長田(おさだ)昭二著作のページ


1965年東京都生、日本大学農獣医学部卒。新聞社、出版社勤務を経て2000年からフリー。「文藝春秋」「週刊文春」「文春オンライン」「夕刊フジ」等で医療記事を中心に執筆。日本医学ジャーナリスト協会会員、日本文藝家協会会員。

 


            

「貨物列車で行こう! You must take the freight train!  ★★   




2024年04月
文藝春秋

(1800円+税)



2024/05/06



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列車旅、列車というのは好きな方ですが、貨物列車というのは盲点だったなぁ、とまず一言。
理由としては、機関車、貨物列車を見る機会が減っている、ということが挙げられるでしょう。子どもの頃はよく見かけていた、と思うのですが。

貨物列車を運行するのは、
日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)、国鉄分割民営化で発足した7つの鉄道会社の一つで、唯一つの全国組織。なお、鉄道線路はJR旅客各社が所有しているため、線路使用料を支払って貨物列車を走行させている、という仕組みだそうです。

貨物ターミナル駅の様子、機関車には乗員のためのトイレや冷房設備がないとか、目からうろこ。
また、
貨物専用線や、SL時代の重連を連想させる補機(最後尾に連結し貨物車両を後押し)の存在などにはワクワクします。
また、貨物列車だからこその、旅客列車とは異なる発想による運行の工夫が欠かせない等々、ページを繰る度に面白い事柄にぶつかります。それがとても面白い。

鉄道貨物は縮小傾向かと思いきや、トラックドライバー確保難や環境問題といった理由から見直され、増加傾向にあるのだとか。
鉄道貨物においてもそれはそれで課題、問題点があるのだそうですけれど、鉄道貨物への期待を語れることは嬉しい。

貨物列車に興味を感じられた方、是非本書を手に取ってみてください。今まで知らなかった世界が目の前に開けます。

※最終章は、「文藝春秋」最新号がトーハンの上尾センターからコンテナに積み込まれ、隅田川駅で貨物列車に積み替えられて札幌貨物ターミナル駅へ、そしてジャパン通商配送センターで仕分けされ、札幌市内の書店に届くまでの添乗ルポ。おまけといった楽しさあり。

1.ついに貨物列車に乗る!/2.ルポ・東京貨物ターミナル/3.経営改革と未来の貨物輸送/4.広島車両所探訪記/5.「セノハチ」貨物列車添乗ルポ/6.「文藝春秋」を北に追え!

    


 

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