日本全国郷土玩具の旅:奈良県篇

----奈良県篇(1)ー1----

----NARA----


奈良県の郷土玩具ガイド(掲載されていないもの、かなりの廃絶品を含みます)
 奈良市:奈良の一刀彫。張り子の鹿。奈良五色鹿。手向山八幡の立絵馬。
     法華寺の守り犬。聖徳太子尊像。鹿の巻筆。唐招提寺の宝扇。

 吉野:吉野雛。吉野雛土鈴。蛙土鈴。静御前能面土鈴。

 桜井市:出雲人形。

 五条市:南阿田の流し雛。

 信貴山(しぎさん):張り子の虎

■施設■

 奈良市観光センター:奈良市上三条町23-4
           TEL:0742-22-3900

 奈良県商工観光館:奈良市登大路町38-1
           TEL:0742-22-6601



■奈良の一刀彫■
 奈良市内の代表的な郷土玩具また伝統工芸として奈良人形があります。 一刀の鋭い刃物で彫り上げられているので、 奈良の一刀彫と呼ばれています。
 主に能楽の舞姿の木彫りが多いのですが、鹿や豪華な雛人形の段飾りなども見られます。
 今西杏林さんの店の栞の「 一刀彫奈良人形略史」によると、
 「保延2年(1136)天下泰平五穀豊穰祈願の為、春日若宮社のおん祭の始行に際し、奉賽の田楽の笛吹笠、頭屋の盃台に風流として配した人形が 一刀彫の起源と伝えられ、(中略)桃山時代には既に奈良人形と称して愛用せられていた。(以下略)」と書かれています。

制作者:今西美登(今西杏林堂):奈良市三笠山麓町433..TEL:0742-22-2529

    瀬谷吉弘(五代目、瀬谷桃源):奈良市三笠山麓町433..TEL:0742-22-5410

春日大社の一刀彫
 毎年、元旦から15日まで、楠製の干支の一刀彫が授与されます。

鹿の玩具
 春日大社の神鹿にちなんだ玩具類は、昔からいろいろのものが多く作られてきました。  「郷土玩具辞典」(昭和46年刊斎藤良輔)に引用されている、文化10年(1813)刊の「五畿内産物図会」(大日本名産図会ノ内)に、
「大和国味椰毛母能(みやげもの)に練鹿」と記され、そして「練り鹿とは木型の上に反古(ほご)紙を張って作った張り子の鹿のことで、街道筋で売られて奈良名物の一つにも数えられた。明治14、5年ころからは材料に古葉書を用い、紅殻(べんがら)塗りの上にご胡粉で鹿の肌の斑点を描いた。大正期には和紙を赤、黄に染めて細い竹片を芯にモミジの形を作り、60センチほどのモミジの枝に雌雄張り子鹿2匹を吊したものを売った。」と書かれていて、鹿の玩具類は、古くから種々もものが作られていたことがわかります。
 掲載の木彫りの鹿は最近は見かけ無くなった作品です。また、その他に奈良五色鹿が作られ、奈良市内の土産物店や旅館・ホテルなどで販売されています。

(張り子の鹿・販売):
     亀井物産館:奈良市三条通り角振町8
..TEL:0742-22-7628
     鹿屋:奈良市春日野町23..TEL:0742-22-3181

(奈良五色鹿 ・制作):
     田中淳五:大和高田市大字野口444-7
..TEL:0745-52-2936


▼‥[Next] 奈良県篇(1)-2


  △‥三重県編(1)   【民芸館】目次▲   草の根工房【HOME 】▲


(1998.6.8掲載)