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1.黄金の羅針盤−ライラの冒険シリーズ1− 2.神秘の短剣 −ライラの冒険シリーズ2− 3.琥珀の望遠鏡−ライラの冒険シリーズ3− |
●「黄金の羅針盤」● ★★ |
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2003年11月 2007年09月
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本書は、大冒険ファンタジー、“ライラの冒険シリーズ”の第1巻。 帯には「指輪物語」「ナルニア国物語」「はてしない物語」に熱中したすべての人に、とあります。刊行されたのが今なら、当然に「ハリー・ポッター」も付け加えられていたことでしょう。 冒頭の第1部ではもうひとつストーリィがつかみきれず、それ程面白いとは思わなかった、というのが正直なところ。 そのライラは、寮からコールター夫人の元に引き取られますが、最近勃発している子供の誘拐事件に彼女が関与していること、おじアスリエル卿が北極の果てで監禁されていることを知り、彼女の元から逃げ出します。 同じファンタジー物語と言っても「ハリー・ポッター」が現代おとぎ話であるのに対し、「ライラ」は本質的に冒険物語。 ライラがいるのは、似てはいるものの我々の世界とはちょっと違った世界。大きく異なるのは、人間にはダイモン(守護精霊)が必ずついていることです。そのダイモンは、様々な動物の姿に変身でき、その主人と共生関係にあります。ライラとそのダイモン=パンタライモンのやり取りが実に楽しく、本書ストーリィに温もりを与えています。 本書はまさに大人向けの冒険ファンタジー!です。 |
※映画化 → 「ライラの冒険−黄金の羅針盤」
●「神秘の短剣」● ★ |
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2004年02月 2008年06月 2002/03/21 |
第1巻も半分位までよく判らなかったのですが、この第2巻はそれ以上。殆ど最後までよく判らない、というのが正直な気持ちです。 一応冒険物語ではあるのですが、本巻の本質は序章である第1巻と、究極の物語となるであろう第3巻を結ぶ為のストーリィという気がします。ですから“ライラの冒険シリーズ”の舞台背景を理屈づけて説明している、という要素がとても高い。 コールター夫人や魔女のセラフィーナ・ペカーラ等も第1巻に引き続き登場しますが、理屈に押しのけられているという感じで、彼女等の登場があってさえあまり面白さが感じられません。 思うに、プルマンはミルトン「失楽園」に匹敵する大叙事詩を書き上げようとしているのではないでしょうか。 いずれにせよ、ここまで来たら第3巻を読まないと話になりません。 |
●「琥珀の望遠鏡」● ★☆ |
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2004年07月 2008年08月 2002/06/09 |
壮大なファンタジー叙事詩“ライラの冒険シリーズ”最終巻。 第2巻から規模が急激に膨らんでいき、かつ複雑化を極めたものですから、読む方(私)の理解が追いつかず、というのが正直なところ。その傾向はこの第3巻でも変わりません。 本巻ストーリィの中心は、ライラとウィルの2人が神秘の短剣を用い、ダイモンと離れ離れになって死者の国へ行き、永遠の幽霊状態となっている死者たちを解放する、という部分。 既存権力の支配を打ち壊す、最大の場面と言って良いでしょう。 イオレク・バーニソンら一旦退いた脇役たちが再登場するのも嬉しいところ。それでもなお、最も不可解で興味をそそる人物といえば、ライラの実母・コールター夫人に勝るものはいません。本巻でもライラに負けない存在感を示しています。
壮大なストーリィが繰り広げられる一方、ライラとウィルの成長物語として収斂する点において、やはり本書は児童文学と言うべきなのでしょう。 |