----富山県篇----

----TOYAMA----


■富山県郷土玩具ガイド■

富山市:土人形。替え物。福徳。一本角の獅子頭
高岡:一本角の獅子頭
大門町:越中だるま角凧
利賀村(とがむら):初午の藁馬。木挽き人形。

富山の土人形
土人形の創始は江戸末期で、富山は加賀百万石前田藩の支藩であり、藩の経済政策の一つとして奨励されたもので、特に前田家は菅原道真を遠祖とする関係から天神像が大小種々作られました。
立ち娘、内裏雛、かわや神、内裏雛、その他、型は数10種類ありますが、全体的に小型のものが多いのも、この地方の土人形の特徴です。

富山の替え物
「替え物」とは、東京の亀戸天神や福岡の太宰府に残っているウソ替えの神事と同様に考えられます。「去年の悪しきをウソに替え、良きことを眞にする」という謂われから、参詣者が「かえましょう」と声をかけあって、お互いにウソを手から手へ交換する儀礼です。
この地方の場合は、各神社で授与される土人形が決まっていて、土人形を神前に供え参拝した後、別の人が供えた土人形を受けて帰り、これに幸運を託してお祈りをした、という古い信仰の習俗です。

利賀(とが)村の初午の藁馬
この藁馬には、紅白の布の手綱をつけ、鈴がつけられます。1月15日の夕方、子供たちが集まり、神主役が先頭にたって、次に初午を持つ子と尻尾を持つ子が1枚の布を被り、その後に太鼓、歌うたい、俵ころがしが続き、十数名が一団となって集落の各家を廻ります。

木挽き人形
このからくり玩具は、近年に作られるようになったもので、利賀村、村役場勤務の中谷信一氏が、古い郷土玩具からヒントを得て考案されたものです。その他、キツツキ、兎、などの動物のからくり玩具もあります。

越中だるま角凧のはじまり
昔よりの度重なる大洪水による土手の決壊を防ぐため、凧上げ大会を催して人々を集め、土手を踏みかためて、破損を防ぎました。これが越中だるま角凧の始まりといわれています。



-----富山県篇・おわり-----

(1997.1.6掲載)


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