症状(今日の診療(医学書院)より)
スティーブンス・ジョンソン症候群口腔内の広範囲なびらん、眼瞼びらん、外陰部のびらんを伴い、全身に滲出性紅斑が多発する。それらが全身で融合し、炎症部位が高度の際には水疱を伴う。発熱もある。

ライエルlyell症候群
(ライlyell症候群)
眼瞼、口腔、外陰部の発赤があり、続いて発熱とともに、全身が潮紅、時には風疹・麻疹様皮疹が発生する。
 数日以内に、全身諸々部位に表皮剥離が始まる。ニコルスキー現象陽性。すなわち、水疱があると思えない潮紅部をこすると、表皮がずるりと剥離するのが特徴である。

スティーブンス・ジョンソン症候群は人口100万人に対して1〜6人/年。ライエル(ライ)症候群は100万人に対して0.4〜1.2人/年程度。(交通事故の死者は人口1万人に対して1人程度)
これらの副作用は普通に服用する解熱鎮痛剤にはすべて起こる可能性があります。

現在では、副作用の発生は予測しがたいものですのですので、普段から注意深く観察をして、何か異常があったら、医師、薬剤師に相談してください。また、解熱鎮痛薬以外の薬物も起こすものが知られており、個々の薬物については、医師、薬剤師に聞いてください。


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