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1.武蔵 |
●「武
蔵」● ★★ |
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2002/11/17 |
前半は吉川英治「宮本武蔵」論、後半はその後に書かれた様々な作家たちによる武蔵像を語った一冊。 そもそも宮本武蔵という剣豪については、それ程詳しく判っていないそうです。それなのに、何故我々が宮本武蔵像を明確にイメージできるかというと、それは吉川「武蔵」に描かれた人物像が固定化しているから。 後半は、その後に書かれた宮本武蔵像が数多く紹介されていますが、吉川「武蔵」に添うもの、全く異なる武蔵像を描くもの、様々です。しかし、いずれも吉川「武蔵」があっての新「武蔵」像でしょうし、ひとつも吉川「武蔵」を凌駕するには至っていないと言えます。それだけ、武蔵=求道者として描いた吉川「武蔵」が。我々日本人の好みに合っている、ということでしょう。 吉川英治「宮本武蔵」論/作家たちの武蔵 |
●「傑作・力作徹底案内
時代小説の読みどころ
増補版」● ★★ |
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表題に「傑作・力作徹底案内」とありますが、“力作”であることは本書も同じ。 中でも興味深いのは、「時代小説の昭和史」中の「捕物帳の系譜」。今では極めてポピュラーかつ多様なジャンルですが、当初の岡本綺堂「半七捕物帳」(大6)の狙いは江戸の面影を残そうとしたものだった。それなのに、様々な発展をしていったところが面白い。 時代小説の昭和史/ヒーロー像の変遷/幕末維新を描く/この作家、この作品/対談(池宮彰一郎・宮部みゆき・泡坂妻夫) |