カメラの被写界深度の比較 [2004年8月]

コンパクト・デジタル・カメラで花の写真を撮ろうとすると、フィルム・カメラより背景が、ぼけ難いのに驚きます。
そこで、各カメラの被写界深度を計算してみました。
[付録:デジタル・カメラの焦点距離と絞り値を35mmフィルム・カメラへ換算する][参考資料][図]

[注1]
2005年9月:数式を減らして読みやすくしたページを作成しました。
[注2]
実際的現実的な許容錯乱円径許容錯乱円径用の定数 は、人の目の分解能(プリントに必要な解像度)、レンズの解像度、フィルムやCCD・CMOS画面の解像度、印画紙やプリント(プリンター)の解像度、(液晶)モニター画面の表示画素数(解像度、ドット、pixels)と画素密度(1/画素ピッチ、pixels per inch)、等などを考慮する必要があります。が、ここでは、「人の目の分解能(プリントに必要な解像度)」のみを考慮に入れています。被写界深度の計算や比較を簡単にするために、残りの「レンズの解像度、フィルムやCCD・CMOS画面の解像度、印画紙やプリント(プリンター)の解像度、(液晶)モニター画面の表示画素数(解像度、ドット、pixels)と画素密度(1/画素ピッチ、pixels per inch)」は全て、非常に高く理想的であると仮定しています。 (2005年1月:追記)
[注3]
2005年4月:このページのレイアウト方法を table タグから CSS へ変更しました。
[注4]
2008年11月:2008年11月追加の[参考資料]を見て、「許容錯乱円径の計算手順」、「プリントの観察距離の計算式」などの項目を削除することにしました。

目次

1。各カメラに共通な計算用の条件

画角 (画面対角線画角)
= 46.793度 (35mmフィルム・カメラで焦点距離50mmのレンズを使ったときの画角)
レンズの絞り
= 2.8
被写体距離
= 1m = 1000mm
許容錯乱円径用の定数
= 1300
[注1]
被写界深度と許容錯乱円の

2。35mmフィルム・カメラの被写界深度

35mmフィルムの大きさ
= 36mm×24mm
レンズの焦点距離
= √(362+242)/(2×tan(46.793/2))
= 50.000mm
許容錯乱円径
= √(362+242)/1300
= 0.033282mm
このときの、被写界深度
= (0.033282×2.8×10002)/(502+0.033282×2.8×1000)+(0.033282×2.8×10002)/(502−0.033282×2.8×1000)
= 74.7mm

3。APSフィルム・カメラ(Hタイプ画面の場合)の被写界深度

APSフィルム(Hタイプ画面)の大きさ
= 30.2mm×16.7mm
レンズの焦点距離
= √(30.22+16.72)/(2×tan(46.793/2))
= 39.880mm
許容錯乱円径
= √(30.22+16.72)/1300
= 0.026546mm
このときの、被写界深度
=(0.026546×2.8×10002)/(39.882+0.026546×2.8×1000)+(0.026546×2.8×10002)/(39.882−0.026546×2.8×1000)
= 93.7mm
これは35mmフィルム・カメラの、絞り値 = 3.51 (画角 = 46.793度、レンズの焦点距離 = 50mm) の時の被写界深度に相当します。絞り値2.8と絞り値3.51の差は約0.5段です。

4。1/2型CCDコンパクト・デジタル・カメラの被写界深度

1/2型CCD画面の大きさ
= 6.4mm×4.8mm
レンズの焦点距離
= √(6.42+4.82)/(2×tan(46.793/2))
= 9.2450mm
許容錯乱円径
= √(6.42+4.82)/1300
= 0.0061538mm
このときの、被写界深度
= (0.0061538×2.8×10002)/(9.2452+0.0061538×2.8×1000)+(0.0061538×2.8×10002)/(9.2452−0.0061538×2.8×1000)
= 420mm
これは35mmフィルム・カメラの、絞り値 = 15.1 (画角 = 46.793度、レンズの焦点距離 = 50mm) の時の被写界深度に相当します。絞り値2.8と絞り値15.1では約5段の差があるので、背景がぼけ難いのかな。
[注1]
このCCDを用いた撮像管の大きさは1/2インチらしいです。CCDの大きさが1/2インチというわけではないようです。
[注2]
同じ1/2型CCDでも、CCDメーカーが違うと、CCDの大きさが若干異なることがあるらしいです。

