燃焼室容積測定

燃焼容積測定への道のりは長かった。個人レベルで用意できる道具を使って、どうやったら正確に測れるのか? 色々な道具と方法を試した。私が15年かかって辿った足跡を紹介してみよう(15年もかかったんかいっっ! (^^; )。


まずは普通に考えて買ったのが注射器だ。最初に買ったのは10ccのモノ。その後に5ccと35ccを買った。だが、測定精度は非常に低く、同じ燃焼室を数回測定してみると全部違う結果が出る。注射器の最後の1ccはその目盛りがかなりテキトーで、0.1cc単位まで読めるモノではない。40ccほどのB6なら5cc注射器だと8回、10ccでも4回ほど注入しなきゃならんわけで、そのたびに誤差が加算されていく。そこで35cc注射器でも試してみたが、コレはコレで目盛りが荒すぎて使い物にならなかった。プラスチック製注射機は目盛りの印刷がオイルに溶かされて消えていくし、やっぱしダメだ。


そこでガラス製の高級注射器も試してみた。これなら誤差が少ないかと思って買ってみたのだが、結果はプラスチック製安物注射器と大して変わらず、使いにくい分だけ疲れるだけだった。2個買って使い初めてすぐに1個割っちまったし(笑)。


次に試してみたのがピペットだ。5ccと10ccのモノを試した。コレも注射器と結果は同じで、測定するたびに結果が違ってしまい、測定再現性が非常に低い。

だんだん燃焼室を使って測定を繰り返すのが面倒になってきた。ナニが正しくてナニが狂ってるのか解らん。そこで実験用に買ったのがメスシリンダだ。メスシリンダなら絶対的に正確だ。


燃焼室容積に近い50ccのモノ。最小目盛りは0.1ccだ。これを燃焼室代わりに使って各方法の測定誤差や再現性を実験しようと思った。メスシリンダの目盛りを見ないようにして、注射器やピペットの目盛りを使って50ccの液体を注入しようと思ったのだ。が、どの道具を使ってもエキサイティングな誤差が発生した(^^;; 50cc入れたつもりなのに47ccしか入ってなかったり、50ccを超えてみたり。こんなんでは圧縮比の測定や燃焼室容積合わせなんか出来るわけがない。注射器やピペットの目盛りはまったく当てにならないのだ。

そして、ふと思った。逆にやれば良いじゃんっ! 予めメスシリンダに50ccの液体を用意し、そこからこぼさないように燃焼室に移す。燃焼室がいっぱいになった時点でメスシリンダ側に残った液体の量を測定して引き算すれば燃焼室容積が出るじゃないか! これを試したところ、測定再現性がかなり高く、明白にこぼしたとか失敗したと解る時以外はピッタリと同じ計測値が出たのだ!

この方法だと液体を移す道具は注射器でもピペットでも何でも良い。使いやすいのは10ccくらいのピペットだろうか。


結局、最終的に使ったのは10ccのガラス製ピペットとスポイト、50ccのメスシリンダだ。

注意するのはこぼさないようにする事と、最後にピペットに残った液体をキッチリとメスリンダに戻す事だけだ。あとはメスリンダの目盛りを読んで引き算するだけだ。簡単んで確実。いろいろやってみたけどコレが一番だった。

実際の圧縮比の計算方法はそれぞれ自分で考えてもらいたいが、容積の測定方法としてはこの方法が一番だと私は結論付けた。

で、これに必要なピペットとスポイト、メスシリンダ、などの道具はどこで買えば良いのか? 雑貨屋とかホームセンタに売ってるモノでもない。私は渋谷の東急ハンズで買ったのだが、東急ハンズが近所に無いと大変だ。

そこで、この測定方法に必要な道具をABIT(歌って踊れる工具屋さん)が説明書付きでキット化してくれた。これを買えば他に必要なのは計算能力だけだ(笑)。 測定方法や計算方法もある程度は解説してくれているので参考になるだろう。

これから燃焼室容積を測定したいヒトはソレ買ってみるのも良いかと。面倒でなければ東急ハンズや教材屋さんまで足を運べば買えますけどね。

ABIT(歌って踊れる工具屋さん)のサイト

燃焼室容積測定キットのページ

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