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●「ちりかんすずらん」● ★★☆ |
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2012年09月
2009/10/17
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祖母・母・主人公と3代、女ばかりの世帯+母の妹という、女たちの穏やかな日常を味わい深く描く連作長篇。
7年前、板前だった父親は、錦糸町のパブで働いていたコロンビア人女性に惚れて母と離婚、コロンビアに渡って今は彼女の娘たち4人+実娘1人に囲まれスシー・バーを経営、順調らしい。時々主人公へ電話がある。 穏やかな日常といっても、それなりに多少の事件はあります。すずの恋人(不倫)が殺傷される事件が起きて皆が心配したり、父の義娘マグダレーナが主人公に頼みごとをしてきたり、捨て犬をめぐって皆が一喜一憂したりと。そこにちょっとしたミステリ風味があるのも、良いスパイスになっています。 お互いを大切にし合って築いてきた暮らし、そしてこれから好きな人と新たに築いていこうとする暮らし。その温もりが実に快くて秀逸。お薦めです。 ちりかんすずらん/愛の名の川/ちいさなかぶ/赤と青/バニラ/ホオシチュウ |