5。まとめ

各カメラの
    画角 = 46.793度
    レンズの絞り値 = 2.8
    被写体距離 = 1m
    許容錯乱円径用の定数 = 1300
の場合の被写界深度を下の表にまとめてみました。

各カメラの被写界深度の計算結果
カメラの種類フィルムやCCD画面の大きさレンズの焦点距離許容錯乱円径被写界深度
35mmフィルム・カメラ36mm×24mm50.000 mm0.033282 mm74.7 mm
APSフィルム・カメラ(Hタイプ画面の場合)30.2mm×16.7mm39.880 mm0.026546 mm93.7 mm
1/2型CCDコンパクト・デジタル・カメラ6.4mm×4.8mm9.2450 mm0.0061538 mm420 mm

6。[主な計算式]

被写界深度
= 前方被写界深度+後方被写界深度
前方被写界深度
= 許容錯乱円径×絞り値×被写体距離2/(焦点距離2+許容錯乱円径×絞り値×被写体距離)
後方被写界深度
= 許容錯乱円径×絞り値×被写体距離2/(焦点距離2−許容錯乱円径×絞り値×被写体距離)
焦点距離
= フィルムやCCD・CMOS画面の対角線長さ/(2×tan(画角/2))
許容錯乱円径
= フィルムやCCD・CMOS画面の対角線長さ/許容錯乱円径用の定数
[注1]
フィルムやCCD・CMOS画面の対角線長さ = √(フィルムやCCD・CMOS画面の横の長さ2+フィルムやCCD・CMOS画面の縦の長さ2
[注2]
前方被写界深度と後方被写界深度の計算式は、近似式です。
[注3]
電卓ですこしずつ計算するより、有効数字の桁数が多い表計算ソフトでまとめて計算する方が、計算誤差は少ないようです。
[注4]
レンズに収差は無く、フィルムの粒子は非常に細かく、CCD・CMOS画面の素子数は非常に大きい等、理想的なカメラであると仮定しています。(許容錯乱円の大きさ >> フィルムの粒子やCCD・CMOS画面の画素の大きさ)
[注5]
被写体距離 >> レンズ焦点距離 等などの条件(マクロ・レンズ領域では成立しないそうです)のもとで、上の計算式は成立するようです。等などの条件が難解なので、実際の撮影ではファインダー上のプレ・ビューで被写界深度を確認することになりそうです。
[注6]
印画紙の粒子は非常に細かく、プリンターの解像度は非常に高い等、理想的なプリントであると仮定しています。

7。[脚注]

7.1。被写界深度

ピントが合ったように見える被写体の前後の範囲。 (図)

7.2。前方被写界深度

被写体からカメラ寄りのピントが合ったように見える範囲

7.3。後方被写界深度

被写体から無限遠寄りのピントが合ったように見える範囲

7.4。被写体距離

レンズから被写体までの距離

7.5。焦点距離

レンズからフィルムやCCD・CMOS画面までの距離

7.6。錯乱円

被写体にピントを合わせたとき、ピント位置にある「点」は、フィルムやCCD/CMOS画面上でも「点」に写ります。しかし、ピント位置以外の場所にある「点」は、フィルムやCCD/CMOS画面上ではボケて「円」に写ります。この「円」を錯乱円といいます。錯乱円の大きさが許容錯乱円径以下となる被写体距離の範囲が、被写界深度です。許容錯乱円径が小さい場合には、プリント(例えば、四つ切り)時に錯乱円が引き伸ばされて出来たボケの大きさも小さくなり、被写体が被写界深度内にある場合には、この被写体は人の目にはピントが合ったように見えます。(ところで、被写体距離を一定に(被写体とレンズの位置を固定)してフィルムやCCD/CMOS画面を前後に移動した場合に、錯乱円の大きさが許容錯乱円径以下となる焦点距離の範囲は、焦点深度といいます。)

