----熊本県篇・第4回----
---- KUMAMOTO(4) ----
人吉(ひとよし)市を中心とした球磨(くま)の山村には、「人吉の諸玩具」として素朴な郷土玩具がいまも残り、作り続けられています。
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■きじ馬■
材料はダラ(たらの木)、フシ(柴)、ヘラ(へらの木)などの雑木が使われています。樹皮をはいだままの木の丸味を生かして背中にし、頭部と腹部をナタで削って、二輪車をつけます。彩色は背中部分だけで、赤を主に黄や緑などで色をつけ、墨で頭に大の字や目をいれます。 特に車輪のところが丈夫にできているのが、人吉のきじ馬の特色で、車は丸木を輪切りにして作ります。 大きなものは全長が70センチもあります。球磨地方の大きなきじ馬は、子供が上に乗って、山の斜面をすべり下りて遊ぶのに適した玩具に作られてきました。 ■うずら車■ L字型に曲がった自然木を利用して、木の曲り角に二輪の車をつけ、樹皮はそのままにして、頭部をきじ馬と同じように削り、墨で目と口が描かれています。 戦前には、「うずら」と呼ぶ寸づまりのきじ馬がありましたが、この「うずら車」は住岡忠嘉さんの比較的に新しい作品です。 ■花手箱■ 長方形の蓋付きの木箱で、全体に和紙を貼り、胡粉で白く染め、椿の花を数輪散らして描いてあります。 戦後の頃までの作品は、椿の花が一つの面に一輪ずつ各面に描かれていましたが、近年のものは花も数輪が描かれ、光沢のある絵の具が使われています。 昔は菊の花などの図柄もありましたが、現在の椿の模様は渕田静男が始めたもので、春の市で目立つように、箱やきじ馬に椿の花を入れたところとても売れ行きがよかったので、やがて、他の人も真似るようになり、絵柄のパターンとして定着したと云われています。 ■ひと昔前の諸玩具■ 掲載の作品のように、昔の作品と現在のものとの図柄の違いがわかります。 (参照:熊本県篇・第1回【熊本市内で作られている人吉の玩具】) 【主な製作者】 製作者:住岡忠嘉:球磨郡錦町西無田原104-2..TEL: 0966-38-1020 製作者:宮原健雄:人吉市中林町5-12-2..TEL: 0966-23-3070 宮原さんの作品は、主に人吉駅(肥薩線)前の土産店に出ています。 住岡さんの作品は、人吉市近郊の「人吉クラフトパーク」(石野公園)の売店にあります。 クラフトパーク:人吉市赤池原町1425-1.. TEL: 0966-22-6700 |
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