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10.三国志 十の巻・帝座の星 |
●「三国志 一の巻・天狼の星」● ★★ |
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2001年6月 |
とうとう「三国志」を読むに至りました。高校の頃からいつかは、と思っていた作品。足掛け30年にわたる目標だったと言えます。ただ、北方謙三作品で読むとは、全く予想もしていなかったこと。 舞台となるのは、後漢末期の中国。帝の力は衰え、黄巾賊が全国で蜂起するという、乱世の時代です。 馬群/砂塵遠く/天子崩御/洛陽内外/諸侯参集/群雄の時/地平はるかなり |
●「三国志 ニの巻・参旗の星」● ★★ |
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2001年7月 |
漢の都・洛陽は焼く尽くされて廃棄され、帝は長安に無理やり移されます。 「一の巻」が3雄の皮切りだったのに対し、本書では漸く本格的せめぎ合いがこれから始まっていこう、というところ。3雄それぞれに配下として加わる人物も多彩になっていきます。 烏の翼/降旗/黒きけもの/大志は徐州になく/流浪果てなき/それぞれの覇道 |
●「三国志 三の巻・玄戈の星」● ★★ |
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2001年8月 |
第3巻は、英雄たちがお互いの勢力を争い、潰し合う戦いの様が描かれます。 光の矢/情炎の沼/原野駆ける生きもの/追撃はわれにあり/海鳴りの日/滅びし者遠く |
●「三国志 四の巻・列肆の星」● ★★ |
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2001年9月 |
第4巻では、曹操がじりじりと勢力を増し、多数が群雄割拠した時代から覇者が集約されてきた時代へ移り変わった様子が描かれます。 その2人とかけ離れたような経緯、自分たちだけで充分物語を作ってしまっている観があるのが、孫策と孫権の兄弟。曹操と劉備が年齢を重ねる一方で、孫家ばかりは若返りを繰り返す結果になっています。 遠い雷鳴/わが立つべき大地/光と影/策謀の中の夢/風哭く日々/乾坤の荒野/三者の地 |
●「三国志 五の巻・八魁の星」● ★ |
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2001年10月 |
第4巻で曹操は袁紹の大軍を破り、勢力図は一気に逆転しましたが、その勢いにて袁紹とその子息らを打ち破り、河北を制覇するまでが本巻の中心ストーリィ。 本巻の最後、劉備の元に徐庶という軍師たる人物が登場します。これまで関羽、張飛、趙雲という豪傑に加え、政略を練る軍師の登場へと幕が開けられた訳です。徐庶は短期間で曹操の元へ去りますが、その徐庶は劉備に諸葛亮孔明の名を残していく。 軍門/勇者の寄る辺/生者と死者/制圧の道/戦のみにあらず |
●「三国志 六の巻・陣車の星」● ★★ |
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2001年11月 |
歴史上に名軍師として名を残す諸葛亮孔明が、本巻にてついに登場。 烏丸への北伐も成功し北を制した曹操は、孫権、劉備が寄騎する劉表を征すべく大軍を発します。 辺境の勇者/わが名は孔明/天地は掌中にあり/知謀の渦/橋上/揚州目前にあり |
●「三国志 七の巻・諸王の星」● ★★ |
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2001年12月 |
ついに曹操軍30万が、覇権を手中にするため動き出す。 本書の注目点は、諸葛亮を軍師に得て、劉備軍が初めて追われる立場から一転、勢力拡大の契機を掴んだこと。 千里の陣/風下の利/夜が燃える/わが声の谺する時/病葉の岸/秋(とき) |
●「三国志 八の巻・水府の星」● ★☆ |
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2002年1月 2003/01/31 |
“天下二分の計”を実現すべく益州攻略を目指した、孔明に勝るとも劣らない智将・周瑜は、その途中病に没す。 本巻は「赤壁の戦い」後の曹操・孫権・劉備の3者関係を描き、この後の“天下三分”への幕開けとなる巻でもあります。 8巻から9巻へと、劉備による益州獲りの展開が楽しみです。 野の花/長江の冬/乱世再び/曇天の虹/新しき道 |
●「三国志 九の巻・軍市の星」● ★☆ |
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2002年2月 |
益州に入った劉備は、諸葛亮孔明の戦略に則って、一気に益州を支配下に置きます。 たとえ襤褸であろうと/荊州の空/新たなる荒野/漢中争奪/北へ駈ける夢/野に降る雪 |
●「三国志 十の巻・帝座の星」● ★ |
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2002年3月 |
前巻の最後で、関羽が呉の裏切りによって死に、劉備・孔明らは戦略の練り直しを迫られます。 とはいうものの、関羽、そして本巻で曹操が死に、英雄が次々と死んでいった後の舞台は寂しい。 烈火/冬に舞う蝶/めぐる帝位/去り行けど君は/死に行く者の日々/遠い明日 |
●「三国志 十一の巻・鬼宿の星」● ★ |
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2002年4月 |
関羽・張飛という2人の義兄弟の報復のため、劉備は自ら蜀軍を率いて呉への攻略戦に向かいます。 群雄割拠の時代を勝ち抜いてきた英雄たち、孫堅・孫策・周瑜、曹操、関羽・張飛・劉備が皆歴史の舞台から姿を消し、あとは三国の勢力争いのみが残った、という印象です。 前夜/戦塵の彼方/いつか勝利の旗のもとで/去る者もあり/滅びの春/月下の二人 |
●「三国志 十ニの巻・霹靂の星」● ★☆ |
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2002年5月 |
劉備亡き後、諸葛亮孔明はその夢を引き継いで蜀の国力回復、さらなる蜀の勢力拡大に注力します。本巻は、その経緯を描いた一冊。 未平定だった南中の平定を孔明ならではという方法で、鮮やかにし遂げます。 南中の獅子/さらば原野よ/北への遠い道/天運われにあらず/再起するは君/老兵の花 |
●「三国志 十三の巻・極北の星」● ★☆ |
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2002年6月 |
蜀の存亡を賭け、諸葛亮孔明が全力をあげて蜀軍を率い、魏軍に戦いを挑む最終巻。 今や曹操、劉備、孫堅・孫策なく、魏・蜀・呉それぞれの帝、曹叡(曹操の孫)、劉禅(劉備の子)、孫権(孫堅の子)は天下三分の状況にそれなりに安住している。その中でただ独り、孔明のみが劉備たちの志を引継ぎ、天下統一の夢を実現するため最後の戦いを魏に挑みます。 降雨/山に抱かれし者/両雄の地/敗北はなく勝者も見えず/日々流れ行く/遠き五丈原 |