正当な営業活動の遵守により適正な競争を確保する不正競争防止法を知る

 
1 不正競争防止法とは何か

  いかなる分野でも、競争は適正に行われなければならないのあって、不
正行為による競争を許し、もしくは放置すると、市場の適正な競争原理が
破壊され、市場が混乱しさらには消費者も大きな被害を受けることになる
のです。
  適正な商業活動も、適正な自由競争も、適正な市場が確保されてはじめ
て存在するものです。この様に、適正な市場の確保のため、市場を混乱さ
せ、適正な競争を破壊するような違法行為を取り締まるのが、この「不正
競争防止法」なのです。
      
  従って、この法律は、違法行為を規制する民法の不法行為法の特別法で
あり、市場の適正の確保のため、市場の違法行為を的確に取り締まること
ができるようにするために、民法の規定を更に充実、発展させたものです。

 2 違法行為を発見したら、ただちに摘発して、排除すること

 この法律は、違法な行為をただちに取り締まるものです。市場における
違法行為は、放置しておくと取り返しのつかないことになる危険があり、
一日も早い違法行為の排除が要請されるので、この法律は、民法にはない
特別な規定を持っています    
    第一の特徴
     差止請求権がある(不正競争防止法第3条1項) 
      営業上の利益を害されたもの、あるいは害されるおそれがある
      ものは(主体)侵害し、あるいは侵害するおそれのあるものに
      対し(相手方)、そのものの侵害の停止、または予防を請求す 
      ることができる、というものです。
       民法にはこうした規定はありませんし、理論上もほとんど認
      められていません。
    第二の特徴
     廃棄除去請求権がある(同法3条2項)
      前記主体は、侵害行為を構成した物(侵害行為によりそり生じ
      た物)の廃棄、除去を請求することができる、と言うもので、
      危険や侵害の再発を防止するという徹底的な防止行為を取るこ
      とが予定されているのです。
       この規定も民法にはありません。
    第三の特徴
     損害額の推定(同法第5条)
      通常は、損害額は権利を主張する者が、どのような損害を被っ
      たのか、その額は幾らかと言うことまで立証する必要があり、
      なかなか困難な者がありました。不正競争の場合は、更に損害
      額を立証するには市場全体を調査したり、本来あったであろう
      売上げなどと言ったものを立証しなければならず、不可能に近
      いわけです。
       そこで、ここでは受けた損害は、相手の得た利益の全額であ
      ると推定する規定をおいたわけです。この推定規定で、立証の
      困難さから救済されたのです。
    第四の特徴
      信用回復措置を取らせることができる(同法7条)
      相手方の不正行為によって信用を害された者は、損害賠償と共
      に、信用か回復に必要な措置を取らせることができる、という
      のです。具体的には、謝罪広告とか、取引先に対する謝罪文の
      発送などが考えられます。

3 どのような違法行為を禁止しているのか 

 禁止される行為は、類型化されていますので、そのどれかに当てはまる
ものでなければなりません。
  では、その累計を順にあげます。
 
  ■ 営業秘密不正取得・利用行為等(同法2条4ないし9号)
    営業上の秘密というものがあります。ここで守られている秘密とい
   うものは、3つの要件に当たるものでなければなりません。
       (1)秘密として管理されていること(秘密管理性)
       (2)事業活動に有用なもの(有用性)
       (3)公然と知られていないもの(非公然性)
   と言うものです。
    こうした営業の秘密を盗んだり、悪用したり、盗ませたりする行為
   を禁止したものです。
  
  ■ 周知表示 混同惹起 行為(同上2条1号)
    広く知られた商品表示を、それによく似た表示、類似表示を使用し
   た商品を作り、売るなどして、市場において混同させる行為
    
  ■ 著名表示冒用行為(同上2条2号)
    他人の著名な商品表示を、自己の商品表示として使用した行為
   (混同しなくとも、使用しただけで違法となる)

 ■ 商品形態 模倣行為(同上2条3号)
    他人の商品の形態を模倣した商品を作ったり、売ったりした行為
    形態とは、形状、模様、色彩、光沢、質感などの商品の総合的な特
    徴を言い、ある商品の形態を盗用して形態の同一のものを作ったり、
    売ったりすることを禁止するもので、キャラクターのコピー(マン
    ガのキャラクターを無断でTシャツにプリントするというのは、通
    常キャラクターの侵害であって、区別されることが多いようです。
    商標権、著作権の問題になります。)

 ■ 品質内容等 誤認惹起行為(同上2条10号)
    商品の原産地、品質、内容、製造方法、などについて誤認させるよ
    うな表示をしたり、使用したりする行為

 ■ 信用毀損行為(同上2条11号)
    競争関係にあるものの、信用を害する虚偽の事実を告知し、または
    流布する行為

 ■ 代理表示等冒用行為(同上2条1号)
    総代理店、特約店、特約代理店、等と言った表示を、代理権や販売
    権が消滅した後に承諾なく、続用使用して行う商品販売行為など。

4 権利を侵害されたら
    
  まず、証拠の確保をする。その為に、証拠保全と言う特別な裁判を行う
ことになります。こうして証拠の確保が必要になります。

 その上で、次に、不正競争行為の「差し止め請求仮処分」を行うのが一
般のようです。事柄の性格上、急を要するものが多いからです。
  
  最終的な解決を目指して、ようやく、訴訟を提起することになります。

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