早瀬優香子

 児童劇団に入っていた早瀬優香子さんは、子役として「俺はあばれはっちゃく」などに出演、その後NHK「新宿物語(84年)」や原田知世主演の映画「早春物語(85年)」にも出演し、86年に当時おニャン子ブームの仕掛け人として一世風靡していた秋元康の監修のもとアルバム「躁鬱 SO-UTSU」シングル「サルトルで眠れない」でセンセーショナルなデビューを飾り歌手としても活動をはじめました。
 ベベが好きという優香子嬢はジェーン・バーキンやシャルロットを思わせるキュートでアンニュイな佇まいにウィスパー系の声がとても魅力的でした(あのカヒミ・カリイさんもファンだとか?)。役者としても個性的な演技で「わたしの可愛いひと」「華の嵐」「若奥様は腕まくり」等に出演し、88年には映画「キスより簡単」で主役を務めその大胆な演技も話題になりましたが、その後91年に病気の為に芸能界を引退したそうです。86年〜89年にかけてはライヴ・ハウス等で数回のコンサートもやってましたが、私は見損なってしまいました(泣...「キスより簡単」のビデオ巻末にはライヴ・ステージで踊りながら唄う優香子嬢が少し拝めます)。願わくば、ぜひまた復帰してほしい人です。

「躁鬱 SO-UTSU」(1986/sixty records)

秋元康が全作詞をしアレンジャーに西平彰を起用した早瀬優香子のデビュー・アルバム。
パリロケによる同タイトルのイメージ・ビデオも発売されトータルな演出のもとフレンチ・テイスト感じる楽曲に優香子嬢のけだるいウィスパー系の声がかわいい魅力的な一枚。

「amino co de ji(アミノコデジ)」(1986/sixty records)

前作に続き西平彰によるアレンジ曲の他、CECILというペンネームで優香子嬢が4曲の作詞を手掛け、矢野誠、日向敏文らが作編曲した楽曲などアーティストとしての個性が増した素敵な一枚。

「POLYESTER」(1987/sixty records)

Shi-Shonenやフェアチャイルドでおなじみ戸田誠司全面プロデュースによる3枚目は、めちゃくちゃポップでカラフルな一枚。今度の優香子嬢は千石花土根なる名で4曲を作詞。シングル「椿姫の夏」の作曲は細野晴臣氏と豪華な隠れた名盤!?

「土と水」(1988/sixty records)

水野正敏、早瀬優香子共同プロデュースのもと全曲で作詞と7曲中5曲で作曲も手掛けたアーティスト優香子嬢の魅力が満載のエスノ、ワールド色を漂わせた異色作。

「薔薇のしっぽ」(1989/sixty records)

カルロス菅野プロデュースによる5枚目は、作詞6/作曲5曲にヴァネッサ・パラディのカバー「マリリン&ジョンの微笑」なども含むエスニックの香り漂うバラエティに富んだ作品。ノーメイクの優香子嬢のジャケも衝撃的!?

「TOMORROW MOON」(1997/AYERS INC.)

91年?に上田知華をプロデュースに迎え録音されながらもお蔵入りとなり、その後芸能界を引退した為、日の目を見ることの無い幻のアルバムと思われていた作品でしたが、97年に突然エアーズから発売されたファン感銘の一枚。内容も極上なポップでいつになくさわやかで前向きな内容が深い感動を呼ぶ素晴らしい作品!


   
[左から、ビデオ盤「躁鬱」/シングル:井上大輔作曲、ポカリスエットCMソング「硝子のレプリカント」/矢野顕子作曲
“私の可愛いひと”主題歌「私は女」/細野晴臣作曲、資生堂'87キャンペーンソング「椿姫の夏」(全てsixty records)]

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