老舗旅館の雰囲気のあるお湯 ■概要 伊豆湯ヶ島へ行く少し手前に吉奈(よしな)温泉がある。前から気になっていたので行ってみることにした。国道414号線の吉奈口からだんだん細くなる道を進むと3軒だけの温泉街に着く。 いちばん大きな東府屋(とうふや)旅館は創業400年という歴史のある高級旅館だ。吉奈川の左岸に本館と露天風呂があり、右岸に新館と内風呂がある。本館と新館は川をまたぐように通路で結ばれている。 格式のある旅館だが、立ち寄り入浴を快く受け入れてくれた。建物内は目立たないところが贅沢に作られている。大正・昭和の文人が好んで訪れたのがよくわかる。 吉奈温泉は行基発見伝説があって、開湯は伊豆で最も古く奈良時代という。徳川家康が側室のお万の方と吉奈温泉に逗留してお万の方は2子を授かったので、吉奈温泉は子宝の湯と言われるようになった。 ■所在地 静岡県伊豆市吉奈98 TEL:0558−85−1000 FAX:0558−85−1733 |
■印象 露天風呂は3箇所ある。この日通された行基の湯は川べりにある露天風呂だ。川岸のがけ地に寄り添うように作られている。本館の裏に一度出てから脱衣所がある。 澄んだやわらかいお湯だ。隅々まで清掃が行き届いているのがうれしい。お湯に浸かっていると静かで森の木香りが気持ちよい。 奥にある湯口から熱いお湯がたっぷり注がれている。底にもお湯の注入口があって適温に保たれている。もちろんかけ流しだ。 源泉は3本あって混合。そのうち大湯吉奈1号泉の泉質は弱アルカリ性単純温泉、成分総計914mg、源泉の温度48℃。 内風呂は渡り廊下で川向こうの新館2階にある。りっぱな浴室だ。2つある内湯のひとつ、せせらぎの湯は大岩を細工した湯口がある。 静かにかけ流されているややぬるめの透明ななお湯は、とても気持ちよい。窓からはいっぱいの緑が見えて、こちらもとてもうれしい。 手入れの行き届いた老舗旅館の良湯だ。雰囲気重視の方も満足できるだろう。 |
■営業
■交通 東名高速道路の沼津ICで下り、国道136号を南下して修善寺を過ぎる。国道414号に入って4kmほどで吉奈温泉の入り口に着く。右折して2kmほど。伊豆箱根鉄道修善寺駅からバスあり。 オフィシャルページ 調査日:2005年9月 |