SOFT MACHINE

SOFT WORKS / SOFT MACHINE LEGACY

 カンタベリーシーンの最重要バンド「ソフト・マシーン」カンタベリーサウンドが今あるのもこのバンドのおかげと言って過言ではありません。1966年メンバーはデヴィッド・アレン(g,vo)、ケヴィン・エアーズ(b,vo)、マイク・ラトリッジ(key)、ロバート・ワイアット(per)の4人でスタート。バンド名はアレンによりウイリアム・バロウズの小説のタイトルから付けられ、当時フラワー・ムーブメントの影響でサイケなPOPサウンドをやっていましたが徐々にダダイズム溢れるサウンドに変化していきます。アレンは最初のフランス公演後麻薬とビザの問題でイギリスへの再入国を拒否されやむなくバンドを離れることになり結局1st アルバムは残りの3人で68年にレコーディングされアメリカ公演などををこなしますが今度はツアーに疲れたエアーズが抜け変わりにワイルドフラワー時代からの盟友ヒュー・ホッパーを加えて2nd アルバムを出します。ヒュー・ホッパーが加わった事でサウンドはジャズ的な要素が濃くなり、つづいてキース・ティペット・グループのエルトン・ディーン(sax)、ニック・エバンス(trom)、リン・ドブソン(flu,sax)、ジミー・ヘイスティングス(flu,cla)とヴァイオリンのラブ・スパールを加えた8人編成で「Third」をレコーディングします。2枚組4曲という大作でよりジャズ色が強くなり「Forth」へとつながりますが、ここでロバート・ワイアットが音楽的方向性の違いから脱退します。ソフトマシーンはドラムに一時フィル・ハワード(ds)を迎え「Fifth」のレコーディングに入るもすぐ脱退することになり代わってジョン・マーシャルが加わり、ディーンに代わって元ニュークリアスのカール・ジェンキンス(p,sax)を迎え「Six」今度はホッパーが脱退し代わってロイ・バビングトン(b)を加え「Seven」とサウンドは完全にフリー・ジャズロックへと変っていきます。この後エピック(CBS)からハーヴェスト(EMI)へと移籍しカール・ジェンキンスが主導権を握り始めギターにアラン・ホールズワースを加え「Bundles」(75年)を発表。これを最後にオリジナルメンバーのマイク・ラトリッジが抜けてしまい完全にジェンキンス/マーシャルのバンドとなり、ジョン・エサリッジ(g)、アラン・ウェイクマン(sax)を加え「Softs」(76年)、ヴァイオリンのリック・サンダースを加えてのライヴ盤「Alive & Well」(78年)、ジェンキンス、マーシャルのプロジェクト的内容の「Land of Cockayne」(81年)を最後にソフトマシーンの活動に終止符がうたれました。
 ところが、21世紀になってH.ホッパー、E.ディーン、J.マーシャルにA.ホールズワースが加わりマシーン再編とも思われるバンドが結成された。結局マシーン再編ではないということだが、ソフト・ウェア改めソフト・ワークスとして03年に「abracadabra」を発表。その後ギターがホールズワースからJ.エサリッジに代わりその名もソフト・マシーン・レガシーとして06年「SOFT MACHINE LEGACY」を発表するも、同年E.ディーンが他界する。

THE SOFT MACHINE「THE SOFT MACHINE」

ソフト・マシーンの1st アルバム。まだサイケでダダイズム感じるポップなサウンドでケヴィンのポップなセンスとワイアットの力の抜けた独特の歌唱法が楽しめる秀作です。
[1968 ABC/Probe album]

THE SOFT MACHINE「VOLUME TWO」

ケヴィンに変わり急遽ホッパーを加えての再編。ジャズ的要素が増し短めの曲をつなげた組曲風になっていて、ユーモアも溢れるA面とスリリングなB面の流れがすばらしい傑作。
[1969 MCA Records]

SOFT MACHINE「THIRD」

2枚組(CDは1枚)で各面1曲づつの全4曲。現代音楽風イントロで始まるホッパーの「Facelift」にワイアットの「Moon in June」が泣かせます。
[1970 epic/Sony music]

SOFT MACHINE「4」

ワイアットの歌ものがなくなり、よりジャズ色を強めた作品。この後ワイアットは脱退する。

[1971 epic/Sony music]

SOFT MACHINE「5」

ワイアットに代わりA面はフィル・ハワード、B面ではジョン・マーシャルがドラムを叩きエルトン・ディーン活躍が目立つフリー・ジャズ色の強いアルバム。
[1972 epic/Sony music]

SOFT MACHINE「SIX」

エルトン・ディーンが脱退し、カール・ジェンキンスが加わった2枚組(CDは1枚)作品。1枚目がライブ、2枚目が複雑なリフを多様したスタジオ録音と変則的だが充実した内容。
[1973 epic/Sony music]

SOFT MACHINE「SEVEN」

バビングトン〜マーシャルのタイトなリズムにカール・ジェンキンス色の強いミニマルなサウンドが増えた異色作。
[1973 epic/Sony music]

SOFT MACHINE「BUNDLES」

ニュークリアスの強力なリズム隊にアラン・ホールズワースのギターが加わりテクニカルなフュージョン作だが今ひとつまとまりに欠けるか…
[1975 See For Miles Records]

SOFT MACHINE「SOFTS」

最後のオリジナルメンバーのラトリッジが脱退したが、ギターのジョン・エサリッジが弾きまくりメリハリがある完成度の高い後期マシーンの代表作。
[1976 See For Miles Records]

SOFT MACHINE「ALIVE&WELL」

バイオリンのリック・サンダースを加え、カール・ジェンキンスによる反復に弾きまくるジョン・エサリッジのギターが凄まじい77年パリでのライヴ
[1978 See For Miles Records]

SOFT MACHINE「Land Of Cockayne」

ジョン・マーシャルやアラン・ホールズワースが参加しているものの、ほとんどカール・ジェンキンスのソロ・プロジェクト的な内容で、フュージョンっぽいサウンドのアルバム
[1981 EMI Records/CEMA Special Markets]

SOFT WORKS「abracadabra」

当初ソフト・マシーンの再編バンドと噂されたが、そうでもないようです? しかしホッパー、ディーン、マーシャルにホールズワースがバンドを組んだだけでも驚きです。ラトリッジが加わったらもっと凄かったと思いますが...
[2003 MoonJune Global Inc.]

SOFT MACHINE LEGACY「LIVE IN ZAANDAM」

早速ホールズワースが抜け新たにジョン・エサリッジを迎えての新生S.M.L.お披露目ライブとなった、05年5月10日オランダでのライブ録音。ディーンが亡くなった今となってはとても貴重な音源。
[2005 MUSEA MoonJune]

SOFT MACHINE LEGACY「SOFT MACHINE LEGACY」

ジョン・エサリッジ加入後S.M.L.としての最初のスタジオ録音作。WORKSでのホールズワースはちょっと浮いた感じだったので、エサリッジに代わってまとまり感も出ていい感じになったが、この作品を最後にディーンが死去してしまう。
[2006 MoonJune Global Inc.]

SOFT MACHINE LEGACY「STEAM」

故E.ディーンに代わってテオ・トラヴィスが新加入。トラヴィスやエサリッジの曲も演奏され曲調にも幅が出ていい感じに若返ったようだ。これからにますます期待ができる。
[2007 MoonJune / & Forest]

ライブ盤等の発掘音源の紹介はSOFT MACHINE Part2 をご覧下さい。

[ Robert Wyatt | Hugh Hopper | Kevin Ayers | NUCLEUS ]