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今世紀のスイスの重要な作曲家のひとり、ヴラディーミル・フォーゲルについて書いてみたいと思います。
彼は、その名が表しているようにロシア人であります。一八九六年二月二十九日にモスクワで生まれました。ロシア革命によってベルリンに移り、一九一八年から一九二四年にかけてベルリンでイタリアの鬼才ブゾーニに師事し作曲を学び、クルト・ヴァイルやハンス・アイスラー達の「ノーヴェンバー・グループ」に属していました。
一九二五年からは、ベルリンのKlindworth-Scharwenka音楽院で作曲を教えていたのですが、一九三三年のナチの政権奪取により再び亡命。スイスに身を落ち着けることとなったのですが、外国人として扱われた彼は、一九五四年にティチーノ州のアスコナで市民権を取得するまで、厳しい外国人の居住に関するスイスの法律により、各地を転々として生きていたようです。 |
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