エソテリック D-02x DAコンバータ 
    この超高S/N感。これはAI内蔵のDACなの?
     
     
     Chord DAVE、アキュフェーズ DC-901、それにエソテリック D-02xの試聴結果に沿って、迷わずD-02xを導入しました。 
     
    
    電源投入後、一晩動作させておいたら、おおむね、試聴通りの音に落ち着きましたので、初期の音質変化はそんなに大きくないように思いました。 
     
     
    その音は 
     
     まず驚きはその圧倒的なS/N感の高さ。聴感上のS/N比ではなく、本当にS/Nが上がるように感じる。なんとなくノイジーだったCDでも、無音の中から音が立ち上がるようになる。 
     
     いやなにより驚くのは、アナログディスクの再生(私のシステムはLPもDAC経由)でも、ノイズが減るんです。さすがにゼロにはなりませんが、あきらかにS/N比が向上する。DAC経由でアナログディスクを聞くのは、これまではDEQ2496を入れるための苦肉の策だったのですが、これからは違います。デジタル化してD-02Xを経由したほうが、あきらかに良い音に変わるのです。まさに、最新技術の恩恵を最大に生かすアナログの聞き方だと思います。 
     
     このS/N向上は、おそらく、バックグラウンドを検出し、ノイズレベルになると音を絞るようなアクティブな操作がなされていると思いますが、わざとらしさや操作感は、絶対に感じさせない。 
     背景の、演奏家の衣擦れの音とか、椅子の軋みとか、いわゆる録音機器のノイズ以外の微小な実音が消えてしまうことはない。むしろ、それらが鮮明に聞き取れるようになる。むろん、小さくなっている楽器はさらに鮮明。 
     でも、ノイズは減る。人工知能(AI)が、ノイズだけを消しているといわれれば、なるほど、と納得してしまう性能。これはすごいアルゴリズムです。 
     
    上記は試聴では気が付かなかったD-02Xのすごさでしたが、このノイズ改善以外に関して、D-02xのPCM系の音は、試聴時の感想の再録になりますが・・・
    
    素晴らしい明瞭度なのにエッジが立ちすぎることはなく、わざとらしい強調感も感じない。 
    きれいでかつ快適な中音域。重厚なのに切れの良い低音。 
    36ビットとかの数字競争には抵抗感がありましたが、この音のすごさをうまく言い表したキャッチコピーが「36ビット処理」なのだと理解し、納得できました。 
     
     
    D-02Xの設置 
     
     威風堂々たる大きさと重量なので、見た目も含めたバランスを考えて、今まではDACの下にあったDEQ2496を、自作ラックで2台まとめてD-02xの上に設置(トップの写真)。 
     
     D-02xはXLRデジタル入力が二つあるので、二台のDEQ2496のうち、 
     
       写真の上段のDEQ2496を「CD、ハイレゾ、SACD系統」、 
       下段のものを「アナログディスク、デジタルレコーダDA-3000再生」 
     
    に割り当て、2本の短尺ABS/EBUケーブル(50cmを特注)で真下のD-02xに接続。 
    ケーブルも整理されて、非常にシンプルになりました。 
     
     実は、その重厚な低音ですが、まれに、ある超・超低域の風圧がDAC64よりちょっと下がった、と感じることがありました。音圧をマイクで実測すると、30〜40Hz付近が、DAC64よりほんのちょっと(1dBほど)下がっているように見える。 
     これはGrandioso用のマージンじゃないかしら、なんて思ったりして・・・まさかね (^^) 
     DEQ2496で31Hzと40Hzを1dBブーストしたところ、同じ風圧感になりました。 
    JBL4344は、超低域まで出るので、わずかな変化でも結構わかります。 
    デジタルイコライザの面目躍如です。 
     
     デジタルイコライザを入れねばならないため、私はトランスポートのP-02xは買えませんので、D-02xのSACD&DSDの実力は聞くことができませんが、DSDは、PCMと違って36ビット処理は当然通らず、AK4490直結処理。だから、DSDが使えなくても、それほど無駄とは思いません。 
     やはりエソテリックが一番力が入っているのはPCM系の36ビット処理でしょう。 
    アキュフェーズの特許DSD処理「MDSD方式」に、エソテリックは36ビットPCMで対抗したのだと思います。 
     
     
    現在の回路構成の図 
     
     
    D-02xのありがたい機能 
     
    その1: デジタルノイズが入っても、素早くミュートし、まったくノイズが聞こえないのはありがたい。 
    その2: 表示窓の字も大きく、見やすい上、明るさも変更可能、かつ、数分で消灯するようにも設定できて、これはインジケータの消耗が気になる私にはありがたい。 
    
    
    
    
    
    デジタル表示で音が悪くなる説は信じていません。エソテリックの説明書にも、消すと「音がよくなる」とは書いてなくて、インジケータの劣化を押さえることができる旨が記載さていました。エソテリックの機器に、使うと音が悪くなる表示機能なんてついていない。当たり前ですね。 
     
     
     
      
     
     
     
     
     
    D-02xのちょっと意外だった不満(リモコン) 
     
     リモコンはP-02xにしか付属しないので、別に買おうかと思いました。 
    しかし、念のために、知人にリモコンを借りて確かめたところ、リモコンで操作可能なのは、 
    表示窓の明るさ切り替えのみ。え、なにこれ! 
    
     入力の切替えボタンがリモコンにはあるのですが、これはプリアンプ用で、D-02xには効かないことがわかりました。まあ、確かに混信しても困るしね。
     そんなわけで、せっかく2つあるXLRデジタル入力が役に立ったのに、XLR2からXLR1に行くには、本体のINPUTボタンを7回も押さないといけない。 
     
    XLR2→RCA1→RCA2→Optical→USB→ESlink→DualXLR→XLR1 
     
    せめて前後両方向のボタンを付けて欲しかった。 
      @MPD-3はリモコンでダイレクトに行けたのになあ。 
      @まあ、ボタンが前面になかったDAC64よりは良いのですが。 
     
     
    
     
     資金の都合もありまして、D-02xの導入に合わせ、DAC-64mk2とMPD-3には、大変に心残りではありますが、 
    ご勇退いただきました。 
     
     
    2016年5月 
    
     現在の回路構成は以下のようになっています。
      
       |