* KORG Poly6のEffect Sectionの新たな発見



* poly6 FX基板

Poly6は以前所有していましたが今は無しですがPoly6の豪華といえる3相Chorus基板はまだ所持しています。この基板は3相Chorusの他に単相ChorusとPhaserを切り替えることができます。 かなり大がかりな基板でなぜかVCAが2個と2poleのVCFがついているという謎を含んだ変わった回路構成です。この所Poly6の回路に興味がわいたついでに所有していることもあり回路図を読んでみたところ新な発見がありました。この基板KLM368の回路はかなり巨大なのでここでは表示しませんので興味のある方はService Manualをご覧ください。

 * Poly6 Effect section 構成図


基本構造:
ARPソリーナタイプの典型的な3相Chorus Unitで3相LFOはCMOSの4069を使用しておりBBD Clockは松下の専用Chipを用いずD-FF(4013)を使ってAntilog AMPをかませて高周波VCOにしています。またBBDは松下のMN3004です。また単相ChorusとPhaserのLFOは Function Genelatorを使った三角波VCOが1個用意されており機能によってSpeedの範囲が異なっています。 三角波はCRFilterにより正弦波的になっています。ちなみにPhaserといってはいますが実体はFlangerなのですがresonanceがついていないのでPhaserと言っているのかこの部分がなぞです。

高周波VCOは各Mode共通なので対応するLFOの選択とInitial Pitch電圧ががmodeによって選択されます。

 Phaser: 500K .. 100KHz
 Chorus: 120K .. 60KHz
 3相Chorus: 100K ..3KHz

PhaserとChrousと3相Chrous用1個はBBD Unit 1で共用、他のBBD Unitは3相専用です。3Modeで共用するUnit1の高周波VCOに対するCVの選択は複雑になっています。各BBDに対しては定番のNE571によるCompanderとEXpanderがついていてBBDのDynamic Rangeの小ささを改善しています。

POLY6専用Effectorとしての独自機能:
まずはsynth UnitのMIX音源入力に対してVCA1を通過します。このVCAの特徴はCVにSynth UnitのResonance CVが印加されておりSSM2044という負帰還タイプのVCFの特徴であるResonanceを上げると通過帯域が痩せるという現象を改善します。

Effect出力直前のVCA2はFinal Volume値を設定し各音色の音量を整えるために使用されこの値はMemoryされるわけです。その他にVCAMODというparameterがありVCAのAntilogのIrefを変えているようですが何のparameterかわかりません。

このEffectorのおいては3typeのFXに対して1個のParameterが調整できる仕様になっておりChorusとPhaserはSpeed、3相ChorusはLFOのIntensityですがこの深さも当然Memoryできるので本来はVCAを使う所ですがこのEffectprではCMOSの電源電圧を可変することによって簡略化しています。


* 2pole LPVCFの謎:
さて問題の不思議な2pole LPFですが信号入力はEffectOutの音源信号であって問題はCVですがこれは入力信号を検波して積分した電圧がCVになっています。なのですがなぜLPVCFがあるのか理解できず色々考えた末この検波して積分器とVCLPF回路の構成をふと思いだすとNSのDynamic Noise Reductionではないかと思い LM1894のDatasheetを見るとまさに同様の回路構成になっていてびっくり。このChipのことは知っていたのですがLM1894は1981年秋ごろにリオリースされたらしいchipでした。一方KORG のPoly6も1981年秋の楽器フェアーでROLANDのJuno6と同時デビューなので開発は1年以上前でしょうから同じような回路を思いついたのかそれ以前にLM1894の情報があったのか気になる所です。

NE571というある種のNoise Reduction的な用途にも使われるICがBBD回路にすでについていたのでこの2pole VCFの役割は理解できていませんでした。この2pole VCFの形をしたDynamic Noise Reduction Unitは信号入力が無い時にNoiseを低減するUNITだったので用途としてはBBDのヒスノイズを最小限に抑える機構だったということです。



* LM1894等価回路

上記の2次LPVCFが何の為にあるのか始めはわからず、たまたまどこかで見たことのある回路だとふと思いだしてDynamic Noise Reductionという名称を発見。これは1980年代後半ではよく海外の雑誌の製作記事として掲載されていたので覚えていたのでしょう。LM1894はAudioのStereo信号に対して不要Noiseを低減する用途なのでFilterは1次のOTAのLPFですが、Poly6の場合はBBDのヒスノイズ低減ようなので 2poleのLPF(VCF)にしていますが単純に2段直結で帰還もかけていないのでFc付近の特性はなだらかでその方が好都合なのでしょう。

Poly6のEffect SectionはPoly6のキャラクターに大きく影響を与えたunitですが音源専用のEffectとしてとても一体化しているすぐれた機構であることをpoly6発売から44年たった今新たに感じました。おそらくこのEffectを搭載していなかったらCOSTも安くおさえれられ20万以下のMemory付きPoly Synthが登場していたかも知れませんがpoly6の評価はちがっていたように思えます。ROLANDのPoly synthもBBD Chrousが基本ですがそれ以上に リッチなEffect搭載Poly synthはKORGが初でそんなこともあってか後年のDW8000では世界初のDDL搭載のPoly synth だったことを思い出します。Poly6が発売されてから44年後の現在、新な発見があり興奮しています。これもService Manualがあるおかげです。手持ちのPoly6 Effect基板を使ってこのEffectを復活させたいものです。



<2026/06/04 rev0.1>
<2026/06/03 rev0.0>