日本全国郷土玩具の旅:島根県篇(1)

----島根県篇(1)ー1----

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島根県の郷土玩具ガイド(掲載されていないもの、廃絶品を含みます)
 松江:松江姉様。糸てまり。みしゃ凧。お宮。蒸気船。

 出雲:張り子虎。土人形(天神など)。

 大社町:ジョーキ。鯛堤灯。祝凧。

 佐田町:出雲竹人形。

 浜田:長浜人形。石見神楽面。


■施設■

 石見(いわみ)安達美術館    島根県浜田市久代町1655-28
               TEL:0855-28-1920

 隠岐(おき)郷土館  島根県隠岐郡五箇村大字郡755
            TEL:08512-5-2151

 島根県物産観光館 松江市殿町158
           TEL:0852-22-5757





■松江の姉様■
 松江では、この姉様を「ヒナサン」とか「紙びなさん」と呼び、昔は下級武士の婦女子の内職で、伝統的な姉様です。
 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、この姉様を見て「私にとってすべての中で最も美しいものは小さな人形(中略)....眼尻の上がった眼に柔らかな影を含んではずかしげに俯視せる美しい卵形の顔」と述べています。

制作者:松崎昭子:松江市中原町322..TEL:0852-23-5651 

松江の飾り馬
 草津のピンピン馬と同様の作りですが見栄えがいい作品です。現在はミニチュアの飾り馬だけが作られています。
 大型の飾り馬は、古くから作られていたようですが、戦前に廃絶しました。戦後、大野博さんが復元制作したした一時期がありました。
 大野さんから張り子の技法を習った峯川康二さんが、ミニチュア化した飾り馬や張り子を制作しています。島根県物産観光館で販売されています。

制作者:峯川康二:松江市北堀町342..TEL:0853-25-0012

松江のみしゃ凧
 みしゃ=武者が変化した呼び名と云われています。絵の輪郭に沿って形もきめられ、でこぼこしていますが、それでも左右のバランスはとれているように作られています。
 松江大橋の北詰、洋服店「ひつじや」の深津美晴さんらが趣味的に作っていられます。

制作者:深津美晴(ひつじや):松江市末次本町60..TEL:0852-21-5781

大社の祝い凧
 祝い凧の図柄は模様のように見えますが、これは字凧で、朱で「鶴」、墨で「亀」がデザインされた装飾文字として描かれています。
 「出雲大社の右手に鶴山がありその麓に千家国造、左手の亀山の麓には北島国造という、いずれも出雲大社に勤める宮司がいた。元禄の頃(1688〜1704)から、この両家に祝い事があると、鶴、亀を書いた大きな字凧を揚げて祝った。この風習が後に、このあたりの集落の人達に伝わり、結婚や出産の慶事があった正月には、親戚が集まり、畳二、三畳もある大凧を作って揚げるようになった」と伝えられています。


制作者:高橋至誠:出雲大社の門前町の「高橋屋」。次回掲載の灯玩具なども制作。
         簸川(ひかわ)郡大社町杵築東720
..TEL:0853-53-1553



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(1998.11.15掲載)