7.7。許容錯乱円径

カメラの場合、フィルムやCCD・CMOS画面の対角線長さの、1/K (K = 1000〜1500 = 許容錯乱円径用の定数 )とします。許容錯乱円径用の定数 (K)が等しい場合には、引き伸ばして同じ大きさにプリント(例えば、四つ切り)したときの(錯乱円を引き伸ばして出来た)ボケの大きさが(フィルムやCCD・CMOS画面の大きさには関係なく)同じになります。また、印画紙の粒子は非常に細かく、プリンターの解像度は非常に高い等、理想的なプリントであると仮定しています。(2008年11月:追加    昔はフィルムの分解能などから、許容錯乱円径を決めたようです。詳しくは、参考資料をご覧下さい。) (図)

7.8。画角

フィルムやCCD・CMOS画面へ写し込むことができる被写体の範囲を角度で表したもの。画面対角線画角の場合は、フィルムやCCD・CMOS画面の対角線長さを基準にして画角を計算します。

7.8.1。画面の縦横の長さの比

画面の縦横の長さの比は、35mmフィルム=2:3、APSフィルム(Hタイプ画面)=約9:16、コンパクト・デジタル・カメラのCCD画面=主に3:4、1眼レフ・デジタル・カメラのCCD・CMOS画面=主に2:3です。縦横の長さの比が異なる場合には、たとえ画角の値が同じでも、写し込むことができる被写体の範囲は、正確には一致しません。また、フィルムやCCD・CMOS画面のどの部分(対角線長さ、横の長さ、縦の長さ)を基準にするのかによって、画角の値や焦点距離の換算比の値が変化します。

7.9。絞り

フィルムやCCD・CMOS画面に入射する光束を調節するための穴。絞り値が大きいほど、穴径は小さくなり、光束は少なくなり、フィルムやCCD・CMOS画面の照度は小さくなります。

7.10。相似性の条件

まず、被写界深度の計算式が成立するための条件、を満たす必要があります。この条件は、素人には分かり難いです。そのうえ、各カメラの写真像を相似にするためには、フィルムやCCD・CMOS画面がより小さくなる時は、レンズの収差をより小さくしたり、等する必要があるらしいです。各カメラの写真像が相似である場合には、引き伸ばして同じ大きさ(例えば、四つ切り)にしたときのプリント像が(フィルムやCCD・CMOS画面の大きさには関係なく)等しくなります。詳しくは、参考資料をご覧下さい。

8。[付録:デジタル・カメラの焦点距離と絞り値を35mmフィルム・カメラへ換算する]

上では、各カメラの画角(画面対角線画角)が等しい場合の、被写界深度の比較であることを強調するために、画角から焦点距離を計算しました。しかし、各カメラの画角が等しい場合には、次の換算式で焦点距離と絞り値は計算できます。
被写体距離 >> レンズ焦点距離 等などの条件(マクロ・レンズ領域では成立しないそうです)のもとで、下の換算式は成立するようです。等などの条件が難解なので、実際の撮影ではファインダー上のプレ・ビューで被写界深度を確認することになりそうです。]

8.1。レンズの焦点距離の換算式

F35 = Fy × 焦点距離の換算比
F35:35mmフィルム・カメラのレンズの焦点距離
Fy:デジタル・カメラまたはAPSフィルム・カメラのレンズの焦点距離
F35、Fy:各カメラの画角が同じになるレンズの焦点距離

8.2。レンズの絞り値の換算式

A35 = Ay × 焦点距離の換算比
A35:35mmフィルム・カメラのレンズの絞り値
Ay:デジタル・カメラまたはAPSフィルム・カメラのレンズの絞り値
A35、Ay:各カメラの画角と被写体距離と許容錯乱円径用の定数 が等しい場合に被写界深度が同じになる、レンズの絞り値

