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をはり
もみたむ山を越え来ざらめや
春されば帰る此の雁秋風に
一に云はく
けがあらうか
風が吹く頃になれば 黄葉した山を飛び越えてやつて来ないわ
訳
春になつてかうして故国に帰つてしまふけれども また秋
もみたむ山を越え来ざらめや
一九|四一四五
春まけてかく帰るとも秋風に
*
中を鳴いて渡る
訳
燕が飛来する季節になつたとて 雁は故郷を慕ひつつ雲の
くにしのひつつ雲隠り鳴く
一九|四一四四
燕来る時に成りぬと雁がねは
帰雁を見る歌二首