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●「青春小説傑作選
14歳の本棚−部活学園編−」● ★★ |
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2007/03/29
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北上次郎さん編集による“青春小説傑作選”。 角田光代「空のスクロール」はイジメをテーマにした作品で本書中唯一暗いストーリィ。 氷室冴子「クララ白書」は少女小説における新しい時代の幕開けとなった作品とのこと。また、氷室さんはコバルト文庫のフロントランナーというべき存在とか。 松村雄策「F列十二番」はビートルズら来日した際の武道館公演を題材にした作品。中学時代とはそれまでの友達との別れ道ともなる時期だったなぁ、と思い出させられます。 角田光代「空のスクロール」/中沢けい「ブラス! ブラス!! ブラス!!!」/森鴎外「ヰタ・セクスアリス」(抄)/井上靖「夏草冬濤」(抄)/氷室冴子「クララ白書」(抄)/川西蘭「決戦は金曜日」/松村雄策「F列十二番」/大岡昇平「青山学院」/解説:北上次郎 |
●「青春小説傑作選
14歳の本棚−初恋友情編−」● ★★ |
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2007/05/02
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第2冊目は、中学生を主人公に初恋、友情を描いた作品集。 石田衣良「びっくりプレゼント」のプレゼントには、読んだ時本当にびっくりしました。今の中学生はこんなかぁ、と驚いたのですが、その瑞々しさは魅力でした。でも、友情という点においては従来の小説作品と変わるものではありません。 山田詠美「ひよこの眼」は中学生にしては厳しい話。でも、人生について知り始めたのはこの頃からだったかもしれません。 三田誠広「いちご同盟」は、ホントに冒頭のみ。これではたまりません。読みたくなり図書館で借出しました。 石田衣良「びっくりプレゼント」/三島由紀夫「仮面の告白」(抄)/山田詠美「ひよこの眼」/志水辰夫「旅立ち」/笹生陽子「サンネンイチゴ」(抄)/三田誠広「いちご同盟」(抄)/中場利一「岸和田少年愚連隊」(抄)/佐藤多佳子「ホワイト・ピアノ」/解説:北上次郎 |
●「青春小説傑作選
14歳の本棚−家族兄弟編−」● ★★ |
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2007/05/27
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これまでの2巻は、いかにも中学生が主人公らしい作品が殆どだったのですが、本巻ではそんな思い込みを見事にひっくり返された感じ。 まず梨木香歩「西の魔女が死んだ」は児童向けの名作。少し読んだだけでも素晴らしい作品であったことがすぐ思い出され、順調な滑り出し。 未読作品の中、(抄)なので全篇を読んでみようかなと気をそそられたのは三浦綾子「積木の箱」と野中ともそ「宇宙でいちばんあかるい屋根」の2作。ただし、実際に読むかどうかは未定です。 余りに悲惨で涙を禁じ得なかったのは、井上ひさし「汚点」。 ※なお、ベストセラーになると読まないというのは私の悪い癖ですが、五木寛之「青春の門」のそんな作品のひとつ。(抄)にしか過ぎませんが、初めて読みました。 梨木香歩「西の魔女が死んだ」(抄)/内田春菊「田中静子14歳の初恋」/田島斗志之「嘘だろ」/五木寛之「青春の門」(抄)/志賀直哉「母の死と新しい母」/川端康成「故園」(抄)/三浦綾子「積木の箱」(抄)/野中ともそ「宇宙でいちばんあかるい屋根」(抄)/森絵都「DREAD RED WINE」(「永遠の出口」 第4章)/井上ひさし「汚点」/宮本輝「蛍川」(抄)/解説:北上次郎 |