8.3。「焦点距離の換算比」の計算式

「焦点距離の換算比」がメーカーのカタログに載っていない場合は、下記のロ.またはハ.を使って計算します。

イ。「焦点距離の換算比」のカタログ記載例

例)ある1眼レフ・デジタル・カメラの場合
「有効撮影(実撮影)画角は、レンズ表記焦点距離の2倍に相当」と、カメラのカタログに記載してある場合は、焦点距離の換算比 = 2 となります。

ロ。焦点距離の換算比 = D35/Dy

D35:35mmフィルム・カメラのフィルムの対角線長さ
Dy:デジタル・カメラのCCD・CMOS画面またはAPSフィルムの対角線長さ

例)1/2型CCDコンパクト・デジタル・カメラの場合
35mmフィルムの大きさ=36mm×24mm
1/2型CCD画面の大きさ=6.4mm×4.8mm
なので、
焦点距離の換算比 = √(362+242)/√(6.42+4.82) = 5.4083
となります。
例)2/3型CCDコンパクト・デジタル・カメラの場合
35mmフィルムの大きさ = 36mm×24mm
2/3型CCD画面の大きさ = 8.8mm×6.6mm
なので、
焦点距離の換算比 = √(362+242)/√(8.82+6.62) = 3.9333
となります。
例)APSフィルム(Hタイプ画面)・カメラの場合
35mmフィルムの大きさ = 36mm×24mm
APSフィルム(Hタイプ画面)の大きさ = 30.2mm×16.7mm
なので、
焦点距離の換算比 = √(362+242)/√(30.22+16.72) = 1.25375
となります。

ハ。焦点距離の換算比 = F35/Fy

F35:35mmフィルム・カメラのレンズの焦点距離
Fy:デジタル・カメラまたはAPSフィルム・カメラのレンズの焦点距離
F35、Fy:各カメラの画角が同じになるレンズの焦点距離

例)あるコンパクト・デジタル・カメラの場合
「焦点距離7.1〜35.5mm (38〜190mm、35mmカメラ換算)」と、カメラ(または、レンズ)のカタログに記載してある場合は、焦点距離の換算比 = 190/35.5 = 5.3521 となります。(カタログ記載のデータは、望遠側の方が有効数字の桁数が多そうなので、望遠側のデータを使いました。)

8.4。画角と被写界深度と露出(EV)値が等しくなる組み合わせの例

各カメラの被写体距離と許容錯乱円径用の定数 が同じ場合に、各カメラの画角と被写界深度と露出(EV)値が等しくなる組み合わせの一例。
被写体距離 >> レンズ焦点距離 等などの条件(マクロ・レンズ領域では成立しないそうです)のもとで、下の表は成立するようです。等などの条件が難解なので、実際の撮影ではファインダー上のプレ・ビューで被写界深度を確認することになりそうです。]

例)
[追記 2004年12月:フィルム・撮像感度が ISO800 等の例を追加しました。]
[追記 2005年3月:1/2型CCDコンパクト・デジタル・カメラ へ ISO400 の例を追加しました。]
各カメラの画角と被写界深度と露出値が等しくなる組み合わせの一例
カメラの種類焦点距離の換算比レンズの焦点距離レンズの絞り値シャッター速度フィルム・撮像感度許容錯乱円径
35mmフィルム・カメラ150 (mm)16
[±0段]
1/15 (秒)100 (ISO)0.0333 (mm)
1/30 (秒)200 (ISO)
1/60 (秒)400 (ISO)
1/120 (秒)800 (ISO)
1/240 (秒)1600 (ISO)
APSフィルム(Hタイプ画面)・カメラ1.2537539.880 (mm)12.76
[0.65段]
1/24 (秒)100 (ISO)0.027 (mm)
あるAPS(C)型CCD1眼レフ・デジタル・カメラ1.533.333 (mm)10.7
[1.2段]
1/34 (秒)100 (ISO)0.022 (mm)
1/68 (秒)200 (ISO)
1/136 (秒)400 (ISO)
1/272 (秒)800 (ISO)
ある4/3型CCD1眼レフ・デジタル・カメラ225 (mm)8
[2段]
1/60 (秒)100 (ISO)0.017 (mm)
1/120 (秒)200 (ISO)
2/3型CCDコンパクト・デジタル・カメラ3.933312.712 (mm)4.068
[4.0段]
1/232 (秒)100 (ISO)0.0085 (mm)
1/116 (秒)50 (ISO)
あるコンパクト・デジタル・カメラ5.35219.3421 (mm)2.99
[4.8段]
1/430 (秒)100 (ISO)0.0062 (mm)
1/2型CCDコンパクト・デジタル・カメラ5.40839.2450 (mm)2.96
[4.9段]
1/439 (秒)100 (ISO)0.0062 (mm)
1/220 (秒)50 (ISO)
1/1755 (秒)400 (ISO)

