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2.緋文字 |
●「ウェイクフィールド/ウェイクフィールドの妻」● ★★★ |
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2004年10月
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「およそ文学における最高傑作の一つと言っても過言ではない」と激賞され、カフカやオースター等の作家に影響を与えたといわれる作品ですけれど、それ自体は比較的あっさりした短篇小説に過ぎません。 ストーリィは次のとおり。 何故彼はそんな行動をとったのか、何故発見されなかったのか、生活費はどうしていたのか、妻はその間どうしていたのか、夫はどんな心理で戻ったのか、妻はすんなりと帰宅を受入れたのか、等々、疑問は尽きることがありません。 ※「ウェイクフィールドの妻」は、上記ストーリィを妻の側から描いた作品です。「ウェイクフィールド」あってこそ興味をそそられる小説ですけれど、「ウェイクフィールドの妻」が書かれたからこそ「ウェイクフィールド」にもまた新たな面白さを見出すことができます。 |
●「緋文字」● ★★★ |
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新潮文庫刊 1992年12月 1995年11月
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最初に読んだ印象から言うと、まず古臭いという気がします。登場人物の行動が少なく、むしろ解説が多くて抽象的、かつ理屈っぽい。 ヘスタは、罪を犯しながらも公の罰を受け、その生活の中で逆に人格を高めていきます。女性のしたたかさを強く感じさせられる部分です。 |