|
|
1.半島へ、ふたたび 2.拉致と決断 |
●「半島へ、ふたたび」● ★★ 新潮社ドキュメント賞 |
|
2012年01月
2009/07/17
|
今さら言うまでもなく、北朝鮮による拉致被害者の一人、蓮池薫さんのエッセイ本。 韓国へ向かう飛行機の窓から朝鮮半島を見たとき、「瞬間、背筋にヒヤリとしたものが走」り、北朝鮮に拉致され「体に刻みこまれていたおぞましい24年間の歳月」が蘇ったと蓮池さんは冒頭で記していますが、その気持ち判る気がします。 その韓国を見る蓮池さんの目は、北朝鮮の実情を身をもって長年経験したことと、帰国後の日本での生活を経て、北朝鮮と韓国を比較しつつ日本とも対比してみるといった、韓国・北朝鮮・日本を並べて比較するという方向に向いています。 本書で印象的だったことは、未だ北朝鮮に拘束されている筈の拉致被害者の帰国、拉致事件の解決に向けて、蓮池さんが未だ強い気持ちを持ち続けていること。 僕がいた大地へ/あの国の言葉を武器に、生きていく |
●「拉致と決断」● ★★☆ |
|
2015年04月
2012/11/24
|
拉致されて24年間にわたる北朝鮮での生活を綴った迫真のドキュメントにしてルポ。 拉致という不当な犯罪、それでも拉致されてしまえば北朝鮮の中でしか生きていく道はない。主体思想への洗脳という教育も受ければ、首領様を尊敬する振りもしなければ生きていけない。何で自分を拉致した相手に・・・という思いは当然の感情でしょう。 拉致被害者の北朝鮮での生活はどんなものだったのか。北朝鮮の一般民衆の暮らしは、またその本音はどんなものであったのか、そして山間の“招待所”で暮らす拉致被害者との比較においてどうだったのか。 絶望そして光/人質/自由の海に溺れない/自動小銃音の恐怖/生きて、落ち合おう/煎った大豆を/飢えの知恵/配給だけでは食えない/望郷/誘惑/革命のコンテンツ/北の狩り/洗脳教育/本音と建前/バッジを外すとき/自由な市場/二十四年ぶりの外食/いた!親父だ!/様々な打算/蟻の一穴?/理性と本能/将軍様の娘/涙の演技/タブーと政治/危険水域/後ろめたさ/終わりと始まり |