|
1961年神奈川県鎌倉市生、東京大学教養学部卒。総合職の先駆けとして東邦生命入社・86年退社。その後北京外国語学院に語学留学。90年「微夏の島・台湾」からエッセイストとして活躍。2001年虫垂がんの手術を体験。 |
1.30前後、やや美人 5.がんから始まる 6.がんから5年 |
●「30前後、やや美人」● ★★ |
|
2000年01月
2001/07/27 |
エッセイスト・岸本さんについては、随分前から知っていました。本書中にも書かれていますが、日曜日朝のニュースワイドショーに岸本さんがコメンテーターとしてレギュラー出演していた為です。 見るからにか弱そうな若いお嬢さんがぽつんと座っている、という様子だったのですが、活躍中のエッセイストと聞き、えっー、と驚いていました。 いずれ岸本さんのエッセイを読んでみようと思っていたのですが、そのままかなりの時間が過ぎてしまい、漸くにして読めた、という思いです。そして結果はと言えば、極めて満足。 おとなしく遠慮がちな岸本さんの内に、抑えようとしても込み上げてくる、時機を逸した怒りというのが時々あって、つい可笑しくなります。そんなパターンは、私自身にも共通するところがあって、親近感あり。 また、聞くつもりがないのに、近くの人の会話が耳に入ってしまい、一人で憤っている、そんな岸本さんは愉快。でも、同感すること多いのです、ホント! その一方で、若い女性が文章を書いてひとり暮らしの生活を立てていくというのは、イメージの華やかさに反して、大変なんだなあと思います。山本文緒さんのエッセイ「そして私は一人になった」でも、やはり感じたこと。 岸本さんや山本さんに比べて対照的なのは、やはり阿川佐和子さん! 本書中にも佐和子さんのことがちょっと出てきますが、あのあっけらかんとした性格は、真似したくても余人が真似できないものでしょう。佐和子さんが年中原稿の締切にアタフタしている様子なのに比べ、岸本さんは常に2週間先の原稿まで書いている、何かあった時の用心として2本位のエッセイを溜めてある、というのですから、頭が下がります。岸本さんの生真面目さは立派! でも可笑しい。 阿川佐和子さんのエッセイと比べて読むと、さらに楽しめることと思います。 ひとりで住む「マンション」/「おばさん!」と呼ばれて/「自分」のここが嫌い/「女」も見てるゾ/「超」B級グルメ/「仕事」をめぐる冒険/男と女「ゲームの規則」/「旅」ゆけば/「買い物」のてんまつ |
●「三十過ぎたら楽しくなった!」● ★ |
|
1997年12月 2000年10月
2001/11/24 |
岸本さんのエッセイ、2冊目。これもまた「30」に絡んだ題名の本です。「30」という数字、やはり女性にとっては大きな数字なのでしょうか。 まあ、20代というのはとかく若さが強調されてしまい、自由な筈なのに意外に窮屈だったりするところがありますから、この題名から伝わる気持ちは、理解できます。男性にしても、女性程ではないにしろ似たところがあります。(もっとも単行本時の題名は「三十女のおいしい暮らし」とか) それにしても岸本さん、本書を読む限り、年齢以上に保守的なようです。手動式のFAX付電話を何時までも使っていたり、やっと自動FAX+留守電付電話を買ったら世の中は既に電子メール時代だったとか。 普通のお嬢さんが、普通に書いたエッセイ集、本書はそんな印象です。(ですから読み易くはある) |
●「40前後、まだ美人?」● ★ |
|
2005年04月
2005/07/20 |
小学館刊「若くなくても、いいじゃない」の文庫化。
ずっと以前TVで毎週のように見かけていた時に可憐なイメージだった岸本さんも早や40歳間近。老後のことをいろいろと考え始めたというのも、判る気がします。 |
●「葉と葉子のふたりごと」(渡辺葉・共著)● ★ |
|
2003/05/11 |
月刊「日経WOMAN」
に連載されていた岸本葉子(東京)・渡辺葉(ニューヨーク)間の往復エッセイ。 書店で見て最初に思ったのは、阿川佐和子・壇ふみの往復エッセイ「ああ言えばこう食う」の二番煎じかな、ということ。比較して読むのも一興ということで読み始めました。 本書はエッセイというより、往復書簡と言うべきもの。 プロローグ/からだの処方箋/人間関係の処方箋/こころの処方箋/エピローグ |
●「がんから始まる」● ★★ |
|
2006年04月
2004/03/15 |
岸本さんががんであることを知ったのは、2001年10月40歳の時。進行した虫垂がんで、S状結腸にも浸潤していたとのこと。手術は成功したものの、治ったかどうかは今後5年間に再発があるかないかを見てみないと判らないという。 独立業で一人暮らしの岸本さんの場合は、家族のいる患者とは異なる状況があります。入院準備やその間の段取りも、すべて自分で行い、退院後も自分自身で生活をコントロールしていかなくてはならない、ということ。 第一部:兆しは、あのときから/がん患者となって/入院生活がはじまった/私は助かったのか? |
●「「ほどほど」がだいじ がんから5年」● ★★ |
|
2010年11月
2007/11/14
|
がんが治ったかどうかは、手術後の5年間に再発があるかどうかが目処だそうです。 手術が成功したからといって、がんの不安から解放された訳ではない。岸本さんは、そんな患者の気持ちをありのままに、日々の暮らしの中から語っていきます。 ※第2章&2つの対談は、女性の生き方、シングル女性の老後等々。その中で関川夏央さんのひと言には笑ってしまいました。 第1章
日々のこと+対談:がんと心の処方箋(竹中文良×岸本)/ |