絞り値の段差は、35mmフィルム・カメラのレンズの絞り値を基準に計算しました。
許容錯乱円径は、各カメラの許容錯乱円径用の定数 =1300 の場合の値を計算しました。

[注1] 上の表の絞り値の段差の計算式
絞り値の段差 = 2×log2焦点距離の換算比=2×loge焦点距離の換算比/loge2
絞り値の段差:各カメラの画角と被写体距離と許容錯乱円径用の定数 と被写界深度が等しい場合の、絞り値の段差。(デジタル・カメラまたはAPSフィルム・カメラのレンズの絞り値と、35mmフィルム・カメラのレンズの絞り値、との段差。)
[注2] 上の表のシャッター速度の換算式
Sy = S35/(焦点距離の換算比×焦点距離の換算比)
S35:35mmフィルム・カメラのシャッター速度
Sy:デジタル・カメラまたはAPSフィルム・カメラのシャッター速度
S35、Sy:各カメラの画角と被写体距離と許容錯乱円径用の定数 と被写界深度とフィルム・撮像感度(ISO)が等しい場合に、各カメラの露出(EV)値が同じになるシャッター速度
[注3] 上の表の許容錯乱円径の換算式
Cy = C35/焦点距離の換算比
C35:35mmフィルム・カメラの許容錯乱円径
Cy:デジタル・カメラまたはAPSフィルム・カメラの許容錯乱円径
C35、Cy:各カメラの許容錯乱円径用の定数 が等しい場合に、引き伸ばして同じ大きさにプリントしたときに、各カメラの許容錯乱円が引き伸ばされて出来たボケの大きさが、同じになる許容錯乱円径。
[注4] 上の表は、35mmフィルム・カメラ (フィルム・撮像感度 = 100 ISO) を基準にすると簡単に計算できます。
例)1/2型CCDコンパクト・デジタル・カメラの場合 (フィルム・撮像感度 = 100 ISO)
レンズの焦点距離 = 50/(5.4083) = 9.2450 (mm)
レンズの絞り値 = 16/(5.4083) = 2.96
35mmフィルム・カメラの絞り値との段差 = 2×loge5.4083/loge2 = 4.9 (段)
シャッター速度 = (1/15)/(5.4083×5.4083) = 1/439 (秒)
許容錯乱円径 = 0.0333/5.4083 = 0.0062 (mm)
(上の計算結果から、35mmフィルム・カメラの絞り値を4.9段開いた値が、1/2型CCDコンパクト・デジタル・カメラの絞り値となります。)
[注5] フィルム・撮像感度が、100 ISO 以外の場合のシャッター速度の換算式
50 ISOの場合のシャッター速度 = (100 ISOの場合のシャッター速度)×2
200 ISOの場合のシャッター速度 = (100 ISOの場合のシャッター速度)/2
400 ISOの場合のシャッター速度 = (100 ISOの場合のシャッター速度)/4
800 ISOの場合のシャッター速度 = (100 ISOの場合のシャッター速度)/8
1600 ISOの場合のシャッター速度 = (100 ISOの場合のシャッター速度)/16
[参考1] 露出(EV)値の計算式
被写体輝度が大きいほど、露出(EV)値は大きくなります。
露出(EV)値 = log2(絞り値×絞り値/(シャッター速度×フィルム・撮像感度/100))
[参考2] ある絞り値A1と、ある絞り値A2の段差の計算式
絞り値の段差 = 2×log2(A1/A2) = 2×loge(A1/A2)/loge2
[参考3] あるシャッター速度(またはフィルム・撮像感度)G1と、あるシャッター速度(またはフィルム・撮像感度)G2の段差の計算式
シャッター速度(またはフィルム・撮像感度)の段差 = log2(G1/G2) = loge(G1/G2)/loge2

