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「空色(くうしき)カンバス」 ★★ | |
2014/06/01
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両親とも既になく、実家の寺を継いだ住職の兄=日比野隆道29歳と高校三年生の妹=ゆかり17歳の2人だけの暮らしに突然飛び込んできた美女=小早川千尋。 乱暴な夫の元から逃げ出してきたと、着の身着のままで寺に駆け込んできた千尋を見過ごせないと、ゆかりの反対を押し切って隆道は、寺の手伝いをしてもらうという条件で暫く寺に滞在することを認めます。 当然ながらゆかりの千尋の間はぎくしゃく。そのゆかりはちょうど進学問題で何か迷っている様子・・・。 隆道、ゆかり、千尋が絡むことによって、それぞれが抱えた問題が明らかになっていく。 千尋という女性の正体は何なのか。その謎が本ストーリィへの興味を高めてくれますが、千尋の正体如何に関わらず、兄妹2人だけの関係に第三者が入り込むことによって、隆道とゆかり、さらには第三者である千尋の問題も前進を見せるという展開です。 隆道、千尋については今更青春ストーリィというのもどうかと思いますが、ゆかりを中心に据えて3人の関係を見ればやはり青春風ストーリィと言うべきでしょう。 最後に千尋の正体、その結果として千尋が抱えた問題も明らかになりますが、その解決場面もやはり青春風。 とはいえ、ストーリィ展開にどこかすっきりしない、必然性にどこか腑に落ちないところを感じるのも事実。 とはいえ、3人のキャラクターを元にした本ストーリィは、充分楽しめるものでした。 |