|
この行ったこともない教会のオルガンについて書いてみようなどという無謀なことを思ったのは(勿論来年2001年に訪れる予定ですから、帰って来たら改訂する予定です)、フランスのバロック後期の作曲家ミシェル・コレット(1709〜1795)のオーボエとオルガンの為の小品集をこの教会で録音したCDを手に入れたからです。
(瑞西CASCAVELLE/VEL 1007)
曲は、ノエル(クリスマスの歌)やミュゼットといった当時よく知られたメロディーをアレンジした小品集ですが、オルガン奏者にして作曲家、そして教師として高名だったコレットのアレンジですから、聞いている内になんとも幸せな気分になってくるような、一枚となっています。
オルガンとオーボエ(時々コールアングレに持ち替え)は、実にバランスの良いアンサンブルで録音されています。音の反応のスピードがこんなに違う楽器間でのアンサンブルですから、大変だったろうなと思いますが(オルガンは鍵盤を押して音が出るまでにほんの少しですがタイム・ラグがある)、そんなことは全然感じさせない一枚となっています。
CDにはどのようなオルガンなのかについて、何一つ記載されていないという、少々不親切なライナーの為この面での情報も全くなく、想像でしかないのですが、恐らくバロック期の後期のオルガンで、状態の大変良い物のようです。かなりの「改良」が加えられているようですが、バロック期のオルガン音楽に適した(ということはロマン派から近代にかけての大音量、カヴァイエ・コルのオルガンを前提に書かれたような作品群には対応できないと思います。恐らく鍵盤は二段程度ではないかと思います。
このバロック・オルガンに対してこの奏者ダニエル・メイランは実に健闘していると思います。また、オーボエの参加が音色に広がりを与えていて、広い空間を感じさせる素晴らしいCDとなっています。
スイスのマイナー・レーベルでありますが、このCASCAVELLEというレーベルは他にもアンセルメやビーチャム、フルニエなどの放送録音を丁寧に復刻して売り出していて、こんなマイナーな作品を貴重な教会で録音しそれを売り出すという、とても良い仕事をしている(どっかの鑑定師ではないですけれど)レーベルだと思います。
皆さんも見かけたらちょっと気にかけてみて下さい。「えっ?」と思うような演奏に出会えるかも知れません。
いつか、このページを大改訂して、ロマンモティエの教会はこうだったとこのサイトで報告できるようにがんばりたいと思います。
|