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「温泉妖精」 ★☆ すばる文学賞 | |
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マイナーで暗い性格の主人公に、これまた暗い旅館の若い女、風体怪しげでこれまた陰気な男性泊り客。 主人公は岡本絵里、23歳。毛が濃いことを突かれるのが怖くてトラウマ。カラーコンタクトを入れ、整形手術を繰り返し、外国人を装うことでやっと人と対等に向かい合えるという風。 ほのぼのとする様でありながら全く看板倒れの「温泉妖精」という本書題名。最後にその温泉妖精の正体が明らかにされますが、私ならずとも、その途端にズッコケてしまうのではないでしょうか。(笑) とはいえ、何がどうであろうと、最後に主人公の絵里が開き直り、自分自身をさらけ出す勇気を持てるようになったのであれば、終わり良ければ全て良し、と言うべきでしょう。 |