WWFヘビー級、UWA世界ヘビー級選手権

WWFヘビー級選手権

 ブルーノ・サンマルチノ、ペドロ・モラレス、ボブ・バックランド、ハルク・ホーガン、リック・フレアーらが巻いたアメリカのメジャータイトルを猪木も獲得している。
 NWAとはまったく縁のなかった新日本だが、WWFとは業務提携し、王者バックランドが来日、猪木と名勝負を展開した。4度目の挑戦で遂にWWFヘビーのベルトを巻いた猪木だったが、リターンマッチはノーコンテストに終わり、防衛は果たしたものの内容を不服として王座を返上した。
 猪木は一瞬のこととはいえ、日本人として史上初、第9代王者になっており、馬場のNWA獲得と並ぶ快挙であるが、WWF(現:WWE)の公式記録には残っていない。


1978年(昭和53年) 6月 1日 日本武道館 *NWFとの両選手権 王座移動なし
 アントニオ猪木(1−0)ボブ・バックランド
  1.猪木(40分8秒 リングアウト)バックランド
  2.時間切れ引き分け
1978年(昭和53年) 7月27日 日本武道館 *王座移動なし
 アントニオ猪木(1−1)ボブ・バックランド
  1.猪木(20分22秒 卍固め)バックランド
  2.バックランド(16分15秒 体固め)猪木
  3.時間切れ引き分け
1978年(昭和53年)12月14日 大阪府立体育会館 *王座移動なし
 アントニオ猪木(21分12秒 リングアウト)ボブ・バックランド
1979年(昭和54年)11月30日 徳島市立体育館 *第9代王者に
 アントニオ猪木(28分16秒 体固め)ボブ・バックランド
1979年(昭和54年)12月 6日 蔵前国技館 *初防衛も王座返上
 アントニオ猪木(27分19秒 ノーコンテスト)ボブ・バックランド
UWA世界ヘビー級選手権

 メキシコのメジャー団体であるUWAも新日本と友好関係にあった。エル・カネックやドス・カラスといったメキシコのヘビー級トップが巻いたベルトだが、新日のルートからメキシコに渡ったタイガー・ジェット・シンがカネックを破り、第3代の王者に就き、そのまま猪木との抗争に持ち込まれ、シンを破った猪木が弟4代王者となった。これで猪木はNWFヘビー級、WWF格闘技世界ヘビー級と合わせ、シングル三冠を手にした。リターン・マッチは反則暴走でシンに破れ、そのシンもカネックに王座を奪回され、ベルトはメキシコに戻った。
 後に、メキシコ遠征した長州力が王者となったが、凱旋帰国直前に王座転落。ベルトを手に帰国することを熱望していた長州は王座を失ったことをマスコミに話せず、その負い目が藤波に対する「俺はお前の噛ませ犬じゃない」発言につながったといわれる。


1980年(昭和55年) 4月13日 メキシコ・メキシコシティ エル・トレオ・クアトロ・カミノス *第4代王者に
 アントニオ猪木(2−1)タイガー・ジェット・シン
  1.シン(12分33秒 首4の字固め)猪木
  2.猪木(5分43秒 卍固め)シン
  3.猪木(4分0秒 反則)シン
1980年(昭和55年) 7月17日 蔵前国技館 *初防衛
 アントニオ猪木(12分2秒 体固め)タイガー・ジェット・シン
1980年(昭和55年)10月24日 沖縄・奥武山体育館 *王座転落
 タイガー・ジェット・シン(11分46秒 反則)アントニオ猪木