知って得する権利手帳
派遣で働くあなたへのメッセージ 1
派遣労働は問題が多すぎます
脇田 滋(龍谷大学教授)
派遣は、労働者と派遣先との間に派遣元が入る「間接雇用」です。使用者が2人いる三面関係ですので、本当に使用者の責任をとってくれる相手がはっきりしません。派遣打切りでいつでも雇用を失う危険があります。派遣会社は「問題がなければ調子がいいが、何かあれば実に頼りない」存在です。
派遣110番には「約束の仕事と違う」「年休が行使できない」「二重派遣では」といった切実な声が寄せられています。年次有給休暇、交通費、社会保険、雇用保険、ボーナスなどで決定的に不利。セクハラや差別扱いの例も少なくありません。「次の仕事の紹介をしてもらうために泣き寝入りするしかない」という派遣労働は問題が多過ぎます。
公正な労働条件で長く働くのが労働法の基本。自分を守るためには労働基準法や社会保険などの勉強も必要です。また、ひとりでは弱くても、力を合せれば権利を実現できます。

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