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「ここが終の住処かもね」 ★★ | |
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主人公のカヤノ、70代となり、風光明媚な丘陵地にある<サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)>ピラカンサに入居し、コテージ住まいの優雅な生活を送ろうとしていた処。 ところが、ピラカンサに住む老女仲間からはあれこれ相談ごとを持ちかけられるは、カヤノの行動を観察されているはと、少しも落ち着かない。 おまけに、40歳前後になって独身のまま東京の実家に戻ってきた息子の亮介、娘の奈々子とも、ちっともカヤノを落ち着かせてはくれない。 一方、気持ちを惹かれる老紳士との出会いもあり・・・。 「終の住処」という題名から、高齢老女が送る静かな日々を描くストーリィかと思っていたのですが、とんでもない。 あれこれ問題を持ち込まれては、何時の間にかカヤノの所為にされている、といった具合でちょっとしたドタバタ劇。 人がいる処、問題ごとは尽きない、ということでしょうか。 でもそれが、とても面白いのです。 特にカヤノが他人から振り回されている様子が。 しかし、それだけカヤノが親しまれ、頼りにされているからと言って良いのではないでしょうか。 いろいろあるのも、カヤノがまだ人生の現役だから、こそ。 本作を読んで、70歳であってもまだ人生真っ最中でいられるのだと心楽しくなった次第です。 終の住処であろうと、人生まだまだということ。 カヤノさん、結構若々しい印象ですよ。 1.美しい朝の始まり/2.サワの覚悟/3.思いがけないヤツ/4.尽きない家族問題/5.便りのないのは・・・・・・?/6.人生は何が起こるか分からない/7.自分流に暮らす覚悟/8.愛おしい愚かさ/9.ヒミツの話/10.聞きたくない話/11.追憶に生きる日々/12.波乱含みの展開/13.誰かと食べる朝ご飯/14.楽しみにしていたその日/15.どうしても忘れられないこと/16.懐かしい丘/17.思い出に支えられて/18.ハッピーエンド? |