日本全国郷土玩具バーチャルミュージアム:民芸館:福島県篇(3)



唐人凧
 製造販売の「竹藤」は、もとは酒樽のたがをつくっていた店でしたが、現在は竹細工と凧を作っています。店の創業は寛永元年(1624)で、会津最古の商家の店構を伝えています。
 【由来。会津と唐人凧とのつながり】:会津藩主の蒲生氏郷は自ら洗礼を受け、切支丹大名とも呼ばれ、長崎の南蛮文化を進んで移入した殿様でした。
 (「凧の民族誌」斉藤忠夫著)の説によりますと、「明和年間(1764〜72)、会津藩は幕府から高麗人参の独占栽培を許されていましたが、隔年ごとに人参の指導や買付けに来た貿易 商人の足立十郎が、その折りに唐人凧をもたらしたということです。
製作者記録:「竹藤」鈴木英夫:会津若松市中央1-2-7  TEL: 0242-22-1068

中湯川人形(掲載の天神と象飾りは別々のもので、関連はありません。)
 昭和59年、会津若松市から東山温泉を経て10数キロ入った廃村の家を譲りうけて、この土人形の作り始められました。
 作者の青柳さんは、東京・浅草生まれですが、オーストラリアに旅行中、その地ですばらしい土人形を作っていた木村満文さんと出会いました。青柳さんは、その時の感激が忘れられず、帰国後、土人形作りを思い立ち、その地を求めて東北地方を歩き、この土人形の窯を開きました。
 作品は、日本人の生活に根ざした土雛やああ天神、十二支物などを中心に独自の型に取り組んで作られています。
制作者記録:青柳守彦:会津若松市東山町中湯川 TEL: 0242-28-1640

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会津の塗り雛
 ろくろ挽きの木地に、漆をかけた雛人形で、数人の作者(職人)が作っています。
山口県には、同じような人形で伝統のある「大内人形」があります。
会津の塗り雛は、作られていた時代は不明ですが廃絶していたのを、鈴木屋さんの手で復元されたものです。「開運雛」「都雛」などがあります。
販売店:鈴木屋利兵衛:会津若松市大町一丁目9-3  TEL: 0242-22-0151

絵ろうそく
 絵ろうそくも、会津の物産としてよく知られています。大きさは、細小が5匁(もんめ)で、10匁、20匁と長くなり、100匁が一番大きくて30センチ位、描かれた花も多種で美しいものです。
製作販売記録:星ローソク店:米沢市南原笹野町5244  TEL: 0238-38-3601
磐梯熱海の張り子
 磐梯熱海駅から徒歩8分、温泉街の裏手の「つくし工房」で、ユニークな張り子が作られています。製作を始めたのは戦後間もなくの頃ですが、どれも表情の豊かな人形です。
 猿まわし、鯉乗り金太郎、風神、等13種ほどと、張り子面10種、会津唐人凧などがあります。
製作者記録:「つくし工房」斉藤 誠:郡山市熱海町熱海1-92-21 TEL: 0249-84-2560

会津の姉様■(廃絶?)
 かって会津若松の姉様がありました。この姉様はすべて布製で、主に藍色の着物に金銀の髪飾りがついていました。

女土地雛■(廃絶)
 かなり以前(年代不明)にこの雛飾りは作られていました。前掲の会津張り子の粟城栄さんの祖父にあたる五十嵐新吉さんが、かって作っていたそうです。

◆(註)記事中の制作者の記録は、1995年頃の調査資料ですので、ご了承下さい。

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(1996.9.16/2001.07.08/2002.07.04/改訂)