9。[参考資料]  (・は書籍、*はウェブサイトです。)

  [2004年12月:**印のウェブサイトを追加、2005年1月:***印のウェブサイトを追加、2005年8月:・・印の書籍を追加、2005年10月:****印のウェブサイトを追加、2007年4月:*****印のウェブサイトを追加、2008年11月:・・・印の書籍を追加]
参考資料のリスト
出版社名など書名、ページ名
****海野和男のデジタル昆虫記デジカメ自然観察  12  13  14  16  [数式を使わずに、楽しく説明してあります
*****WikipediaDepth of field英文ですが、とても詳しい解説があります
*****WikipediaCircle of confusion英文ですが、とても詳しい解説があります
Norman Koren photographyDepth of field and diffraction英文ですが、とても詳しい解説があります
岩波書店デジカメ自然観察のすすめ (海野和男著)
共立出版写真の科学 (田中益男著)
・ダヴィッド社写真技術ハンドブック (脇リギオ著)
写真工業出版社誰も書かなかったライカ物語 (近藤英樹著)
CQ出版社CCD/CMOSイメージ・センサの基礎と応用 (米本和也著)
新技術コミュニケーションズ第3・光の鉛筆 [35.写真像の相似性] (鶴田匡夫著)
東京大学出版会色彩学概説 [視角の求め方 の図] (千々岩英彰著)
*モーターマガジン社よくわかるデジカメ講座 (銀塩とデジタルの被写界深度の違いとは?)(比較写真)
大阪大学大学院 佐藤(宏)研究室計測情報処理論 [4.フォーカシングとデフォーカス] (日浦慎作 講義資料)
The Luminous LandscapeUnderstanding Depth Of Field
*富士写真光機(フジノン)CCTV レンズ 技術解説 http://www.fujinon.co.jp/jp/products/cctv/kaisetsu.htm
フジカラーイメージングサービスAPS詳細データ http://www.fujicolor.co.jp/product/aps02.html
*富士写真フイルムFUJIFILM:プリントサイズ表 http://www.fujifilm.co.jp/printsize/index.html
*キヤノンキヤノン:EFレンズ辞典 http://cweb.canon.jp/camera/ef/description/dictionary/a/index.html
*タムロンTAMRON サポート情報 (各機種被写界深度表) http://www.tamron.co.jp/support/support/index.html
*カメラ映像機器工業会デジタルカメラの感度規定
**ペンタックス*ist D 使用説明書 http://www.pentax.co.jp/japan/support/download_manual.html
***月刊デジカメ作品 (第4号)Depth of Field 被写界深度 (「fCalc の使用法」より)  [錯乱円について]
***タムロンA061のデビュー[従来の35mmフィルムカメラの最小錯乱円] http://www.tamron.co.jp/lineup/a061/story02.html
・・日本カメラ社写真用語事典 改訂版 [許容ぼけ (写真を見る距離)] (上野、佐伯、等々力、佐藤、高石、藤田 著
・・オーム社電気工学ポケットブック コンパクト版 [視標の輝度対比と視力の図] (電気学会編)
****Carl ZeissCamera Lens News No. 1 "Depth of field" (CLN1.pdf) [許容錯乱円径用の定数 について]
http://www.zeiss.de/de/photo/home_e.nsf/1e142195de4e09fac12566fe003b2618/71e8dd8f96a9cf14c125697700546f2f/$FILE/CLN1.pdf
・・・光人社ライカ物語 [プリントの観察距離、標準レンズの焦点距離、フィルムの大きさ] (エーミール・G・ケラー著)

10。[図:被写界深度と許容錯乱円]

