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「地上に星座をつくる」 ★★ | |
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文芸誌「新潮」に2012年05月〜19年12月の間連載されたエッセイをまとめた一冊。 内容は「1ヶ月間に起こった最も印象的な出来事」だそうです。 7年間に亘る日々を凝縮した一冊、とのこと。 とにかく驚きです。ヒマラヤやアジア諸国、その他世界中を巡り「日々旅の空の下にいるのが当たり前」という生活ぶりなのですから。 何と筆者のパワフルでタフなことか。 そのおかげで、地球の広さを改めて実感させられた思いです。 世界を知るには、現地へ実際に足を運び、その土地を歩いて知ること。 そうした考えには共感します。 筆者とは比べ物になりませんが、私も独身時代にひとりで国内旅行をした際には、行った場所で長く歩く、ということを常にしていました。 単に観光場所を見るだけではつまらない、その土地を歩き回ることによってその土地に触れる、その土地を実感できるという考えでした。 本書を読んで、些かなりともその土地にちょっとばかり近づいた気持ちがします。 本書の中で、日本に招待されたネパール人の山岳ガイド=チェビさんと鹿児島で3時間を共にした話が、土地だけではなく、その土地の人との触れ合いを感じさせられて印象に残ります。 また、「ユーコン漂流」と来れば野田知佑「ユーコン漂流」を思い出さざるを得ません。 その後には、石川さんと野田さんとの出会いも語られています。 ウサギ狩り/エベレストの犬/手で尻を拭く/最奥の国境/ガンジスの河口にて/片目しか見えない仮面/船で越えた国境/ミイラの少女/原発前の猪/最高の登山/東京低地順応/高校の写真部/ダッカとの再会/0メートルからの富士登山/完敗の山/咳き込みながら、パリ/チベットの年越し/標高8400メートルのポイ捨て/斜里の子どもたち/真夏のサハリン/ホイアン再訪/アルバータ縦断の旅/世界第二位の難峰に向けて/未知の山、K2へ/ぼくは悔しい/新潟の潟/越境カナダ/カラコルムの水晶/寄りクジラの浜/アポリジニの地図/能登の風呂屋/知床連山縦走/詩人と写真/岬の記憶/奥能登あるくみるきく/最涯てという入口/刹那の輝き/北極圏の短い夏/ヒグマと一夜を過ごす/無人温泉/悪夢の大雪/再会のカトマンズ/島に暮らす/チェピさんと会う/ヒマラヤの仮面神/流氷のはじまりを探して/高所順応の旅/ユーコン漂流/台風の目/写真を撮ること、旅すること/あとがき |