被写界深度と許容錯乱円の図。

11。[おまけ:35mmフィルム・カメラ用レンズの被写界深度目盛を使う] (2004年12月:追記)

各カメラのレンズの焦点距離が同じ場合に、被写界深度が等しくなる絞り値は、次の換算式で計算できます。ただし、各カメラのフィルムやCCD・CMOS画面の大きさが等しくない場合には、各カメラの画角が同じにはなりません。被写界深度目盛(表)が付いている、1眼レフ・35mmフィルム・カメラ用レンズなどで使います。
[被写体距離 >> レンズ焦点距離 等などの条件(マクロ・レンズ領域では成立しないそうです)のもとで、下の換算式は成立するようです。等などの条件が難解なので、実際の撮影ではファインダー上のプレ・ビューで被写界深度を確認することになりそうです。]

イ。レンズの焦点距離が同じ場合に、被写界深度が等しくなる絞り値の換算式

B35 = By/焦点距離の換算比
B35:35mmフィルム・カメラのレンズの絞り値
By:デジタル・カメラまたはAPSフィルム・カメラのレンズの絞り値
B35、By:各カメラの被写体距離とレンズの焦点距離と許容錯乱円径用の定数 が等しい場合に被写界深度が同じになる、レンズの絞り値。(各カメラのフィルムやCCD・CMOS画面の大きさが等しくない場合には、画角が同じにはなりません。)

ロ。各カメラの被写界深度が等しくなる組み合わせの例

例)各カメラの被写体距離と許容錯乱円径用の定数 が同じ場合に、被写界深度が等しくなる組み合わせ
カメラの種類焦点距離の換算比レンズの焦点距離画角レンズの絞り値許容錯乱円径
35mmフィルム・カメラ150 (mm)46.8 (度)8
[±0段]
0.0333 (mm)
あるAPS(C)型CCD1眼レフ・デジタル・カメラ1.550 (mm)32.2 (度)12
[+1.2段]
0.022 (mm)
33.333 (mm)46.8 (度)5.333
[-1.2段]
ある4/3型CCD1眼レフ・デジタル・カメラ250 (mm)24.4 (度)16
[+2段]
0.017 (mm)
25 (mm)46.8 (度)4
[-2段]

上の計算結果から、「あるAPS(C)型CCD1眼レフ・デジタル・カメラの絞り値=12 の被写界深度」を知りたい場合には、同じ焦点距離のレンズの「35mmフィルム・カメラの絞り値=8 (=12/1.5) の被写界深度目盛」を読めばよいことになります。同様に、「ある4/3型CCD1眼レフ・デジタル・カメラの絞り値=16 の被写界深度」を知りたい場合には、同じ焦点距離のレンズの「35mmフィルム・カメラの絞り値=8 (=16/2) の被写界深度目盛」を読めばよいことになります。

[注1]
絞り値の段差は、35mmフィルム・カメラのレンズの絞り値を基準に計算しました。
[注2]
許容錯乱円径は、各カメラの許容錯乱円径用の定数 =1300 の場合の値を計算しました。
[注3]
レンズ、フィルム・撮像素子、カメラ、プリントは理想的であると仮定しています。
[注4]
各カメラの画角が等しくない場合には、フィルムやCCD・CMOS画面へ写し込むことができる被写体の範囲も等しくならないので、各カメラの写真像は相似形にはなりません。各カメラの写真像が相似にならない場合には、引き伸ばして同じ大きさ(例えば、四つ切り)にしたときのプリント像は等しくなりません。
[注5]
各カメラの画角が等しい場合の換算式は、[付録:デジタル・カメラの焦点距離と絞り値を35mmフィルム・カメラへ換算する] を使いました。
[参考]
35mmフィルム・カメラの、レンズの焦点距離=75mm の時の画角は、32.2度です。また、35mmフィルム・カメラの、レンズの焦点距離=100mm の時の画角は、24.4度です。画角=2×tan-1(フィルムやCCD・CMOS画面の対角線長さ/(2×焦点距離)) を使って計算しました。